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要注意石(原石・磨きもの編)
偽物、人工・加工・処理もの


お店の人は、知っているのか知らないのか、まことしやかに売られる偽物、処理もの、加工もの。
仮にも石を売る「プロ」であるならば、商品について知らないこと、確認しないことは問題です。
もしも、知っていて売っているのなら言語道断! 許せません
……なんてことを言っていても、いっこうに偽物、加工・処理もの問題はなくならないので
私たち消費者も、勉強して賢く・強く(?)なりましょう!

間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
掲示板ブログのメールフォームWEB拍手のメッセージ欄よりご一報お願いします。

情報大募集中です!


はじめに。

石の本物・偽物について気にする人が増えてきました。
そこで改めて。
石は、「本物」「偽物」がはっきり分けられるものではありません。
天然石と言いながら実はガラスだったら偽物と言ってもおかしくないですが、
加工については、「加工してあったら偽物」という人もいれば、「ベースは天然だから偽物とは言えない」という人もいます。
高い石だと加工してあると「偽物を売るなんて!」ということになるけれど、安い石だと騒がれなかったりもします。
店によっては「練り水晶は原料が水晶だから、天然水晶と同じ」と言い切るところもあります。
石は加工されていないけれど、産地が間違ったりごまかされていたりする場合もあります。

たとえば、ヒマラヤ水晶はヒマラヤ山脈で採れた水晶のはずですが、どこからどこまでをヒマラヤ山脈というか
人によって解釈が違い、「これはヒマラヤ水晶じゃない」「いや、ヒマラヤ水晶だ」という意見の違いも出てきます。

本物・偽物を気にするならば、
まず、自分がどこまでを本物とみなすか、自己基準を決めましょう。


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スピリチュアルな分野で使われるさまざまな石の名前
偽物って何だ?
ビーズという素材 
(なぜ、ビーズには処理や偽物が多いのか) (雑記)

ヒマラヤ水晶ビーズの疑惑 (雑記)
見て、比べて、考える。 (見た目や名前が似ている石)


石の種類
石の名前 注意点 詳細
藍針ルチル虎目石
虎目石タイチンルチル
別の石
オークションで、丸玉などを見かける。
名前はいろいろだが、タイガーアイ(虎目石)とルチルが一緒になった石というような説明または名前である。

……が、これは
タイガーアイでもルチルでもない、まったく別の石

何かというと……、これがいろいろややこしい。
同じ石のビーズが、最初アストロフィライトの名前で売られ、次にヌーマイトブルー角閃石オリエンタルブラックなどの名前で出回った。
それが最近は中国産ヌーマイトアンソフィライト。海外サイトではアルベゾナイトの名前を見かけた。

個人的想像でまとめてみるとアストロフィライトは除外(似ていない)。ブルー角閃石、オリエンタルブラックは正式名称とは考えられないので除外。アンソフィライトはヌーマイトの成分の一つなので、ヌーマイトまたはそれに近い角閃石系の石……ではないだろうか。

それにしても、
タイガーアイにもルチルにも見えないのに、変な名前を付けるのはいい加減にして欲しい。
アホーアイト


↑これは、ちゃんとアホーアイト入り水晶。
別の石 「アホーアイト」「アホーアイト入り水晶」としてカボションカットされてアクセサリーに加工された半透明のミントグリーンの石があるが、アホーアイト入り水晶ではなく、クリソプレーズであると言われている。
※ここ4,5年、アホーアイト入り水晶の産出が増え、ペンダントヘッドやルースに加工されるものも作られるようになった。

アホーアイトは、繊維状の結晶となって水晶に内包されている。
磨りガラス状の水晶の結晶では見えなくても、カボションカットすれば見えるはず。カボションカットのアホーアイトがすべて均一に半透明であるのは不思議。


