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「クリスタル・バイブル」私的正誤表&追加資料
(内容追加・個人的意見含む

最近「クリスタル・バイブル」という本を持って石屋さんに来ている人を見かけます。
どんな本かと見てみたら、確かに掲載されている石の数は多いし、
オールカラーだし、石の効能だけでなく、産地も載っているし、
これは、パワーストーン&ヒーリングストーン好きな人なら、持ち歩きたくなるだろう……
と、思ったのですが、よく見ると、あちこちに
気になるが。
せっかく面白い本なのに残念だなあ……というわけで、私的な正誤表を作ってみました。
揚げ足取りではなく、この本をもっと利用していただくための
追加資料になればと思います。

間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。


追記:クリスタルバイブルの続編(?) 
「クリスタル&癒しの石」についてもツッコミしました。
第3弾
「クリスタル百科事典」についてもツッコミ中です。

重要な訂正、追加は色文字になっています。

この本では、クリスタル=水晶ではなく、クリスタル=結晶の意味合いが多いです。

※再販の際に修正が入っている可能性があります。
以下の表は、2006年2月5日発行の第2刷についてまとめています。


2008年5月、写真追加 以下の表に添付した写真は、KURO所有のものです。
本の写真は、特徴が出ていないものが多いので、参考までに。

掲載頁
項目・記述 訂正(追加)内容
19 右下写真、
「シトリンのジオード」
天然シトリンではなく、おそらくアメシストを加熱したもの。

※Amazon.comに出版社からのコメントとして追記あり。
「シトリンのジオードというのは一般的にアメジストを熱処理し、黄褐色にしたものを指します。
天然の黄水晶はかなり少なく、本書では熱処理したものを掲載しました。
色合いは淡いゴールドイエローから黄褐色まであります。
本書のクラスターに関しては、自然のシトリンでとても濃い色をしています。」
20 下から7行目
「ハーキマー・ダイヤモンドは、ダイヤモンドそのものと全く同じように魅力的な透明度と輝きがありますが、……
ご存じのように、ハーキマー・ダイヤモンドは、照りと透明度に優れた水晶です。

カットすれば反射率の関係でダイヤモンドの方が遙かに輝きますが、原石の状態ではハーキマー・ダイヤモンドの方がキラキラしていて、「まるでダイヤモンドのようだ」というのでその名があります。
21 右下写真
スノー・クォーツ・クリスタルを伴ったアメジストのジオード
白い結晶は、水晶ではなくカルサイト。
24
左下写真 ラリマー
間違いではないけれど、写真の石は、あまり質は高くない。
きれいなラリマーがどんなものか、他のサイトで探してみては。


緑っぽいラリマー
(ブルーというよりグリーン・ペクトライト?)


一応、ラリマーのタンブル
26 左下写真 シトリン アメシストを加熱したもの。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
36 左下写真 カルセドニー 本の写真では、カルセドニーの上に成長した水晶が目立ってしまっていて、カルセドニーには見えない。
カルセドニーと水晶についてはこちら
37
右下写真 
ブルーカルセドニーの本質


「本質」って……?
本の写真はあまりブルー・カルセドニーっぽくない。


ブルーカルセドニーの原石(アフリカ・マラウィ産)→

ブルー・カルセドニーのタンブル


本の写真は、むしろコンシャ・アゲート(コロナ・アゲート、フラワー・アゲート)かも。
40 ブルーグリーン・アゲートは、通常は人工的に作られたガラスで…… 写真を見る限り人工的に着色されたアゲート
アゲートのように単価が低いものに対して、ガラスの偽物が作られるとは考えにくい。
グリーン・アゲート 着色が多い。写真のものも着色っぽい。
41 ブルーレース・アゲートの産地 主要産地は、アフリカ南部。(マラウィなどが多い)
「アゲートと同じ」となっているが、どこででも採れるわけではないと思う。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
43 デントリティック・アゲート
二酸化マンガンなどの鉱物が、瑪瑙の中で樹枝状の結晶を作っているもの。
瑪瑙ではなく、オパールの場合(アゲートとオパールの共生)の場合もある。


別名が「ツリー・アゲート」になっているが、この名前で画像検索すると、デンドリティック・アゲートではなく、白地に緑色の斑点のアゲート(ジャスパー)がヒットする。


緑色の斑点のツリーアゲート(上から9番目の写真)
45 ファイアー・アゲートの写真と産地

本の写真はファイアー・アゲートらしさがまったく現れていない写真なので。(→)
大きい写真はこちらをどうぞ。

産地は、メキシコ北部とアメリカのアリゾナ州、ニューメキシコ州一帯。
49 アマゾナイトの色、
外観の記述
青、緑だけでなく淡い水色もある。

脈状の縞を伴い→縞のないものも多い。
オパール様に輝く→オパールのように、ではなく、ものによっては、シラーが現れると言った方が正しい。オパールとは似ても似つかない。
(※オパールのようなという意味には宝石のオパールの遊色効果だけでなく、英単語の「乳白色の光を帯びた」というような意味があるが、それでも似ていないと思う)
右(→)の写真は3つともアマゾナイト。
必ずしも縞があるとは限らない。
ロシアン・アマゾナイト(一番右)は脈状の白い縞模様が特徴。
62 アパタイト
産地に、ブラジル、マダガスカル、パキスタンを追加

本の写真は青と言うより青緑。
ブルーといえばこれくらい(→)は。産地はブラジル。

青以外にもピンクや黄色、黄緑などいろいろな色がある。
色のバリエーションがあり、六角柱状の結晶なので、原石では、他の鉱物と区別しにくい場合もある。
64 アポフィライト
色は、茶色や黒、赤もある(内包物による色)

大きい写真はこちら↓

アポフィライト(透明)

アポフィライト(透明・クラスター)

アポフィライト(緑)

アポフィライト(レモンイエロー)
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
67 アクアマリン
79ページにベリルの項目があるが、アクアマリンはベリルの一種。くわしくはこちら

産地にナミビア・ネパールを追加。


写真があまりきれいな結晶ではないのでこちら
69 アラゴナイト
産地にモロッコを追加。
「スプートニク型」と紹介されているのはモロッコ産だと思う。
モロッコ産アラゴナイト。そっくり。(→)
75 アゼツライト
「珍しい、を発するクリスタル」
水晶。
……この
「光」は、イメージ的な意味合いの「光」。

