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KURO'S 知恵ノートアーカイブ-24
Yahooの知恵ノートに載せた内容をこちらでも。

加工されてないけど注意が必要石

パワーストーン(天然石)を買って「これ、本物?」「偽物?」と心配になったことはありませんか?

実は、天然石で本物、偽物は白黒はっきり分けられません。
※詳しくはこちらも読んでみてください。
知恵ノート:「パワーストーンの本物、偽物について考える。」

天然石と言いながら人工ガラス……は誰が見ても偽物ですが、加工だと「偽物」「偽物とまでは言えない」と意見が分かれます。
さらには、加工もされてないけど本物偽物の意見が別れたり、気をつけないとがっかりする石もあります。

「だから天然石は難しい」と思うかもしれませんが、気を付ける点を知っているだけでもかなり違うのでまとめてみました。

以下は、実はガラスだった……とか、人工的に色を変えられてたりするわけではないけど、考え方によって「これでもいい」と「これはちがう」と意見が分かれる石です。
いわば、白黒はっきり分けられないグレーゾーンど真ん中石。
あなたはどう判断しますか



●ヒマラヤ水晶
 …詳しい産地はどこ?


ヒマラヤ水晶というからにはヒマラヤ山脈で採れた水晶のこと。
でも、どこからどこまでをヒマラヤ山脈というか、店や人によって意見が分かれます。
ふつうヒマラヤ水晶と言われるのは、ネパール産と、インド北部の水晶です。
パキスタン北部もヒマラヤに入ります。

だから、「ヒマラヤ水晶です」だけで売っているところは「詳しい産地はどこですか?」と聞いてみてもいいかも。
「ネパールですよ」「インドのクルです」とすぐにこたえられるか、答えられないかで、店のスタンスを判断するのもありです。

原石などでは中国の四川省産のものを「ヒマラヤ水晶」と言っている例がありますが、四川省産については意見が分かれます。
私は「ヒマラヤ山脈」の判断です。


●ルチルクォーツ
  …ルチル入りだからルチルクォーツ?
   それとも針入りだったらルチルクォーツ?


ルチルというのはRutile(金紅石)という鉱物の名前なので、この鉱物がはいっている水晶がルチルクォーツだと思うんですが、ビーズでは、見た目は似ているけど中身がルチルではない石もまとめてルチルクォーツにされていることがよくあります。

本などにも「針状の内包物入り水晶がルチルクォーツ」と書かれていたり、「ルチルクォーツは商品名だから中身がルチルでなくても構わない」という意見の店もあります。

私は「ルチル入りだからルチルクォーツ、ルチルじゃなかったら違う」という意見ですが、あっちこっちで意見が割れるので、これはもう、どちらが間違いというより、ルチル入りだからルチルクォーツなのか、ルチルでなくてもいいのか、持つ人がどう考えるかで決めるのが一番すっきりするような気がします。

「効果は違う?」……と気になるかもしれませんが、そんなのは決まってないし比べられないので、気にしなくてもいいのでは。

ざっくり言うと
黒ルチル……たいていトルマリン。ごくまれに黒く見えるルチルもある
青ルチル……すべてトルマリン入り。(ルチルに青はない)
          グレーっぽい、針というより繊維みたいなのは角閃石の場合もある
緑ルチル……エピドートアクチノライトという別の鉱物入り。
         ルチルにも緑があるけど、はっきり緑ではなくて何となく緑っぽい金や銀。
赤ルチル……ルチルも赤い角閃石もある。もやもやしているのは角閃石。
         ルチルだったら針状のものが見えて銀色の光沢がある。
金ルチル……金属っぽい輝きだったらルチル
白ルチル……絹糸っぽいのは角閃石かも
銀ルチル……金属っぽい輝きがあるならルチル。真珠色と言いたい感じのは角閃石かも。
プラチナルチル……ルチル以外というより銀ルチルとの区別があいまい。 
          プラチナが入っているレアな水晶です! と説明されたことがあるけれど、
          プラチナは入っていません。(念のため)

こちらでいろいろ写真を載せているので、参考にどうぞ
「見て、比べて、考える」の中の「ルチル編」



最近、
ルチルクォーツで染めがあります。可能性があるのは赤と黒(プラスもしかして青)。
黒の染めは、黒くしたいんじゃなくて青く見せたくて染めたけど、その結果、黒く見えていというもの。
水晶は基本的に染料では染められませんが、ルチルクォーツの場合、ルチルと水晶の間に染料がしみ込むので染められます。
ルーペで見ると、ルチル以外のひびなどに、染料がしみ込んで色がついているのでわかるそうです。 
お店も、知らずに仕入れていることが多い様子。


赤く染めているルチルをルーペでじっくり見てみました。
こちら


      
    
●エレスチャル
  …もとは形の名前だけど……どうする?


エレスチャルというのは、もともと骸晶という成長の仕方をした、ごつごつ水晶に対して付けられた名前です。
エレスチャルは、本来こういう水晶です。
 

エレスチャルか否かには色や内包物は関係ありませんが、この石は、成長する環境のせいでスモーキーやアメジストが混じっていたり、他の鉱物がたくさん内包されていることが多いのです。
そのためか、ビーズでは「色混じりや内包物入りの水晶をエレスチャルといいます」などと間違った説明で売られています。

ビーズでエレスチャルというなら、本当は削る前の形がごつごつ水晶(骸晶)でなければならないはずですが……ごつごつ水晶はビーズにしたら無駄がたくさん出るので、ビーズになっているのはもともとエレスチャルじゃない形(塊など)で、色や内包物がたまたま似ているだけの別の水晶の可能性があります。