全体が青緑に色付き、若干透明感がある石で、「アホーアイトの丸玉」として売られた石が、クリソプレースであった例もある。

「磨きのアホーアイト」は繊維状結晶を確認するべき。
アホーアイト入り水晶は水晶にしては破格に高価な品が多いので、しっかり確認した方がよい。


水晶の中に内包されているのではなく、乳白色の石英のクラックにアホーアイトが混ざり込んだような石は、メッシーナ産ではないのではないかという話もあるが、こちらについては未確認。

追記:塊状の白濁した石英のひびにアホーアイトが入った「ラフ」として売られているのは、アホーアイト入りではなくてクリソコラ入り。
→参考サイト(海外)
これが本当のアホーアイト。ファントム状に薄く内包されており、拡大すると繊維状の結晶が見える。
ファントムで繊維状という特徴を覚えておくと、他の「アホーアイト」の不自然さがわかる。(写真の石は友人提供)
石英のクラックに緑色の「アホーアイト」が染みこんだような感じ。
メッシーナ産だということだが、左のアホーアイトに比べると緑がきつく、アホーアイトらしい結晶も見えない。上記の参考海外サイトではクリソコラであるとしている。
これは、クリソプレース(アップルグリーンのカルセドニー。染めの場合もある)このような透明のアホーアイト色カルセドニーが、アクセサリーに加工され、「アホーアイト」として高値で売られていることがある。ファントム状のアホーアイトがこのように均一に内包されるとは考えにくい。
ナミビア産でアホーアイト入りカルセドニーがあるようす。原石の標本を見る限り、全体的に青緑のアホーアイトが内包され、磨けば上記のクリソプレースに似た感じになるように思われる。
果たして「アホーアイト」として売られていたのは、アホーアイト単体でないのは確かだとしても、アホーアイト入り水晶ではなく、アホーアイト入りカルセドニーだったのか?
アホーアイト入りカルセドニーがどの程度産出しているか、本当にアホーアイトによる色なのか、まだ不明な点があるので判断は保留
アンバー(琥珀) 樹脂
溶融
コパル
樹脂で作られた全くの偽物、琥珀を溶かして固めたもの、琥珀を溶かして虫などを入れた、偽物の「虫入り琥珀」のほか、琥珀より年代が新しく硬度が低いコパル(ヤング、アンバー)が琥珀として売られていたりする。
着色オケナイト 着色
(染色)
「レアなイエロー・オケナイト」などとして売られている、鮮やかに黄色いオケナイト。母岩付きで、オケナイトのまん丸ふわふわな部分だけが色づいている。
これは
、きっぱり着色。
アメリカのオークション・サイトなどで「サフラン・オケナイト」などという名前で売られている。ときどき国内webショップでも売られていることがある。

中には、知らずに仕入れた店や、その仕入れ先すら着色であることを知らなかった例もある。けっこう高額で売られていることもあるので注意。
青く染めてあるものもあるので、「レアなブルー・オケナイト」に引っかかったりしないこと!
オニキス
別の石
加熱・着色
オレンジ・オニキスとして売られた石が、実はカルサイトだったという例あり。
ビーズとして売られている黒いオニキスは、加熱・着色加工されているものがほとんど。(炭素を含む溶液を染みこませ、加熱して黒くするらしい)

小売りのお店も、消費者も、新産とか珍しいとか聞くと、ついつい飛びついてしまいがち。しかし、いくつかまとまって売られた石であれば、必ず追加情報が出てくると思うので、注意し、もし売られていた石の名前が違っていたら、店に問い合わせ・交渉すべき。
「名前は違っていたけど、気に入ってるんだから」と自分を納得させるのと、作為・無作為はどうあれ、名前が間違っている商品を売買することの是非は問題が別。
店にとっても重要な情報になると思うので、名前が違っていたぞという場合は店にご一報を。


オニキスというのは、本来(モノクロ系の)縞瑪瑙(まっすぐではっきりした縞)のこと。
ところが、ビーズなどでは真黒(縞なし)カルセドニーがオニキスと言われて久しく、それにつれてはっきりとした色合い
(染め含む)のカルセドニーを「○○(色名)オニキス)と言われるようになってしまった。
ホワイトオニキス(真っ白)やブルー・オニキス(真っ青)なんて、本来はオニキスと呼ぶべきものではないと思う。
※建材などの分野では、縞模様のある大理石などを「オニキス」と呼んでいる場合がある。
その流れなのか、海外業者で縞模様のあるカルサイト(またはアラゴナイト)を「オニキス」の名前で売っている場合がある。
偽物というより、呼び方の習慣の問題かも。