実際に発光するわけではない。
念のため。


限られた量しか産出しなかったというふれこみだったが、その後、続々と新しいタイプが紹介されている。
77 アズライト
産地にモロッコを追加。
右(→)の写真の産地もモロッコ。
かつては青い絵の具の原料に用いられた。
クリソコラやマラカイトと一緒に産出することも多い。

モース硬度が3.5〜4と低く、劈開(一定の方向に割れやすい性質)があるので、扱いに注意。
ビーズやアクセサリーに加工するには向かないので、樹脂を含浸させてあることも多い。
81 レッドベリル
レッドベリルの鉱物名はビクスバイト(Bixbite)。

同じ産地で1文字違いのビクスビ石(Bixbyite)と紛らわしいので、レッドベリルの方が良く使われる。

くわしくはこちら
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
82 クリソベリル クリソベリルはベリルの一種ではなく、別の鉱物。

※「クリスタル百科事典」では、ベリルの仲間ではないと修正された。
83 アレキサンドライト
対比の要素を持つクリスタル……という抽象的な説明ではなく、日光(蛍光灯)のもとで緑、白熱球(ろうそく)のもとでは赤く見えるという、光によって色が変わることを書いておくべきではなかろうか。(変色性)
高価な石で、標本として売られている黒っぽい欠片では変色効果が確認できないものも多い。
83 キャッツ・アイ
キャッツ・アイは本来石の名前ではなく、繊維状・チューブ状のインクージョンが平行に内包された石を丸く磨いた場合に、その反射によって猫の目のような光りの筋が現れる効果のこと。シャトヤンシーとも言う。
キャッツ・アイの出る石で最も効果で有名なのがクリソベリル・キャッツ・アイだが、そのほかの石でもキャッツ・アイを示すものがある。
石英ガラスの繊維を束ねて圧縮し着色した「ニュー・キャッツアイ」と呼ばれる人造石もある。
キャッツアイ=クリソベリルではないことに注意。

オパールのキャッツアイ
サイモペイン
「サイモペインはキャッツアイの一種です」
「サイモペイン」で検索してもゲーム関係ばかりでヒットがない。
どうやら「サイモフェーン」と表記するようである。
で、サイモフェーンで検索すると、少ないながらヒットがあり、それによると「キャッツアイ(効果」)の別名のことのようであるようす。
なのに
キャッツアイの一種とは……?
84 ブラッドストーンの外観
「赤または黄色のジャスパーが斑点状になった緑のクォーツ
「赤または黄色の斑点が散った緑のジャスパー
(※カルセドニーという説もあり)
この赤い斑点は、十字架にかけられたイエス・キリストの血であると言われているという有名な話が載っていないのはなぜ……?
オベリスク型にカットされたブラッドストーン
86 ボジストーン 希少性
「真正なボジストーンは入手が困難」
「真正」とは、カレン・ギルスピーがペアリングし、証明書をつけたもののことか? 
※ボジストーンは、カレン・ギルスピーによって商標登録されている。(TMではなくて、ちゃんと商標登録) 証明書のないボジストーンは、アメリカではポップ・ロックとして売られているらしい。くわしくは
こちら

本の写真の男性石が、スタンダードなタイプではないので参考までに。(上)
ジェーン・アン・ドゥは、男性石・女性石というタイプ分けはないと言っている。


レインボーの色合いを持つ、レインボー・ボージーもある。レインボーは男性石、女性石を分けないようす。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
88 カルサイトの外観
犬牙状、釘頭状、菱面体、柱状、板状など、さまざまな結晶の形がある。硬度3と軟らかく、水にも弱い石なので、取り扱いに注意。
犬牙状のカルサイト
インド産のクリアー・カルサイト
90 ブラック・カルサイト
最近では「シャーマナイト」と名付けられてビーズなどに加工されている場合がある。

シャーマナイトは、カルサイトと言われているが、化石などが含まれることを考えると、堆積岩……黒い石灰岩と言った方がいいのではないだろうか。
94 カーネリアン
カルセドニーの一種。
ヘマタイトなどが含まれ、酸化して赤くなったカルセドニーをカーネリアンという。一般的には縞模様がないか、あってもあまり目立たないものを指す。

白っぽいカルセドニーを加熱して赤く発色させたものも多い。
本の写真の石は、一応磨かれていると思われる。
ピンク・カーネリアン
オレンジ・カーネリアン
カーネリアンは「赤〜深紅のカルセドニー」を指す。
現在、色の浅いものまでカーネリアンといわれているからと言って「ピンク〜」「オレンジ〜」という言い方はおかしいと思う。

だいたい、ピンクをカーネリアンとは言わないだろう。
100〜101 ブルー・カルセドニー

ブルー・カルセドニーの原石
本の原石の写真はブルーに見えないし、コンシャ・アゲートというべきだと思う。
102 デンドリティック・カルセドニー
デンドリティック・アゲートと呼ばれる場合もある。

右の写真は、個人的に「デンドリティック・アゲート」と呼んでいるが、内包している母胎は縞模様のない「カルセドニー」である。

カルセドニーの中で縞など模様の美しいものを「アゲート」と呼ぶので、この場合はデンドライトを「模様」と見なせばアゲートと呼ばれることになるのだと思う。
ピンク・カルセドニー
写真が、ピンク色に見えない……。

カルセドニーのピンクは、淡い色合いが多いように思う。

濃いピンク(紫ピンク)の色合いのタンブルは、染めによる色。
カルセドニーは、微細な石英の結晶が集まったつぶつぶ構造の石なので、簡単に染めることができる。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
103 レッド・カルセドニー
レッド・カルセドニーは、それこそ「カーネリアン」のことだと思う……。ここで「レッド」と区別する理由は?