少なくとも「スモーキーやアメジストが混じって内包物がたくさん入ってる水晶がエレスチャルです」と言う説明は正しくありません
本でもこういう説明がされているけど、本来は違います。
これも、ルチルと同じで、本当は違うんだけど間違いの説明が広がりすぎなので、持つ人がどう考えるか決めましょう……かも。


●実は産地限定の石

 名付け親のヒーラーが「この石はここで採れるものだけ」と言っていたり、名前の意味を考えると産地が限られるはずなのに、ビーズでは全然別の産地でも当たり前にその名前で売られている石たち。本でも堂々と産地無視で紹介されている石があります
「やっぱり違う」と思うか、「ここまで一般的になってるんだからそれでいい」なのか。
どっちの意見もあるようです。



◆スーパーセブン

名付け親のヒーラーは「ブラジルのエスピリトサント州産」と言ってますが、 売られているのはそれ以外の産地も多々
スーパーセブンはよく「クリアクォーツ、スモーキー・クォーツ、アメジスト、ルチル、レピドクロサイト、ゲーサイト、カコクセナイトが混じった石」のように説明されてます。

要するに「色混じり内包物たっぷり水晶」なので、見た目が(ビーズの)エレスチャルとかぶってしまい、同じような水晶がスーパーセブンだったりエレスチャルだったりで混乱したあげく「エレスチャルスーパーセブン」の名前で売られていたりしますが、「スーパーセブン」と「エレスチャル」の名付け親は違う人なので、二つの名前が一つになることはないと思います。


◆レムリアンシード

最初のレムリアンシードはブラジル、ミナスジェライス州のカブラル山脈産
理由は、有名な神智学者が著書の中で「レムリア大陸が崩壊した際にレムリア人の意識体が南米大陸の地下に逃げ延びた」と書いていること、カブラル山脈で採れた水晶は真っ白な砂が固まったような中に一本一本ばらばらに並べられたような状態で埋まっていたことから、見つけたヒーラーが「まるでレムリアの遺跡のようだ」というインスピレーションを得て名付けたこと。

水晶自体の見かけと、見つかった状況(場所)がかかわる名前なのに、今では「側面に横筋がある水晶=レムリアンシード」みたいに思われていて、中にはヒマラヤ産や国産のものまで「レムリアンシード」といわれていることもあるくらい。
 カブラル山脈産レムリアンシード以降、ロシアやコロンビアなどいろんなところの「レムリアンシード」が登場しているが、どうしてレムリアンシードなのかの理由がはっきりしていないものが多いです。

これも「レムリアンシードで売られているからレムリアンシード」「横筋がついてたらレムリアンシード」なのか、とりあえず産地にはこだわってみよう……なのか、自分で決めた方がいいかも。
私は、自分のために買うなら見かけと産地にこだわります。
産地は別にしても、レムリアンシードは「側面に横筋がついている水晶全体のこと。
「側面にレムリアンシードが出ています」という説明は間違いです。
レムリアンシードの側面の横筋は「レムリアン・リッジ」といいます。
レムリアンシード以外の横筋は「成長線」。「バーコード」と呼ばれることもあります。
水晶は横筋があったりなかったりですが、これは成長の具合による違いで、水晶だったら側面の横筋はあってもおかしくないものです。
◆インカローズ

インカローズは正式な鉱物名ではありません。鉱物としてはロードクロサイトと言います。
インカローズとは、一番厳しく言うと、アルゼンチンのある鉱山で採れる、鍾乳石状に成長したロードクロサイトのこと。これを輪切りにすると同心円状の縞模様になっていて、バラの花のように見えます。
またこの鉱山がかつてのインカ帝国の中にあって、当時から鉱山として掘られていたことから、インカ帝国で採れるバラのような(模様の)石……ということでインカローズの「あだ名」が付きました。

でも、今では産地違っても、模様がなくてもロードクロサイト=インカローズと呼ばれています。それでいいかどうかは、意見はいろいろなので……買う人の好みですね……。
ちなみに私は、産地も重視したい派。

インカローズという名前の方がステキ!……とおっしゃる方もいるかもしれませんが、ロードナイトだって「薔薇色石」という名前なので、負けないくらいステキだと思うんですが。
◆ハーキマー・ダイヤモンド

ご存じの通り、「ダイヤモンド」と名前がついていても水晶。小粒でコロッとしていてピカピカキラキラなので、「まるでダイヤモンドみたい!」……ということでその名前が付きました。

ハーキマーは地名です。
アメリカのニューヨーク州ハーキマーで採れたダイヤモンドみたいなキラキラ水晶だから「ハーキマー・ダイヤモンド」
産地が違うのに「ハーキマー」と呼んだらおかしいです。

ハーキマー・ダイヤモンドが有名なので、ついつい他の産地の小粒キラキラ水晶までハーキマーと呼んでしまうようですが、「ハーキマータイプくらいにした方がいいんじゃないかと思います。
小粒キラキラなら「ダイヤモンド・クォーツ」でもいいと思うんですけど……なぜかハーキマーという名前が独り歩きしてしまい、アーカンソー州で採れたから「アーキマー」、パキスタン産だから「パキマー」……というダジャレみたいな名称も見かけたことがあります。



パワーストーンとしての名前は、注意しないといけないことがあります。
石の卸業者は、必ずしもパワーストーンに詳しくなくて
「こういう石がこんな名前で売れている、同じ見かけだからこっちもそれでいこう!」くらいの軽い気持ちで名前を付け、仕入れる小売業は「卸がそう言っていたから」ということでそのまま売ってしまう場合も多いようです。
ビーズの場合はビーズの加工工場を挟むので、元の石の産地が分かりにくく、確認もしづらいという事情もあります。

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