右は縞模様なのでアゲートと思われがちだが、マーブル(大理石)。これもオニキスと呼ばれていた。慣れると縞模様の様子で区別できる。



右は、ブルー・オニキスの名前で買ったカルサイト。
偽物というより、縞模様であることを理由に「オニキス」の名前で呼ばれることがある例と見た方がいいかも。



「ホワイトオニキス」と呼ばれている、真っ白ほぼ不透明模様なしのカルセドニー(あんまり正しい呼び方ではないので、使いたくないけど他の呼び方が難しい)……は、ときどきガラスのフェイクがある。
慣れていれば握り比べて見分けられるので、ぜひともガラスと水晶の手触りの違いは知っておこう!
たまに、サイズ違いのビーズ(連)が並んでいる中で、あるサイズだけガラスという変なこともある。
オブシディアナイト
ガイア・ストーン
ヘレナイト
火山灰を混ぜた
ガラス
火山灰を混ぜて発色させたガラス。商品になっているのは、セントヘレンズ(セント・ヘレナ)火山の火山灰を混ぜたもの。火山灰を溶解させて作られたと書かれていることがあるが、100%火山灰だとまっ黒になるらしい。
ヘレナイトとも呼ばれている。くわしくはこちら
ジェーン・アン・ダウ著の「クリスタル・ジャーニー」では、ヴォルカニック・グラス(火山ガラス)と紹介されているが、火山ガラスは、一般的には天然の黒曜石(オブシディアン)と同義らしい。


ただのガラスであるという注意も出ている→海外サイト
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カラー・オブシディアン
(ブルー・オブシディアン)
(レッド・オブシディアン)
(コバルト・オブシディアン)
ガラス
パワーストーンコーナーで、淡い青緑色の透明なタンブルなどが「ブルー・オブシディアン」として売られているが、これは人工的に作られたガラス
このほか、コバルト・オブシディアンとして売られていた鮮やかな青の石や、レッド・オブシディアンなどの名前で見かける、透明なもの(主に中国産)も、人工のガラスであると言われている。
ガレーナ(方鉛鉱) 人工的整形  ミネラルショーで、ときどき こちらのようなキューブ状で中が空洞……立方体の「辺」だけのようなガレーナのクラスターをみかけるが、これは、人工的に整形されたものであるらしい。
カルカンサイト(胆礬)
人工結晶 天然の結晶は比較的珍しいが、銅の硫酸塩溶液から簡単に作ることができる。
適当な母岩に成長させた鮮やかに青い結晶が売られている。
水に弱く毒性があるので、さわった後は手を洗うこと。
カルサイト
人工成形
透明なカルサイトで、直方体が斜めにつぶれたような形のものを「天然の結晶」として売っていることがあるが、石そのものは天然でも、この形は人工的に割って作ったもの。劈開(その鉱物に特有の割れやすさの癖)を利用したものである。
菊花石(中国産)
成形
(彫刻)

※従来の鑑賞石の一つである「菊花石」ではなくて、主に中国産の菊花石の話です。ご注意ください。
黒い地に白い菊の花のようなものが現れている石。
菊花石は、本来、岩の中に放射状の結晶(アラゴナイト、カルサイトの仮晶と言われる)が埋もれているのを磨いて花に見せているものだが、鑑賞石として売られている中国産のものの中には、黒い岩の中に白いカルサイトが薄くのっている部分をカメオのように彫刻して「花」にしているものが多い。
ただ、全部が全部「彫刻菊花石」ではなくて、中にはちゃんとした天然立体菊花石も混じっている。