ちなみに、「赤瑪瑙」という見た目カーネリアンのビーズがあるが、カーネリアンではなく「赤瑪瑙」と区別している理由は、カーネリアンは天然か加熱による色合いで、赤瑪瑙は染めているためらしい。染めのカルセドニーを「カーネリアン」と言ってはいけないとのこと。
104 チャロアイト
色は紫が多いが、えんじがかった色合いのものや、ベージュっぽくて紫色がかなり薄いものもある。

「斑点や渦巻き、脈状模様が入ってる」とあるが、絹色のような組織が渦を巻いている感じ。

内部にはエジリン(黒い部分)やチナクサイト(オレンジ)、長石等が混じる
106 キャストライト
別名としてアンダルサイトの名前があり、写真にもアンダルサイトがあがっているが、アンダルサイト(アンダリュサイト/紅柱石))の変種がキャストライト(空晶石。
アンダリュサイトのうち断面に十字模様があるものをキャストライトと呼ぶ。
よって、キャストライトの名前を使っているならば、本の写真で、十字模様の石にアンダルサイトとあるのは、正しくないのでは。
108 クロライト グリーン・ファントムの写真が載っているが、クォーツの中でファントムを形成している緑の鉱物がクロライト(クローライト・緑泥石)である。念のため。
クローライトはさまざまな鉱物を含むグループ名で、262ページのセラフィナイトもクローライトの一種。
112 ドゥルージークリソコーラ
クリソコラの上にグラニュー糖をまぶしたように水晶が結晶したもの。

個人的にはドゥルージークリソコラで正しいと思うが、ジェムシリカの名前で売られていることもある。
113 クリソプレーズ
レモンクリソプレーズは、クリソプレーズ(カルセドニー)ではなく、クォーツマグネサイトという別の石。
または、ニッケルで黄緑になったマグネサイト、マグネサイトとガスペアイトの混じったもの。


右の写真は上がクリソプレーズ。

下がレモンクリソプレーズ。
(クリソプレーズの一種ではない)
茶色い色が混じったものはオーストラリア・ターコイズと呼ばれていることもあるが、もちろん、ターコイズではない。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
115 シナバー
本の写真が小さかったので、結晶の拡大写真を。

シンナバーとも表記される。和名は「辰砂(しんしゃ)」

水銀を含む鉱物で、シンナバーを熱することで水銀を取り出すことができる。

シンナバーのあれこれについてはこちら
116 シトリン
本の写真はおそらくすべて加熱シトリン。
※Amazon.comに出版社からのコメントとして追記あり。
「シトリンのジオードというのは一般的にアメジストを熱処理し、黄褐色にしたものを指します。
天然の黄水晶はかなり少なく、本書では熱処理したものを掲載しました。
色合いは淡いゴールドイエローから黄褐色まであります。
本書のクラスターに関しては、自然のシトリンでとても濃い色をしています。」

↑天然のシトリン
……ということで、クラスターについては天然シトリンかもしれない。天然だとしたらモロッコ産あたり? (加熱っぽく見えるけど)
「シトリンのジオードというのは一般的にアメジストを熱処理し、黄褐色にしたものを指します」といっているが、単にシトリンでジオード状のものがほとんど出回っていないだけ。この言い方は、誤解を招きそう。シトリンいろいろ

「別名 カーンゴーム(CAIRNGORM)」とあるが、カーンゴーム(カンゴーム)は、一般に濃いスモーキー(煙水晶)またはモリオン(黒水晶)の別名。またはスコットランドのカンゴーム山脈産のスモーキー・クォーツを指す。
124 ダイオプテーズ
左側の写真が非結晶質となっているが、ちゃんと結晶している。
126 エメラルド
ベリルの一種。
緑色(若草色)でも、発色原因が違うグリーン・ベリルがある。(くわしくはこちら
産地に中国・コロンビア・アフガニスタンを追加。
産地にコロンビアが入ってないなんて!
130
131
フローライト
写真間違い。ブルー・フローライト、透明フローライトの写真が違う色。
フローライトくらい、きれいな結晶の写真を入れて欲しい……。

ブルー・フローライト(ニュー・メキシコ州産)
ブラウン・フローライト(オハイオ州産)
カラー・チェンジ・フローライト(フランス産)
イエロー・フローライト(フランス産)
天然八面体のフローライト
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
142 ハーキマー・ダイヤモンドの産地
ハーキマー・ダイヤモンドは、照りと透明度に優れた水晶
産地にアメリカ、メキシコ、スペイン、タンザニアとあるが、
ハーキマーダイヤモンドは、アメリカ、ニューヨーク州のハーキマー鉱山でとれたもののみを指す。
ハーキマー・ダイヤモンドは有名なので、よく似ているという意味を込めて「ハーキマー・ダイヤモンドタイプ」と言うならまだしも、ハーキマーダイヤモンドと呼んでしまうのは間違いだと思う。
ハーキマー・ダイヤモンド
そっくりだがパキスタン産。これはハーキマーではない。
144 ハウライト
本の写真は緑がかっているが、普通、ハウライトとして知られているのは、不透明白に灰色の線がはいったもの。

水色に染められて「ハウライト・トルコ」、青く染められて「ハウライト・ラピス」と呼ばれたりする。もちろん、ターコイズやラピス・ラズリとは全く別の石。

時に同じような色合いのマグネサイトがハウライトとして売られていたりもするらしい。

もしかしたらマグネサイトかも
146 アイドクレース
鉱物名はベスビアナイト(ベスブ石)。
原石やタンブルはベスビアナイトと呼ばれている場合が多い。

イタリアのベスビオス火山にちなみ名付けられた。
原石では、ベスビアナイトの名前で扱われている方が多い。
147 アイオライト
鉱物としての名前はコーディエライト
別名でウォーター・サファイアなどがある。
見る方向で色が異なってみる多色性の石として有名。


色の紹介に灰色・すみれ色、青、黄色とあるのに、本の写真は緑に見える。
やはり、こういう色でしょう→

アイオライト(多色性も写っています)

中にヘマタイトの小片を含み、サンストーンのようにキラキラするものを「ブラッドショット・アイオライト」という。
149 アイアンパイライト
Iron Pyrite
普通は、パイライト「Pyrite」のみ
パイライト(黄鉄鉱)は、硫黄と鉄からなる鉱物で、成分は同じで結晶の性質が違うマーカサイト(白鉄鉱/Marcasite)のことを、White iron pyrite ということもあるそうなので、Iron pyrite という言い方もあるのかもしれないが、日本では一般的ではない。(海外ではIron Pyriteと呼んでいるところもある様子)

写真左の「パイライト・フラワー」は、「パイライト・サン」とも呼ばれる。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
151 ジェード
別名:ジェイダイト(JADEITE)、ネフライト(NEPHRITE)

