写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。

KURO'S 知恵ノートアーカイブ-35
Yahooの知恵ノートに載せた内容をこちらでも。

パワーストーン、ルチル「を」スッキリ?


パワーストーンで、ルチルクォーツは人気です。

人気なだけに、いろいろ情報がごちゃごちゃしていて、心配や混乱も多い様子。
とりあえずまとめてみました。


まず。

●ルチルという鉱物がある

その名もずばりルチルという鉱物があります。
和名は「金紅石(きんこうせき)」。成分は二酸化チタン。
鉱物? 難しい〜と言わずに、とりあえず、
ルチルという鉱物があるということを覚えておいてください。
単独ではこんな鉱物です。

表面は銀色の金属光沢に見えますが、光に透かすと赤く透けます。 (太くなると透けませんが)。
金紅石という和名もなるほどです。


●ルチルクォーツは金紅石入り水晶

ルチルという名前の鉱物があるのですから、普通に考えたらルチルクォーツは水晶の中にルチルが入ったもののことです。
しかし、ルチルクォーツの名前で売られている石には、中がルチル(金紅石)でない物もたくさんあります。

中にはルチルクォーツは商品名だから中がルチルでなくてもいいとか、ルチルは針入り水晶のことだ(針状だったらルチルでなくてもいい)という意見もありますが、ずばりルチルという鉱物があるのに、水晶と一緒になると他の鉱物も含めてルチルと呼んでいいという説明にはならないでしょう。



本ですら、ルチルは針という意味だ、と書いていたり、
検索しても
◇ラテン語の「rutilus」(金紅色)に由来
◇ラテン語で「赤み」を意味する「rutilus」に由来
◇赤を意味するラテン語「 rutilus 」に由来
◇ラテン語で“金色に輝く”という意味の Rutilus
◇ラテン語で「金色、輝き」を意味するrutilus

と、赤なのか、金紅色なのか、金色の輝きなのかごっちゃごちゃ。
……ということで情報をさかのぼって調べました。
結果。
「Name Origin: From the Latin, rutilus - "reddish." 」
ラテン語で「赤みを帯びた」が正解です!


針入り水晶=ルチルクォーツじゃないよ

ルチルクォーツ=針入り水晶という意見も多いですが、これはちょっと違います。
針入り水晶というからには、水晶の中に針状のものが入っている水晶のこと。
水晶の中に針状に内包される鉱物としては、ルチル以外にトルマリンやエピドート、アクチノライト、エジリンなどいろいろあります。
ルチルクォーツは針入り水晶の代表選手ですが、針入りだったらルチルとは限りません。



●色別、ルチルクォーツの正体

ルチルクォーツの名前で売られている石には、中がルチル(金紅石)でない物もたくさんあると書きましたが、ざっくり言うと以下のような感じです。

◇金ルチル→ピカピカした金属光沢ならルチル
◇銀ルチル→ピカピカした銀色ならルチル
         プラチナルチルとの区別があいまいになってきている
◇黒ルチル→まれに黒く見えるルチルもあるけど、たいていはトルマリン(ショール)
         時にエジリンなど。
         染めて青く見せようとして黒くなっているのもある。※
◇緑ルチル→ルチルの緑は金や銀と間違えそうな微妙な色。
         はっきり緑に見えるのは、アクチノライトエピドートなど。
◇赤ルチル→赤く見えるルチルもあるが、角閃石の場合もある。
         染めて赤くみせたものもある。
◇青ルチル→ルチルに青はないので、青い針はトルマリン(インディゴライト)
         ふわっとした繊維状だと角閃石の場合もある。
◇プラチナルチル→シルバールチルとの区別があいまいになってきている。
         ブロッカイト(ブルカイト)入りとも言われるが、大部分はルチル。
         羽根状に見えるルチルの「芯」がブロッカイト。
◇シルキー・ルチル→シルバールチルが「銀色」に対し、
         シルキーは絹糸みたいな感じ。おそらくルチルではなく角閃石

他の鉱物と見分けにくいものも多いですが、青・緑はルチルではないです。
黒も大部分はルチルではないでしょう。(まれに黒く見えるルチルがあります)
このほか、色名のついたルチルはたくさんあると思いますが、基本金属光沢があったらたぶんルチル、そうでないなら怪しいかも(要確認)と考えるといいかも。
このほか太さのばらつきや断面の感じ、全体的な様子も手掛かりです。
については後述します。

ルチルかどうかわからない場合は、「(見た目の色の名前)針入り水晶」というのが適切だと思います。

ルチルの金属光沢というのは、たとえばこういう感じ。
とはいえ、この通りに見えないものも多いので、慣れが必要です。


アメジストの中に金色の針状のものが入っている場合、ルチル、あるいはカコクセナイトであると言われたりしますが、実際はゲーサイトであることがほとんどです。
ストロベリークォーツがルチル入りであるというのも間違いで、これもゲーサイトです。