質は高くないが、とりあえず天然立体菊花石
ギューダ
Geuda
加熱加工 内包物の少ない、白色系のコランダムで、加熱処理することにより宝石品質になる。
淡灰、淡黄、淡褐、淡青、無色があり、7段階を経て1700度以上に加熱すると美しい色(青)になるのだそうだが、石の質により、どの温度で最高の色になるかはさまざまらしい。(参考サイト
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スウェディッシュブルー スラグ
鉱滓ガラス 
スウェーデンで採れるというか見つかるスラグ・ガラス(鉱石を精錬する際の鉱滓(残りかす))

深みのある微妙な色合いの青で、不純物や護岸が食い込んでいるように見えるものもあることから天然ガラスと間違われることもあるが、500年以上前の鉱石精錬所で見つかるらしい。(もっと新しいという説もあり)
七彩石

カーボランダム
Carborundum

シリコン・カーバイト

Silicon carbide
人工結晶
見た目は、油膜のような虹色の輝きがある黒っぽい米粒ほどの金属片を無数に固めた感じの石。レインボー・ヘマタイトにも似ているが、もっと粒が粗い感じ。

オークションで「七彩石」の名前で「中国新疆産の新しい鉱物の種類「天然鉱物」として売られているが、これは、カーボランダム(シリコン・カーバイト)の
人工結晶である。 ご注意を。

カーボランダムは1981年にダイヤモンドの合成の際に発見された。自然界では非常にまれな鉱物らしい。(結晶は唯一隕石の中で見つかっているだけ)
ジンカイト 半人工結晶
天然でも産出するが、比較的稀な鉱物。
多く流通しているポーランド産のジンカイトは、亜鉛鉱山の火事で偶然できたとも、亜鉛鉱山の工場の煙突に結晶するのだとも言われている「半」人工石。

くわしくはこちら
ターコイズ(トルコ石)
 
練りターコイズ


↑ターコイズ風プラスチックビーズ












練り
染色
模造石
ターコイズは、さまざまな処理、加工が多い石である。
天然の状態ではもろくて水や汚れに弱いため、樹脂を染みこませてあることが多い(スタビライズドという)。
透明な樹脂ならまだ良いが、色つきの樹脂を染みこませたり(染め)、粉にしたものを樹脂で固めたり(練り)、中には最初から全くの樹脂で作った偽物もある(模造石)。
ハウライトなど別の鉱物を染めたものや似た鉱物をターコイズとして売っている場合もある。くわしくはこちら
ビーズになっているものは最低でも樹脂加工されている。複雑な形に彫ってあるもの(薔薇など)で安価なものは、練りや樹脂製を疑った方がよいかも。

写真は練りターコイズ。全体的につや消しで、色も均一で鈍い感じ。
マトリクス(スパイダー・ウェブ)とも呼ばれるネット模様も、均一な太さでへこみがない(天然のネット模様は太さに強弱があり、青い部分とはかたさが違うので、そこだけ凹んでいたりする)

「偽物が多い」という話があると「これは偽物か、本物か」という話になるが、結論を急がず、しっかり考えた方がよいと思う。
加工にも色々あり、どこまでを「偽物」と考えるかは人それぞれなので。
ターコイズの場合、以下のようなものがあります
実はプラスチック ターコイズ色のプラスチック
練り ターコイズを粉末にし、樹脂で固めた物
別の石の粉末を着色し、樹脂で固めた
スタビライズド ターコイズに透明な樹脂を染みこませたもの。
ターコイズは全くのナチュラルではもろいので、ビーズなどでは樹脂を染みこませて強化する必要がある。
樹脂を染みこませることで汚れなどにも強くなるが、布を濡らすと色が濃くなるように、ナチュラルとは色が変化してしまうらしい。
色つきの樹脂を染みこませる。
(これは意図的な色の改変)
ダイド(染め) 染料で染める(たぶん。色つき樹脂の話かもしれない)
トリートメント 電気的な処理(よくわからないのでごめんなさい)で色を改良する。
石に何かを添加するのではなく色を変えるらしい
別の石を染めたもの ハウライトやマグネサイトをターコイズ色に染色
似ている石を間違えた バリサイトなど
似ているけれど違うらしい アフリカン・ターコイズなどは、ターコイズと名前が付いているが、鑑別するとターコイズでは無いという結果が……
産地問題 ターコイズも、産地によって価値が違う場合があり、高額な産地のものに似ている別の産地のものがごまかされて売られている場合がある
染め パープルターコイズとか、モハベ・ターコイズと呼ばれている「紫のターコイズ」
ターコイズ産地として有名なキングマン鉱山のれっきとしたターコイズを染め、マトリクスの部分がブロンズ色になるよう処理して磨いたもの。