ジェダイトとあるが、ジェダイト(ジェダイド)の表記の方が多い。和名では、ジェダイト:硬玉(翡翠)、ネフライト:軟玉(翡翠)である。

「別名」というよりは、ジェダイトとネフライトの2種類を合わせてジェードと言っている、という言い方の方が正しいと思う。

ジェダイトの中で質のよいものはは宝石として扱われる。宝飾品で「翡翠」といえば、ジェダイトを指す場合が多い。

また、「見かけがジェードっぽく見える全く別の石」を「○○ジェード」「○○翡翠」と呼ぶフォールス・ネームの多い石でもある。

有名なところでは「インド翡翠(グリーン・アベンチュリン/グリーン・クォーツァイト)」、「ニュージェード(サーペンティンの一種)」などがある。

「ジェード/翡翠」と聞いて宝石としても扱われる石と理解すると食い違っていることがあるので、ご注意を。

右(→)側の石はすべてジェダイト(硬玉)。上からラベンダー・ジェード
インペリアル・ジェードの名前で売られていた淡いグリーンのジェダイト、国産翡翠のタンブル。
153 ブルー/ブルーグリーン・ジェード 右上の写真がターコイズに見える……。
ジェードとひとくくりにされていても、ジェダイト(硬玉翡翠)とネフライト(軟玉翡翠)は、別の鉱物である。(念のため)
157 ムーカイト
(真ん中あたりに記述あり)
ムーアカイトモッカイトの名前で流通していることが多い

厳密にはジャスパーではないとする説もある。

本の写真はとても地味なので、こちらでも写真を。
ムーカイトは赤やクリーム色、茶色、オレンジ、希に紫など、鮮やかでポップな色あいが魅力です。
158 球状ジャスパー
本の写真左は、オーシャンジャスパー。
球状ジャスパーは、オビキュラー・ジャスパーとも呼ばれる

これは、球状構造を持つジャスパーを広く指す言葉で、オーシャンジャスパーもオビキュラー・ジャスパーの一種。
右(→)の写真は、半透明のオーシャン・ジャスパー。球状構造がよく見える。
158 ロイヤル・プルーム・ジャスパー 写真がないので定かではないが、メキシコ産の「インペリアル・ジャスパー」のようなものであろうと思われる(アメリカでも似たものが産出する)。
粘土が火山岩によって変質した、ポーセライン・ジャスパー(Porcelain jasper/陶碧玉)と呼ばれるものではないか。
模様が似ていて、ジャスパーの名前があるが、厳密にはジャスパーではないらしい。
(厳密すぎるかもしれないが、石によってパワーが違うというのならば、はっきりさせておく必要もあるのでは)
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
158 「p248-249のライオライトの項も参照」
ジャスパーは不純物を多く含むが、基本的に水晶と同じSiO2からなる鉱物であり、ライオライト(流紋岩)は、石英や長石などが混じった火山岩である。 くわしくはこちら
上記のロイヤル・プルーム・ジャスパーのつながりで火山岩であるライオライトにつなげていると思われるが、つなげて参考になるのかどうか。
(上記の推測が正しければ、ロイヤル・プルーム・ジャスパーは変成岩の一種となり、火山岩ではないはず)
162 クンツァイト

スポデューメン(リチア輝石)の中で
◇ピンク〜藤色のものをクンツァイト
◇黄緑から緑色のものをヒデナイト(ヒッデナイト)
◇黄色のものをトリフェーン(トライフェーン)

と呼ぶ。

本来は、項目名をスポデューメン(リチア輝石)とし、その一種としてクンツァイト、ヒデナイトを紹介する方が正しい
くわしくはこちら

クンツァイト・ヒデナイトは光などで退色の危険が高い石。
くわしくはこちら(参考サイト)

↑クンツァイト

↑スポデューメン

↑トリフェーン



↑ヒデナイト(上2つ)
162

165
クリアー・クンツァイト より正しくはスポデューメン(リチア輝石)と呼ぶべきでは?
スポデューメンの中でピンク、緑、黄色には別名(宝石名)があるが、透明なものには特に別名はない。
イエロー・クンツァイト イエロー・クンツァイトではなくてイエロー・スポデューメン。(スポデューメンの中でピンク〜紫のものがクンツァイトだから。このままではシトリンをイエロー・アメジストと呼ぶようなもの)
トリフェーン、トライフェーンとも呼ばれる。


右の写真は色が薄いもの。もっとはっきりした黄色もある。
ヒデナイト 何度も繰り返しますが、より正しくは、グリーン・クンツァイトではなくグリーン・スポデューメン

まあ、宝石では良く知られている名前を使ってレッドベリルをレッド・エメラルドと行ったりするので、これもそういう呼び方なのだと思うが、クリスタルヒーリングやパワーストーンは宝石よりも鉱物の方に関わりが強いと思うので、正確に覚えておいた方が良いと思う。

さらに厳密に言うと、クロムによって緑色になっているものをヒデナイトという。
右の写真はクロム以外で緑色になっているものかもしれない。
169 ラブラドライト
産地にマダガスカルインドを追加。どちらも大産地。
別名のスペクトロライトは、フィンランドのユレマ産のみを指す場合もある。
ユレマ産のスペクトロライトの大きいはこちら
普通のラブラドライトは、地色が透ける感じがするが、ユレマ産のラブラドライトは地色が完全に不透明であるところが違う。 ラブラドライトの別名がスペクトロライトなのではなくて、フィンランド、ユレマ産の輝きの強いラブラドライトのことをスペクトロライトというのだと思う。 ゴールデン・ラブラドライトと呼ばれているが、鉱物名はバイトウナイトというらしい
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
174 ラリマー
間違いではないけれど、写真の石は、あまり質は高くない。
きれいなラリマーがどんなものか、他のサイトで探してみては。

緑っぽいラリマー
(ブルーというよりグリーン・ペクトライト?)

