写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。

KURO'S 知恵ノートアーカイブ-9
Yahooの知恵ノートに載せた内容をこちらでも。

ストロベリークォーツっていろいろある?

現在、パワーストーンではブレスレットが人気です。(注:パワーストーン=ブレスレットではありません)
いろんな石がある中でも、人気の石があります。

ストロベリークォーツもそのひとつ。

ただ……困ったことに、見た目や含まれる鉱物が違う、異なったタイプの石が同じストロベリークォーツの名前で売られています。おまけに、似た感じのガラスビーズもあってさらに複雑。

ちょっとまとめてみたので、
自分が「ストロベリー・クォーツ」と考えるのはどこまでなのか、情報整理してみませんか?

まず。


●実は、ストロベリークォーツはこれだ!という規定はない。

意外かもしれませんが、「これこれこういう水晶をストロベリー・クォーツという。それ以外はストロベリー・クォーツと言ってはダメ」という規定はありません。
「見た目苺みたいでかわいい」水晶に付けられたあだ名みたいなものです。
だから、見た目苺みたいなら、ストロベリー・クォーツと呼んでも間違いではありません。いちおうは。

ただ……一番有名なストロベリークォーツは、人気の高さとレアさでかなりの高額石。それにあやかって、この名前を付ければ売れる!……とばかりに、お世辞にも苺には見えない石に「ストロベリー・クォーツ」の名前が付けられたり、似てるだけのガラスビーズに驚く高値が付けられたりするので困るのです。

では、まず一番有名なものから。


●名実ともにストロベリー。カザフスタン産とメキシコ産

最初に「苺みた〜い♪」ということでストロベリー・クォーツの名前が付けられた水晶は、メキシコ産


今現在、一番有名なのは、カザフスタン産


メキシコ産は今現在はほとんど流通していなくて、ビーズでは見かけたことがありません。
カザフスタン産は、原石・ルース、ビーズなどで見かけます。
ロシア産というのもありますが、カザフスタン産が詳しい産地まで分かるのにロシア産はわからなくて、カザフスタン産のをロシアと言ってるんじゃないかと個人的に疑問

メキシコ・カザフスタン、どちらも赤く細いゲーサイトがぎっしり入っていることでかわいい色合いに見えています。(レピドクロサイトとしているところもあり)
※ルチル入りというのは間違いです。


●ものによってはストロベリーといってもいいかも?

ゲーサイト入り水晶は、世界各地で出ます。
ただし、すべてが「苺みたいにかわいい色」に見えるとはかぎりません。
そんな中でも、比較的「ストロベリー度」が高いんじゃないかと思うのがインド産です。


ただし、メキシコやカザフスタン産に比べると、ゲーサイトはやや太めのものが多いです。
さらに、インド産だったら全部苺っぽいというわけではなくて、水晶部分がスモーキーだったり、他の鉱物が混じったり、ゲーサイトの色が途中で変わったり。


これはこれできれいで面白いと思いますが、「苺っぽい」かどうかは評価が分かれるでしょう。同じような石が「スーパーセブン」とか「エレスチャル」なんて名前で売られていたりもします。
赤くて苺みたいな部分だけのビーズは……ほとんど見たことないかも。


●ちょっとゴツすぎやしませんか?

個人的に、見た目はあんまり苺じゃないのに、「ストロベリー・クォーツ」の名前で売られていることが多いな……と思うのが、ブラジルやマダガスカル産のレピドクロサイト入り水晶です。

いや、ものによっては、かわいい色合いに見えているのもあるにはありますが、ほとんどは苺というにはちょっと……。

たとえば、これくらいだったらかわいいので個人的にストロベリーと呼びたいけれど、



このあたり(↓)になると、ストロベリーと呼ぶにはごつすぎるんじゃないでしょうか



レピドクロサイト入りこの手の水晶(↑)には「ファイア・クォーツ」という名前も付けられています。
まだこれはなんとか「赤い」ですけど、こちら(↓)になると「赤いのもちょっと入っている」程度。
(黒い点々に見えているのはレピドクロサイト。その間にやや赤黒くて細いゲーサイトが入っています。)
これはストロベリー・クォーツとは呼べないでしょう。

 

中にはストロベリー・クォーツとよべそうなものがあるからといって、レピドクロサイト入り水晶を問答無用で全部ストロベリー・クォーツと呼んでしまうのは違うと思います。


●「クォーツ」かどうかやや疑問

ストロベリー「クォーツ」というからには、水晶(石英)です。
そのあたりがちょっと不安なのが、最近「ストロベリー・クォーツ」の名前で見かけることが多い、こちらのビーズ。
アフリカンストロベリー「アフリカンストロベリー」の名前でも見かけます。



レピドクロサイト入りあるいはマスコバイト入りといわれ、色合いにけっこう幅があります。淡いものはカザフスタン産などと比べると鈍い色合いで、中にはかなりくすんで「苺」と言いにくいものもあります。
稀に、かなり色鮮やかで「こりゃかわいい」と思えるものもあったりします。



ただ……この石は、水晶らしい形で見かけることがなく、透明度も高くないことから水晶(石英)ではなくてクォーツァイト(珪岩)ではないかと思われます。

大量に採れるためか値段も手ごろ。
あちこちで見かけるために、「ストロベリー・クォーツはこれのこと」と思っている人も多いようです。
公式ルールがないので「ストロベリー・クォーツ」じゃない!とも言い切れませんが(クォーツとクォーツァイトをどう考えるかで引っかかりますが)、あとでカザフスタン産などを知って「えっ!?」とびっくり・がっかりする人もいるので、ちゃんと説明していただきたいものです。