色はターコイズじゃないけど、石はターコイズ。さあ、どうする!?
……いかがでしょう。
どれを……
どこまでを「偽物」と判断しますか?
タイガー・アイ 加熱

脱色

着色
(染色)

タイガー・アイ(虎目石)、ホーク・アイ(鷹目石)は、クロシドライト(青石綿)が束状になっているものに石英が染みこんだ石である。
クロシドライト本来の色はホーク・アイの青黒い色で、含まれている鉄分が自然の状態で酸化しているとタイガー・アイになる。
これがさらに酸化すると、赤くなるが、天然で赤い虎目石はまれ。
レッド・タイガーアイ(赤虎目)として売られている石は、人工的に加熱して作られたもの。

「グレー・タイガー・アイ」、「クォーツ・キャッツ・アイ」と呼ばれるものは、タイガー・アイを脱色してグレーにしたものらしい。
また、通常の黄色〜茶色のタイガー・アイの中にも、軽く脱色して鮮やかな金色にしているものも多いらしい。

最近見かける、鮮やかな(毒々しい)色合いの緑やピンクのタイガー・アイは、脱色した上に染色してある。タイガー・アイはクロシドライト(青石綿)に石英が染みこんだものであるため、石綿の部分に染料を染みこませて染めることが可能であるらしい。
同様に、石英に角閃石などがたくさん内包されているものでは、そこに染料を染みこませることができるらしい。

ホーク・アイ
(ブルー・タイガー・アイ)

クロシドライトの本来の色。
タイガー・アイ
ホーク・アイが天然酸化したもの。
脱色して色を明るくしている場合もある。
レッド・タイガー・アイ
(ブルズ・アイ)

タイガー・アイを人工的に加熱して酸化させたもの。
アイアン・タイガーアイ
ヘマタイトとレッド・ジャスパー、タイガーアイが混じっている。
レッド・タイガー・アイは人工的に加熱されたものがほとんどだが、希に天然で赤いものもある。写真はマラマンバ・タイガーアイ。オーストラリア産で天然の色。
(※すべてが赤いのではなくて赤い部分もあるという感じ)
天然の状態で全体がホークアイとタイガーアイの中間の状態になったもの。
こういうのをウルフ・アイというのだと思う。
※マラマンバ・タイガーアイがすべて赤いのではなく、赤い部分もあるという感じ。実際、写真の石を買った際には青黒い部分と赤い部分が混じっているのもあった。(もし加熱ならば、青黒い部分は残らないと思う)。マラマンバ・タイガーアイはジャスパーやヘマタイトが混ざっていて磨いたときに現れる模様が魅力でもある。マラマンバの鉱山は現在閉山しているらしい。
タイガー・アイを着色したもの。すぐに色落ちするものもあるようなので注意。
真ん中の緑のものは「ウルフ・アイ」「ドラゴン・アイ」の名前で売られていることがあるが、ウルフ・アイは天然の状態で「灰緑色」のもの。人工的な着色による緑をウルフ・アイと呼んでは行けないと思う。ドラゴン・アイはグリーン・オパールでタイガーアイっぽい輝きを持つ石のことなのでこれも違う。

ブル・タイガーアイには染めもあるという話があるが、ブルー・タイガーアイの色は天然のはずで、やや緑がかった青に染められたもの(右)がブルー・タイガーアイの染めと誤解されているようす。
比較記事はこちら
 