●何しろ天然のものなので区別があいまいです

ルチルは、色で○○ルチルと分けられていますが、何しろ天然ものなので、はっきり何色と分けられないものもあります。
一方でゴールドと呼ばれていたのが別のところではブラウンだったり、レッドとカッパー(銅)が一緒だったり別だったりします。

「じゃあ、意味や効果は?」と気になるところですが、色の分け方もあいまい、意味や効果も「ルチルはこれ!」と統一されてないので、意味や効果の違いも比べられないです。

「タイチンルチル」と呼ばれるものもありますが、これは「金偏に太い」に針と書いてタイチン、中国の呼び方です。
私は、鮮やかな金色のルチルが板状に並んで、石全体が金色に見えるようなタイプ……と覚えましたが、どういうものをタイチンと呼ぶのか、統一基準はありません。
でも、「金偏に太い」という字を用いるくらいなので、金ルチルがちょっと入った程度のものをタイチンと呼ぶのはおかしいと思います。

また、ヴィーナスヘアーと呼ばれるタイプもあります。
金色のルチルがそう呼ばれてる感じですが、「ヘアー(髪)」なので、(金色で)細くてしなやかなものをそう呼ぶべきではないでしょうか? しなやかではない針状のものでは、あまりに剛毛でヴィーナスの名前にそぐわないと思いませんか?

おなじようなもので「ラビットヘアールチル」がありますが、これは細い細いルチルの場合と、角閃石でルチルではない場合があるようです。


●染めもある。

上記の「色別、ルチルクォーツの正体ののお話です。

ルチルクォーツには染めがあります。
……が、何でもかんでも染めを疑う必要はないです。
ポイントは「染められる色&染めて高く売れる色」

金色はある程度採れるし、本物と間違うような金属光沢金色には染められないので、可能性は低いでしょう。
銀やプラチナも色が微妙で同様です。
緑は、ルチル以外でそこそこ採れるので染めてまで作る必要がないかも。

可能性があるのは、赤、青、黒です。

ルチルクォーツを染める場合、基本は磨いたものです。
磨くと、ルチルの断面が表面に現れます。
ここに染料を染み込ませ、ルチルと水晶の隙間を染めるのです。

隙間に染み込ませるので、ルチル以外にひびなどの隙間があればそこも染まってしまいます。なので、ルーペで見たり(要・慣れ)、鑑別に出せば判別可能です。

たとえばこれが赤く染められたルチル。


内包物の形状を見ると、とりあえずルチルで間違いはないようですが……


これをさらにルーペでよーく見ると

ルチルが貫いている水晶内部の隙間にも染料がしみ込んでいます。
色も、本来の赤いルチルは、煉瓦色に寄っていきそうな、茶色みのある赤ですが、染めた赤は青みのある赤です。
ルチルが細く赤みが少ないものがピンクルチルで売られている例もあります。(天然でピンクっぽく見えるルチルもあります)

黒は、トルマリン入りがたくさん出るので、本来染めてまで作らなくてもいいはずですが、青く見せようとして染めたら濃すぎて黒くなったという例を見たことがあります。
なので、失敗作の黒と、もしかして成功した青の可能性があります。
これも染める原理は赤と同じなので、水晶内部の隙間やルチル(または針状内包物)の隙間の染料だまりを見つけることがポイントです。


●ルチル(クォーツ)のニセモノ

ルチル(クォーツ)に偽物があるんだって! という話を聞くことがあります。

えっ!? 偽物? 自分のが偽物だったらどうしよう? 欲しいと思うんだけど、これは本物のルチル(クォーツ)?……と心配になる気持ちもわかりますが、ちょっと待った。

これ、そんなに慌てる話ではありません。
偽物と聞いたら、慌てる前に情報整理!

パワーストーンの場合、本物じゃなかったら偽物と白黒はっきりきっぱり分けられません。
加工を偽物という人もいるし、偽物とまでは言えないという人もいるし、冷静に考えたらそんなのあるわけないという都市伝説的噂話も混じっているからです。

ルチルクォーツの「偽物」ってなんでしょう?
その偽物がありえるか、心配しなければならないほど多いものなのかも考えてみましょう。

◆人工的に作った?
合成水晶(天然水晶と同じ成分を同じように結晶させたもの)や練り水晶(天然水晶を砕いて溶かして固めたガラス)の方法でルチル入り水晶を作った?

……無理です。合成水晶は、傷なし不純物なしの水晶を作ることに特化した装置と技術なので、ルチル入りは作れません。
パワーストーンのためにわざわざそんな技術を開発したらコストがかかりすぎます。

練り水晶は要するにガラスです。溶けたどろどろガラスを思い出してください。あんなものの中に細いルチルみたいなのを本物そっくりに入れられるでしょうか?
これも手間がかかりすぎ

◆あとからルチルを入れた!
……という話もあったりしますが、無理!
ガラスより硬い水晶に、髪の毛みたいに細い穴をあけて、一本一本ルチルを通せます?
ルチルという鉱物は合成可能ですが、工業的に利用するためなので、細い髪の毛状になんて作れません!