一応、ラリマーのタンブル
186 メルリナイト
この本では、「メルリナイト」と訳され、そのためか国内ではほぼ全面的に「メルリナイト」だが、本来はその綴り「Merlinite」が示すように、魔法使いマーリン(Merlin)にちなむ石として「マーリナイト」と表記すべきだと思う。

鉱物としては、「白い石英+サイロメレーン」であるらしい。
サイロメレーンはロマネカイト(ロマネシュ石・硬マンガン鉱)とも言う、二酸化マンガン鉱物である。

また、デンドリチック・アゲート(オパール)のことであるとする説もある。

参考(海外サイト) 
参考(海外サイト)

↑インド産のデンドリチックアゲート(部分的にオパールかも)。
これもメルリナイト(マーリナイト)とする説と、違うとする説がある。
187 モルダバイト
本の写真に「結晶状」とあるが、モルダバイトは要するに天然ガラスであり、結晶していないので、念のため。
透けるときれいなモルダバイト

最近は原石の形状をしたフェイクも見られるようになったので注意。
190 ムーンストーン
レインボームーンストーンは、ムーンストーンと名前が付いていても、鉱物としてはラブラドライトに分類されるので注意。

ブルームーンストーンと呼ばれている中には、本来のムーンストーンとは成分が違うペリステライトという石が混じっていることが多い。
192 マスコバイト
マスコバイトは、「白雲母」のこと。よって別名を雲母(マイカ)とするのは、正しくない。マスコバイトがマイカの一種である。
雲母「マイカ」には、
白雲母=マスコバイト
金雲母=フロゴパイト(Phlogopite)
黒雲母=バイオタイト
リチア雲母(鱗雲母)=レピドライト
クロム白雲母=フックサイト
白雲母で星形をしたもの=スター・マイカ(鉱物名ではなく、トレード・ネーム)
など、たくさんの種類がある。よって、この項目は、内容からして「マイカ(雲母)」とするのが正しいのでは。

くわしくはこちら

↑マスコバイト(白雲母)といえば普通はこんな色が多い
 
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
202 アパッチティアー
写真に「天然の状態」とあるが、明らかに磨かれている。天然の状態はこちら
206 オニキス
色の説明の所に黒、白、灰色、茶、黄、赤とあるが……。
オニキスは本来モノトーン(黒。白、灰色)の色合いの直線的な縞模様が入った瑪瑙のこと。
赤〜茶色(サード)に白などの縞がはいるとサードオニキスと呼ばれるように、オニキスとは「縞模様」の意味合いが強い。
しかし、最近は黒一色のカルセドニーをオニキスと呼ぶのが一般的になってしまい、さらに転じて白や青(染め)のはっきりした色合いの単色カルセドニーを「○○オニキス」と呼ぶことがある。
建材では、縞模様の大理石を「オニキス」と呼ぶ場合がある。
今さら真っ黒オニキスを黒カルセドニーと呼ぶべきとは言わないが、本来は縞瑪瑙を意味していたことは知っておくべきだと思う。
よって、ここの色の説明は、単色で黄色や赤のものがあるのではなくて、縞模様の色合いのことだ、と解釈しておきたい。
220 プレナイト
産地にインドを追加。アフリカ北部のマリなども有名。
プレーンナイトと呼ばれることもある。

右の写真はマリ(アフリカ)産。和名の通り、まさしく「葡萄」石
222 パイロリューサイト 軟マンガン鉱。
224 クォーツ 写真に「ピラー」とあるのは、おそらく「pillar」で支柱、柱石、鉱柱の意味。
(成形したもの)とあるのは、底面をけずって直立するようにしてあるという意味であると思われる。全面磨きのポイントをpillarとしている場合もある。
226 ブルー・クォーツ
本の写真の石は、クォーツではなくクォーザイト(クォーツァイト)の可能性あり。

ブルー・クォーツと呼ばれるものは、スペイン・マラガ産のアエリナイト入り水晶や、ブラジルのインディコライト入り水晶がある。
右(→)はマラガ産のブルー・クォーツ。

透明青の天然水晶(石英)は存在せず、何らかの鉱物が内包されて青く色づく。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
226 ゴールデンヒーラー
本の写真のような色合いもゴールデンヒーラーとすることもあるが、むしろタンジェリンクォーツに近い。

天然コーティングで透明な黄色(金色)というなら右(→)の写真。大きな写真はこちら
266 ハーレクイン・クォーツ
「赤い斑点が筋状になったものを内部に含みます」
これは、ゲーサイト(針鉄鉱)またはレピドクロサイト(鱗鉄鉱)。
「ハーレクイン」とは、「道化師」、その服装の模様から「斑」という意味。
写真はこちら
227 リチウム・クォーツ
天然コーティングとあるが、内包されているものもある。(右→は、内包されてファントム状になっている)
大きい写真はこちら

天然コーティングの場合は、酸化鉄が混じることで深みあのある朱赤ラベンダー色、セピアピンクなどもあるようす。
227 天然チタン 「天然チタンはクォーツクリスタルの表面に点状に存在しており……」
写真のような水晶は時々見かけるが、天然チタンという説は寡聞にして聞いたことがない。一見、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)が内包された「ファイアー・クォーツ」にも見える。
227 ナチュラルレインボー
残念ながら、写真には虹が写っていないので、代わりに。

人工的にひびを入れて虹が出るようにしたのもあるが、天然のものとは少しようすが違う。

虹を付加価値としていることも多いが、要するに「ひびが入っている」ということなので、傷があるのと同義でもある。取り扱いには一応注意。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
235 ローズクォーツ
※Amazon.comに出版社からのコメントとして追記あり。
「ローズクォーツは産出した地域により、鉄の堆積物の影響が多く、茶色に見えるものもあります。
ですのでローズクォーツ必ずしも薄いピンク色をしているわけではありません。 」

↑これについて追記
ローズクォーツの色合いはさまざま。
ほとんど白に見えてしまうものから濃いピンク、赤っぽいもの、ラベンダー色がかってみえるもの、中にはスモーキーと混じっていて、小豆色のような、一見するとローズクォーツに見えないような色合いのものもある。
中には、クラックに鉄分が染みこみオレンジや茶色の色味が加わる物もある。コメントにある鉄の堆積物の影響とはこのことか。しかし、クラックに色が染みこんでいることは一目瞭然。
この本には載っていないが、まれに結晶の形をとるローズクォーツもある。
↑すべてローズクォーツ。
思ったよりもバリエーションがある。
241 下部の説明
「スモーキー・クォーツ:
左のものは人工的に光をあてたもの」
「光」ではなく「放射線」を照射したもの。
天然のスモーキーも、自然の放射線の影響で黒っぽく見えている。

右の写真は、放射線照射によって人工的に黒くした水晶
242 スノークォーツ
別名にミルク・クォーツとあるが、日本ではミルキー・クォーツの方が一般的かも。
もう一つ、クォーザイト(Quartzite)とあるが、これはクォーツァイトとも読み、石英質堆積岩が変成作用を受け生まれたものであるという。つまり、厳密には、鉱物ではなく岩石扱いになる。(もちろん、水晶・石英でもない)
クォーザイトについて調べたのはこちら
白い石英状の石、というイメージで捉えるならば問題はないが、厳密には違うので一応注意。染色して高級翡翠の模造品になったりする。