  
グレー・タイガーアイ(ホーク・アイ)
自然の状態でグレーであるとも、タイガーアイを脱色しているともいわれる。
クォーツ・キャッツアイと呼ばれていることもある。
 
タイガーアイを脱色して白っぽい色合いにしたもの。
ここまで白っぽくせず、色の濃いタイガーアイを軽く脱色してして明るく見せている場合もあるらしい。
タイガーアイを脱色して、さらに染色したもの。従来のタイガーアイには見られないような明るくかわいい色合いで、きれいなことはきれいだが、一言加工と説明を。
染色した者は色落ちする場合もあるので注意。
 テラヘルツ鉱石 工業用の素材   高純度の多結晶シリコン(ポリシリコン)。人工素材である。

いろいろあれこれ健康に良挿そうな説明がつけられているが、期待しないこと
くわしくはこちら
茶金石
(ゴールド・ストーン)
(ゴールドサンド・ストーン)
紫金石
(ブルー・ゴールド・ストーン)


グリーン・ゴッドストーン
Green Godstone


ガラス
ガラスに銅を混ぜ、粉末状の銅を析出させたもの(単に銅の粉末を混ぜたのではなくて、銅を一端溶かし込んでから、特別な方法で冷やしてきらきらした銅を出現させるのだとか)

装飾品としてはとても美しいが、これを天然石とか原石などとして売るのはいかがなものか。
茶色の地のものを茶金石というが、最近は「砂金石」としているところも見かける。天然石であるアベンチュリンの和名も「砂金石(砂金水晶)」なので、混乱することがあるので注意。

ビーズなどで「サンストーン」という明らかに間違った名称で売られている場合あり。

なんだガラスか、偽物か……と低く見てしまいますが、実は「アベンチュリン」という石の名前はこのガラスから生まれたもの。天然石に似せて作られたガラスではなくて、このガラスによく似た石があった……という、実はガラスの方が先なのでした。


海外サイトで深緑バージョンを発見。一見黒っぽく見える深緑の地にキラキララメ入り。
グリーン・ゴッドストーンの名前で売られていた。
茶色と青(濃紺が「サンドストーン」なのに、どうして緑だけがゴッドストーンなのか。
(参考サイト(海外


ちなみにビーズショップではゴールドストーンとブルーゴールド・ストーンのミックスバージョンも見かけた。茶色と紺色が斑点模様風に混じっているところにラメラメキラキラ……ちょっと遠慮したい感じだった。
チャーミカイト
チェルミカイト
Cermikite
人工結晶

または

別の
人工結晶
紫色の八面体フローライトのような石。
初期は名前が似ているチャーミガイト(Tschermigit)eやその人工結晶と思われていた。
……が後に綴りが違うことがわかった。
フローライトの一種であると説明しているところがあるが、全く別の鉱物。

クロムミョウバンアンモニウムミョウバンを人工的に結晶させたものらしい。年月とともに退色する可能性あり。水に溶ける。

:(web拍手で情報を戴きました。ありがとうございます!
クロムミョウバンではなく、アンモニウムミョウバン(通常のミョウバンのカリウムをアンモニアで置き換えたもの)にクロムミョウバン(通常のミョウバンのアルミニウムをクロムで置き換えたもの)を加えたもの……要するに「チャーミガイト(Tschermigite)の人工結晶」=「ミョウバンの人工結晶」ということになるようです。
ただし、上記の場合は、褪色するとは考えられないので、褪色した場合は別の方法で着色されている可能性があるそうです。

 硫酸礬土; 硫酸アルミニウムの人工結晶であるという説もあり。

中国産説、ポーランドまたはルーマニア産説がある。
詳しくはこちら(参考サイト。ページ一番下)、もしくはこちら(海外サイト・写真あり)
写真はこちら(※「石のファッション館」さまにご協力いただきました)
トパーズ&黒水晶 放射線照射
2009年新宿ショーで見かけた、つやつや黒の水晶にブランデー色と言いたいきれいなトパーズが付いた標本……鉱物科学研究所の情報によると、放射線照射らしい