上の練り水晶のところにも書きましたが、ガラスの場合、ドロドロガラスの中に髪の毛みたいな細い針金状のものをまっすぐ針状に入れられません。溶けたガラスの中でも変質しないものを手に入れるのも大変です。

偽物を作る理由は、本物が少ないから、偽物を安く作って本物価格で売って利ザヤを稼ぎたいから。ここで特殊な材料や技術でコストをかけたら、偽物を作る方が高くつきます。

透明水晶見た目そっくりの練り水晶と違って、水晶の素とルチルの素を釜に放り込んでぐつぐつ溶かして固めたら、本物そっくりのルチルクォーツの出来上がり! なんて話ではないんです。



ルチルクォーツを「ルチル」と略すことがよくあります。
普通に会話している分には問題ありませんが、質問等では略さない方がいいでしょう。
すでに書いたようにルチルという鉱物単体ならば合成可能ですが、ルチル入り水晶は作れません。
でも不用意に「ルチル」と略して合成可能な単体のルチルと混同すると、「え? 人工のルチル(クォーツ)があるの?」と勘違いしかねません。

ほかにも、レピドクロサイト・イン・クォーツとレピドクロサイト(単体)は全く見た目が違います。
ピンクエピドート・イン・クォーツをエピドートと略したら、似ても似つかない緑の鉱物のことになります。
それでなくても、マスコバイト(白雲母)のようにビーズとその名前が示す鉱物のスタンダードな色や様子が違う例はちょくちょくあるので要注意。

ラピスラズリも「ラピス」と略されますが、ラピス=石 ラズリ=青という意味なので、ラピスと略すと「石」と言っていることになっちゃいます。(「それはさすがにちょっと……」と思ったので、私はラピスと略すのをやめました)



これ、きれいじゃないんだけど偽物?
……という質問も見かけます。
でも、これ、逆だと思います。
作るんだったらきれいに作って高く売った方が得です。
わざわざ手間をかけて、安くしか売れないきれいじゃないものを作らないでしょう。


●じゃあ、偽物はないのか?

人工的に作ることも、あとからルチル(のようなもの)を入れるのは無理! ……じゃあ、ルチルに偽物はないとおもっていいの?

……これについてもちょっとお待ちを。

上で、ルチルクォーツと言いながら中がルチルじゃないのがけっこうあると書きました。
ここで、私と同じくルチルクォーツだったら、中はルチルであるのが当然だよね? という考えだったら、実はトルマリン入り、実はアクチノライト入り……は「偽物」です。

そういう意味では「偽物はあるということになります。

でもルチルクォーツは商品名みたいなものだから、中がルチルでなくてもルチルクォーツと呼んでもいいという考えだったら、実はトルマリン入りは偽物になりません
(中には、ちょっと見ルチルか否か判断をつけかねる内包物もあります)


いちおう、偽物確定! というのもあるにはあるんですけど……
コレ。


ガラスの中にキラキラのラメが筋状に入っています。
最近は「砂金ルチル」なんて名前も付いてるようですが……。
これをルチル(クォーツ)と思えという方が無理
だって針水晶=ルチルクォーツという見方もあるくらい、ルチルといえば針状というイメージ。それをこんなきらきらラメと間違えろと言われても。

もうひとつ。
こちらは同じものが海外でシンセティック・ルチルレイテッドクォーツの名前で売られていました


これもガラスで、……チェリー・クオーツのクリーム色バージョンてとこでしょうか。
これも、こいつをルチル(クォーツ)と間違えろと言われても。という気分。
シンセティックは「合成」、つまり自然のものと同じ成分・構造のものを人工的に作ったという意味なので、成分も違う構造も違うガラスのこれをシンセティックと言ったら間違いです。

ということで、ルチルの「偽物」については、ルチルクォーツは「ルチル(金紅石)入り」か「ルチル以外でもOK」と考えるかで大きく違ってきます。

ルチル以外でもOKだったら、人工的には作れないので、さほど気にすることはないのでは。

ルチルクォーツはルチル入り! だったら、本物そっくりの人工物は気にしなくてもいいけれど、他の鉱物なのかどうかが問題になります。
自分で見分ける目利力を養うか、とりあえず、緑、青、黒は要注意とみて、まずは店の人に「ルチルクォーツでも、中身がルチルという鉱物ではない場合が多いと聞いたけど、これはどうか」みたいに、自分が「ルチル(金紅石)入りを探している」ことをはっきりさせて質問することから始めるのがいいと思います。


間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。


写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。
SEO [PR]  ローン比較 再就職支援 バレンタイン 無料レンタルサーバー SEO