塊状のものも自形結晶もある。表面だけ白いものはミルキー・クォーツとは言わない
244 ロードクロサイト
産地にペルーを追加。日本でも採れる。
アメリカ、コロラド州のスウィート・ホーム鉱山のロードクロサイトは、ジェムクォリティで大変美しい(すでに閉山)。
アルゼンチンのカピジータス鉱山の鍾乳石状ロードクロサイトには、「インカローズ」の商品名がある)。
ビーズの中には、カルセドニーやクォーザイトを染めたものもあるそうなので注意。
248 ライオライト
ライオライト=流紋岩。岩石である。

本の写真はいずれもオーシャンジャスパーに見える。
オーシャンジャスパーとライオライト(流紋岩)は、見かけは似ているが別の石。
ライオライトにもいろいろあるが、右(→)のオーストラリア産のライオライト(レインフォレスト・ジャスパーと呼ばれていることもある)がよく見られる。リョーライトの表記も見かけたことがある。

ジャスパー
の項目を参照。
ライオライトの大きい写真はこちら
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
250 ルビー
コランダムの一種。(コランダムの中で赤いものをルビーという) くわしくはこちら
研磨されると透明、原石では不透明とあるが、宝石質のものは透明だが、質の低いものは磨いても不透明。
宝石質の石は、ミャンマー産などが有名。
ルチルの内包などにより、スター(アステリズム:*状の光の筋)が出るものもある。
251 サファイア コランダムの一種。(コランダムの中で赤以外の色のものをサファイアという)
くわしくはこちら
254 スター・サファイア
「その奥に五芒星の形を持っています」
スター・サファイアに現れる光の筋は「*」のような形。結晶の具合によって、見づらいこともあるかもしれないが、基本的に6本の筋が見える。
五芒星(☆)ではありません。
256

257
サードオニキス
アゲート(瑪瑙)の一種。
サードはリモナイト(褐鉄鉱)によって赤茶色〜茶色に色づいた瑪瑙、オニキスは本体は(直線的な)縞模様の瑪瑙のことなので、サードオニキスは「赤縞瑪瑙」のことである。

「色」の項目に黒や透明とあるが、これは正しくない。(ちなみに「外見」の項目には不透明とある。色に透明があって外見が不透明とはこれ如何に)
黒、白、灰色などモノトーン系の縞模様のアゲートは単に「オニキス」(オニックス)と呼ぶ。ビーズでは真っ黒のものがオニキスだが、オニキスは本来モノトーン系の縞模様のアゲートを指す言葉。

よって、特殊な色のところの
ブラックサードオニキスは、本来「オニキス」とだけ呼ばれる。256ページのブラックオニキスは、縞模様ではないのでオニキスとは呼べない。
レッド・サードオニキスの写真には全く縞模様が見られないので、これもサードオニキスとしては正しくない。

国内のビーズ分やでははっきりした単色カルセドニー(染めもあり)を「オニキス」と呼んでいたりするが、色と模様両方を意味する名前であるサードオニキスをブラックだのブラウンだのクリアーだのに用い、しかも縞模様なしの石を指しているというのははっきりと間違いであると言いたい。
260 セレナイト 鉱物としてはジプサム(石膏)
外見や結晶の具合によってセレナイト、サテンスパーなどの名前に分けられる。
つまりここは、項目名をジプサムとして、外見によってセレナイトやサテンスパーを紹介する方が正しい。

爪で傷が付くくらい軟らかく、水や熱にも弱いので、取り扱いに注意。
デザート・ローズと呼ばれる物の中には、バーライト(重晶石)のものもある。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
262 セラフィナイト
鉱物としての名前は「クリノクロア(斜緑泥石)」
クローライトの一種。

セラフィナイトの名前は、最高位の天使・セラフィム(熾天使)にちなむ。
くわしくはこちら
265 インフィニットストーン
(グリーン・サーペンティン)
A・メロディ氏ネーミングによるインファナイトという石と同一ではないかと思われる。同一であった場合は、成分はサーペンティン(蛇紋岩)とクリソタイル(白石綿)。
鉱物界のペニシリンというキャッチコピーまでついているらしい。なぜ、ペニシリンなんだろう?


タスマニア産で、サーペンティンにスティックサイトが入ったものがあり、これは「アトランティサイト」という名前が付けられている。
266 シャッタカイト 写真の青い部分がシャッタカイトか。
銅の鉱物で、ほとんどは塊状で産出するが、まれに結晶もある。
写真左は、もしかしたら、石英にシャッタカイト、クリソコラなどがまざった「クォンタム・クアトロ・シリカ」かもしれない。
もうちょっと調べてみました
273 スピネル
本の写真では、結晶の形がわからないので。

ピラミッドを二つ、底面でくっつけたような八面体結晶が特徴的。
275 スタウロライト
外見が「キャストライトに類似」とあるが、キャストライトは、結晶した断面の模様が十字に見えるのに対し、スタウロライトは双晶で全体が十字に結晶している。

スタウロライトがすべて十字をしているわけではなく、「×」だったり、「*」だったり、一本だけのものもある。
母岩にくっついているのはこんな感じ。
スタウロライトとキャストライト(似てます?)
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
277 スティルバイト
写真は、スティルバイトではなくスコレサイトでは?

外観も
小さい結晶状のプレート、またはピラミッド状のクラスターとあるが、スティルバイトは薄い結晶が何枚にも重なって束ねられたような結晶になる。
和名は「束沸石」。
スティルバイトはこちら
スコレサイトはこちら
278 写真で「ピラミッド」と示されている鉱物 写真で「ピラミッド」と示されているのはアポフィライト。
スティルバイトは、その後ろのクリーム色の石。
279 スギライト
スギライト=紫のイメージが強いが、日本で最初に発見された純粋なスギライトはうす緑色(うぐいす色)である。
紫色のスギライトは、マンガンを含んでいるため。
スギライトの和名は「杉石」。発見者の名前にちなむ。
アメリカのインディアン・ジュエリーにも使われ、「スージーライト」「スージャライト」と呼ばれていることもある。
誰が決めたかは知らないが、ラリマー・チャロアイトとともに三大ヒーリング・ストーンのひとつ。
ほんの写真はいまいち色が良くないので→、