アフリカンストロベリーに似ているけれど、個人的には別だと思っているのが「マンガンエピドート入り」↓



マンガンエピドートシストの名前でも見かけます。
シストというのは「片岩」という岩石のこと。この場合は石英の成分をたくさん含んでかなり透明なシストということなんだと思います。
色も濃いものから淡いものまでいろいろ。
これもストロベリー・クォーツの名前で見かけたことがあります。


●中身の様子が違うよ

これまでに述べてきたいろいろな「ストロベリー・クォーツ」は内包物……石の中に交じっている赤いものの形や色合いが違います。
知っていれば比較的見分けやすいです。

まず、メキシコ産・カザフスタン産は赤くて細い針状のもの(ゲーサイト)がぎっしり、きらきら
よく見ないと針状とわからないくらい細かいです。



「ファイア・クォーツ」とも呼ばれるレピドクロサイト入りは、「紙ふぶき」のよう。
針ではなくて破片状です。
色も、赤もありますが、オレンジ〜茶色がかっているものが多いです。



「アフリカンストロベリー」は半透明な中に薄赤いつぶつぶ、点々です。



マンガンエピドート入り↓は、中の鉱物が一方方向に並んでいるように見えるのが特徴。


ふつう、エピドートの成分の一部がマンガンに変わるとピーモンタイトという鉱物になるんですが、どうしてこれをピーモンタイト入りと言わないのか不思議。


私が最初に見知ったものは、上記のようにアフリカンストロベリーは内包物が点々状、マンガンエピドート入りはやや長さがあって一定方向に並んでいる……という特徴があったので、二つは別物と認識していたのですが、最近はアフリカンストロベリー=マンガンエピドート入りという説明が主流のようです。


以上は、一応は水晶の仲間、苺っぽく見えるものもあるので、見た目かわいい苺だったら「ストロベリークォーツ」と言っても間違いとは言えない石。


●本物、偽物と言うよりも

よく、「これは本物のストロベリークォーツなんでしょうか?」という質問がありますが、カザフスダン産が本物、残りが偽物……ではありません。
なんたって、「これがストロベリー!」という公式規定はないのですから。

ストロベリー・クォーツかどうかは
「苺みたいに見えるかどうか」で判断しましょう。

わたしだったら、お店が「ストロベリー・クォーツ」という名前で売っていたとしても、かわいい苺色に見えないものは却下です。



個人的にいろんな「ストロベリー・クォーツ」をストロベリー度の高さで分けるとこんな感じ?
図に「論外」とありますが、ときどきストロベリー・クォーツの名前で売られているけれど、これはストロベリークォーツと言ってはいけないというビーズもあります。


●ストロベリー・クォーツと言ってはいけない!

以下は、ストロベリー・クォーツと言ってはいけないもの……というか、言ったらおかしいもの。

よく似ているけど全く違う。
チェリー・クォーツです。
「クォーツ」と名前がついていますが、人工ガラスです。



「ストロベリー・クォーツをチェリー・クォーツとも呼ぶ」とか「水晶の染色品」「水晶の加工品」とか説明されていますが、水晶を加工して作ったものではないし、ガラスをストロベリー・クォーツとは呼びません。
原料が水晶だったとしても、溶かして固めたらガラスです。
人工的にたくさん作ることができる安いものです。

違いはストロベリー・クォーツが細い針状の内包物であるのに対し、こちらは水の中に絵の具を垂らしたようなもやもやとした感じ。ストロベリー・クォーツと違って全くきらきらしません



「水晶とガラスの見分け方」も参考にしてください。
触ったときの「冷たさ」がかなりはっきり違います。

値段は参考にはなりますが、高ければストロベリー・クォーツ……などと値段では判断できません。
ガラスを高く売るのは簡単です。


そしてもう一つ。
信じられないことなんですが、最近「サンストーン」をストロベリー・クォーツと呼んでいる例があるようです。
「どう違うんですか?」と聞かれたこともありますが……



ストロベリークォーツは「水晶(石英)」です。
サンストーンは「長石(フェルドスパー)」です。
全然種類が違う石です。どれだけ見た目が似ていようと「クォーツ」ではないんです。

ストロベリーは「赤」。離れてみるとピンクにも見えます。
サンストーンはピンクに見えません、赤くてもオレンジ系等の色合いです。


●お店で上手に聞こう

残念ながら、ショップでもチェリークォーツをストロベリークォーツの名前で売っていたり、ガラスなのに天然石だといいはっていたりします。
(見分けられない・勘違いしたままというのは店としていかがなものかと思いますが)

残念ながら高い石ではありますが、買うならカザフスタン産などの「一番有名な」ストロベリークォーツが欲しい……という場合。
まずはお店で聞いてみましょう。

この場合は、
「このストロベリー・クォーツの産地はどこですか?」
と聞くといいと思います。

ちゃんとカザフスタン産(もしくはロシア産)ならば、それはお店にとって「売り」です。
「うちのはカザフスタン産なんですよ!」といいたいポイントです。
「忘れました〜」なんてことはないでしょうから、聞けば教えてくれるでしょう。

答えられないようなら、違います。


いちおう、針状の内包物のようすを覚えておいてくださいね。明らかに違う石を「カザフスタン産だ!」と言ったり、「これは加工してあるけどストロベリー・クォーツです」というのは、いい加減です。

店が、ストロベリークォーツと名前をつけているからそうなんだ……ではなく、自分はどういうものをストロベリー・クォーツと呼びたいか、呼べるのかを、はっきりさせて、見分けましょう。


●こちらで、もうちょっと比較しています。

見て、比べて、考える。 その1チェリー・クォーツ(ガラス)とストロベリー・クォーツ(水晶)

興味がおありの方はどうぞ。


間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。


写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送