紫色のスギライト
カルセドニー混じりで光に透けてピンクっぽい紫
285 テクタイト
写真の石は、軽く磨かれている。
モルダバイトの他に、インドネシア産のインドシナイト、オーストラリア産のオーストライトなど、産地によって名前が付けられている。淡い黄色のリビアングラスもある。


「隕石の一種」となっているが、現在では、隕石の衝突によって溶けて飛び散った地球の岩石であるという説が有力。
隕石としては紹介されていないので注意。


モルダバイトは高価だが、インドシナイトなどは、手軽に入手できる。
テクタイトいろいろ

▲研磨してないテクタイト。
薄いところは透ける
287 チューライト
別名に「ピンク・チューライト」とあるが……。
チューライトは、マンガンを含んでピンク色になったゾイサイトのこと。
和名の「桃簾石」の通り、本来「ピンク色の石」である。
それをわざわざ「ピンク・チューライト」とは?
ピンク・ゾイサイトならわかるけれど……。

(右の写真は色の淡いもの。もっと濃いピンクもある)
※2887年発刊の第3弾「クリスタル百科事典」では、別名がピンク・ゾイサイトに修正されている。
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
288 タイガー・アイ
















青く染められたビーズ。
天然のブルータイガーアイに比べると緑っぽい。

タイガー・アイの仲間は、青石綿(クロシドライト)に石英が染みこんだもの。クロシドライトの酸化具合によって色合いと名前が異なる。(黄色、青、赤はわかるが、ピンクって……?)マゼンタ(鮮やかな赤紫)や緑に染められたものもある。

クロシドライト本来の色(青黒)のものはホーク・アイ(鷹目石)、ブルー・タイガー・アイ
黄色〜茶色のものがタイガー・アイ(虎目石)
人工的に加熱して赤くしたものレッド・タイガー・アイ。ブルズ・アイと呼ばれていることもある。
人工的に脱色した、グレーのグレー・タイガー・アイもある。

そのほか、ヘマタイトが混じって産出するアイアン・タイガー・アイや、オーストラリア西南部で産出するヘマタイトやジャスパーが混じったマラマンバ・タイガー・アイ、サーペンティン(蛇紋岩)の一部がクリソタイル(白石綿)になったアリゾナ・タイガー・アイがある。


ここでは、ブルー・タイガー・アイとホーク・アイが分けられているが、普通は、両者は同じものとされている。ブルー・タイガー・アイの磨き方で、丸く目のような模様が現れたものを、ホーク・アイと区別しているのだろうか?

※タイガー・アイの種類について、Amazon.comに出版社からのコメントとして追記あり。
「ブルー・レッドタイガーズアイは熱処理、染色が一般的と他で言われているようですが、本書の石は南アフリカ原産で、ミネラルから来ている自然な色合いがでており、染められていません。

↑これについて追記
クリスタルバイブルに掲載されたされたタイガー・アイが特別なのではなくて、タイガー・アイの産地として南アフリカはごく一般的である。
ブルー・タイガー・アイと呼ばれる青黒いものは自然の色だが、明らかに「青」で染められているものもある。
タイガー・アイの種類

天然で酸化

人工的に加熱
▲ホーク・アイ(ブルー・タイガー・アイ)
クロシドライトの本来の色。
▲タイガー・アイ。
脱色して色を明るくしている場合もある。
▲レッド・タイガーアイ
(ブルズ・アイ)
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
292 トパーズ
産地にブラジルを追加

ブルー・トパーズは、放射線処理されているものも多い。
ビーズ(さざれなど)では、染色されているものもある。


余談ながら、本の写真のブルー・トパーズは研磨したと言うより川流れ(川に流されて丸くなった)に見える。
295 コンビネーションクリスタル
ルチルトパーズ
ここで言う「クリスタル」は、「水晶」ではなくて「結晶」の意味だと思う。
また、コンビネーション・クリスタルとは複数の鉱物が一緒に結晶している……特に、固まってクラスターになっているような場合を指すことが多い。
ここで取り上げている「ルチルトパーズ」が、トパーズの中にルチルが内包されているようなタイプであれば、「コンビネーション」という言い方をすることは少ないと思う。

さらに、ルチルトパーズが「ルチル入りトパーズ」である場合、ルチル入りといわれているのは、結晶の薄い管状欠陥の空洞に微細な褐鉄鉱の錆が染みこんだものだとのこと。
トパーズとルチルでは、トパーズの方が先に結晶するので、トパーズにはルチルが内包されないのだという。くわしくはこちら(参考サイト)
299

303
トルマリンの特殊な色 間違いではないが色による名前と、成分等によって付けられた名前がごちゃ混ぜになっている。
インディコライト、アクロアイト、ベルデライト、ウォーター・メロン、ピンクトルマリン、パープル-バイオレット・トルマリン、ルベライトは、エルバイトの一種である。念のため。くわしくはこちら
ドラバイト(茶色) ヴェルデライト(緑) ルベライト(赤〜ピンク) インディコライト(青)
ピンク・トルマリン マルチカラー ウォーターメロン 雲母(レピドライト)付き
掲載頁 項目 訂正(追加)内容
305 トルコ石
樹脂を染みこませたものや練り、違う石を染めたものなど、加工やイミテーションが多い石。

ただし、完全なナチュラル(いっさいの加工なし)では、もろく変色したりしやすいので注意。 くわしくはこちら
308 ウレキサイト
文字などを記した石を下に敷いて上から見ると文字が石の表面に浮かび出て見えることからテレビ石の名で知られている。
ウレクサイトとも表記される。

石英ガラスの繊維を固めた人工テレビ石もある。
「ニュー・キャッツ・アイ」と呼ばれるカラフルな人工キャッツアイは、人工テレビ石を着色したものらしい。
310 ユナカイト
ウナカイトと表記される場合もある。
緑色部分はエピドート(緑簾石)、赤部分は長石、白色部分は石英らしい。一言で言えば、エピドートを含む変成岩。


サイトや本によっては、ユナカイトの和名を緑簾石としているところがあるが、厳密には、エピドート(緑簾石)はユナカイトの成分の一つ。
312 バナジナイト
バナディナイト。和名はバナジン鉛鉱。(褐鉛鉱と呼ばれることもある)
北欧の豊饒と愛の女神。バナジスにちなんで名付けられた。

産地にモロッコを追加。(写真の石はモロッコ産だと思う……)
318 ゼオライト 沸石。多くの鉱物を含むグループ名。
写真では、オケナイト、プレナイトがどれかわからない……。
319 特徴 「ゼオライトは……(中略)……アポフィライト、オケナイト、ペクトライト、プレナイト、スティルバイトを含みます」
この中でスティルバイトだけが沸石。
そのほかの石は、「沸石類と共生していることが多い」という意味なので注意。
323 タンザナイト
タンザナイト(ラベンダー-ブルー・ゾイサイト)とあるが、タンザナイトは一般的に青〜青紫のゾイサイトのこと。(鉱物名ではなく、宝石名
本の写真にあるようなくすんだ赤紫のような色合いは、タンザナイトと呼ばないかもしれない。
また、その名の通りタンザニアで発見されたブルー・ゾイサイトに対して付けられた名前なので、タンザニア産以外のものはブルー・ゾイサイトと呼ぶべきという説もある。
 
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
328 ダブルターミネーション 「人工的に形成されたダブルターミネーション」とあるが、ナチュラルなダブルターミネーションのように見える。もしかしたら、全体を軽くポリッシュ(磨き)されているかも知れないが、実物はかなり小さいようなので、その可能性は低そう。
面の形からして、もともと両錐だったと思われる。
829 クラスター 本の写真は、アポフィライトのクラスター。
クラスターは群晶の意味なので、水晶以外に用いても良い。
ところによってはポイント(単結晶)が数個くっついたものもクラスターと呼ぶ場合があるが、個人的には底面がはっきりとあるくらいのものをクラスターと呼びたい。
333 オクルージョン 綴りはおそらく「occlusion」(閉鎖された状態)。
インクルージョン(inclusion/内包物)の方が一般的に用いられる。
335 マニフェステーション
「二つ以上の小さなクリスタルが大きなクリスタルによって完全に包み込まれています」とあり、大きな結晶の間に挟まれて埋もれた結晶を示す写真(わかりにくい……)が掲載されているが、多くの場合は、小さな水晶が別の水晶の中に完全に取り込まれているものを指すことが多い。
挟まれて埋もれたと言うよりは、「内包された」感じ。
右(→)の写真は、完全に内包されている結晶。
338 レコードキーパー
レコードキーパーとしては、本の写真のように柱面(側面)に見られる三角模様よりも、右(→)のような錐面(先端の斜めの面)に現れた凸状の三角形の方を指すのが一般的。
同じく錐面に現れた凹状の逆三角形は、トライゴーニックと呼ばれる。


錐面のレコードキーパー(写真のA)
 
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
339 エッチド(蝕像付き)
上で述べたトライゴーニックも蝕像の一種。
本の写真も確かに蝕像だが、蝕像という場合は、もっと激しく溶けたものを含めることが多い。

激しく溶けたエッチド・クォーツ
340 セプター・クォーツ
「セプター・クォーツは大型の円筒状で」とあるが、クォーツ(水晶)なので、あくまでも六角形(念のため)。
「ベースとなる水晶の上に別の結晶が被さるように結晶しているもの」といった方がわかりやすいのでは。


アメシストのセプター
これもセプターの一種
341 逆セプター
写真の先端の向きがそろっていないので、見にくい……というか、逆セプターとされている水晶が、逆セプターに見えない。

セプター・クォーツは、ベースとなる結晶の上に結晶したものの方が大きく、キノコ状になるが、逆セプターは、上に結晶した方が小さくなるタイプのこと(→)。

これも逆セプター
342 タイムリンク(アクティベータ) 図が正しくない。
文中に「小さな平行四辺形が左右いずれかに傾いた窓を形成します」とあるが、図には、平行四辺形の窓が描かれていないので注意。
タイムリンク(左型) タイムリンク(右型)
螺旋状原子構造の話が出ているが、目に見える結晶の螺旋と、内部の原子の螺旋とは、実は逆になっている。
詳しくはこちら
343 ダイヤモンドウィンドー
「クリスタルの最上部にある平らな面」が、水晶の先端の斜めの面を指すのであれば、通常は「ファセット」「錐面」と呼ばれることが多い。
おそらくここで説明されているのは、このファセットと柱面(側面)の間に現れる菱形の大きな面のことであろうと思われる。
クリスタル用語では、単に「ウィンドウ」とも呼ばれる。

写真では全くわからないので、図にするとこんな感じ。
 
掲載頁 項目・記述 訂正(追加)内容
344 セルフヒールド
ここでは、水晶の話が中心なので、四角柱の図を書かれると、非常に違和感が……。
日本では、水晶の結晶が折れた断面が再結晶しているものを指す場合が多い。
海外サイトでは、断面だけでなく再結晶しているもの、一度折れかけて、まがったまま成長を続けたものもセルフヒールドと呼んでいる場合がある。


セルフヒールド(ネパール産)
セルフヒールド(インド産)
346 スパイラルクォーツ 「軸に沿ってはっきりとしたねじれを持ち」という説明が、図にあるように、ねじのような切れ込みを持つ水晶のことなのか、水晶全体がねじれているものを指すのか不明。
347 シート・クォーツ
「多くの場合二つのクリスタルの間に、透明で平らな層として存在しています」とあるが、別説では、大きな結晶化から剥がれてそのまま成長したような薄くて不思議な形の水晶であるという。
352 トランスチャネリング
クリスタルヒーラー・ジェーン・アン・ダウにちなんで「ダウ」と呼ばれていることが多い。
追記:トランスチャネリングは、A・メロディ氏が付けた名前。ジュディ・ホール氏の石のない用は、A/メロディ氏の著書からとられている物が多いそうである。

説明が示す形、結晶を上から見るとこんな感じ→

細かいことだけれど、本に添えられているチャネリングとトランスチャネリングの図は、よく見ると水晶のはずなのに断面が6角形になっていない。
353 シーアストーン
写真のような石は、「リバー・ストーン」「川流れ水晶」と呼ばれていることが多い。
シーアストーンは、「Seer Stone」と綴り、「seer」つまり予言者(見る人、占い師)の石という意味であろうと思われる。
つまり、川流れ水晶=シーアストーンではなく、水晶玉やインクルージョンのある水晶など、中をのぞき込んで何らかのイメージを受け取る石を総称して「シーア・ストーン」というのだと思う。
余談だが、キリスト教系新興宗教のモルモン教の創始者ジョセフ・スミスも「シーアストーン(のぞき石)」を持っていて、埋蔵された宝の在処がわかると称していたことがあるらしい。どのような石かは不明。
 

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