つやつや黒の水晶が、怪しいと言えばそうだけれど、根本まで漆黒真っ黒でアーカンソー産の放射線照射黒水晶(根本が白い)とは様子が違っていた。

以前トライフェーン(黄色いスポデューメン)につやつや黒の水晶がくっついたもの(パキスタン産)を見たが、これも放射線照射だったりするだろうか?
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 ビクトリア・ストーン 人造宝石 1960年代後半〜1970年初期に、飯盛博士によってつくられた合成宝石で、カラーバリエーションは15〜20色ある。

クォーツ、マグネサイト、長石、方解石、蛍石、その他を細かく粉状にして溶かし、高圧の状態で35〜40日ほどかけて冷やす。結晶促進剤などが添加され、溶かして固めただけでなく結晶化していて、そのために放射状の構造を持つ。

硬度は6(5.5とも)
飯盛博士は、この製法を誰にも明かさなかったとのこと。
翡翠

鋼玉と軟玉

名称による
勘違い

染め
(染色)

コーティング
翡翠(ジェイド)には、ジェダイト(鋼玉)ネフライト(軟玉)があり、質の良いものが宝石として扱われているのはジェダイトである。
これだけでもややこしいのに、○○翡翠というフォルス・ネーム、トレード・ネームが付いた石がたくさんあり、翡翠だから宝石の一種だろう、翡翠(ジェイド)と書いてあるからジェダイトだろうと早合点すると危険。
有名なところでは
インド翡翠→グリーン・アベンチュリン
ニュージェイド→サーペンティン
その他の例はこちら

また、ジェダイト(硬玉)であっても、染めてあったり、必要以上にワックスでコーティングして、質を高く見せかけたりするものがあるので難しい。
ジェダイトの最高級品を「瑯坩(」ろうかん)」というが、クォーザイト(珪岩)という石を染めると、この瑯坩にそっくりになるものがあるので要注意。
ビスマス 人工結晶
和名は自然蒼鉛。きわめて重い元素鉱物。
自然の結晶で産出することは稀。人工的に結晶させたものは、虹色の光沢を帯びた金属ブロックが重なったような魅力的な形をしている。
ピンクトルマリン  放射線照射 こちらで、アフガニスタン産のピンクトルマリンに対して、放射線照射が指摘されている。
日光で褪色するらしい。
くっついている水晶が黒くなっているのが、放射線照射の手掛かりとか。
フォーダイト
デトロイト・アゲート
元は
自動車の塗料
自動車の塗料が積み重なったもので、古い自動車工場で見つかるらしい(今は塗装方法が違うので、できないとか)。
自動車産業が盛んだったデトロイトで多く見つかるので、デトロイト。アゲートの別名もある。
磨くと縞模様になっていて、自動車の塗料なのでキラキラしていて磨くときれいな艶が出る。
地味な色合いだとアゲートにも見えるかもしれないが、オレンジや黄色や赤や青など鮮やかな色が混じったサイケデリックなものもある。
ブルー・ムーンストーン 色を強調する細工あり
アクセサリーなどに加工されているものの中には、石の下に青いカラーシートを敷き、青い輝きを強調しているものがある。
※石もブルー・ムーンストーンではなく、レインボームーンストーンの場合が多い)
赤いシートを敷いて、赤い地に青い光が浮かぶように見せたものもある。
色を楽しむものとしては何ら問題はないが、価値を偽るものであれば問題である。

※偽物というわけではないが、本来はオーソクレース(正長石)に属するブルー・ムーン・ストーンの中に、斜長石に属するペリステライトが混じっていることがある。
オーソクレースのブルームーンストーンに負けないくらいブルームーンなので、見て楽しむ分には問題はないと思われるが、「ペリステライトというとてもレアな石」というふれこみで、高値で売られているのはいかがなものか。
正長石ではないことがわかったというだけで、特に稀産な石ではないはず。
●アクセサリーに加工された”ブルームーンストーン”
アクセサリーでもブルームーンストーンの名前なのにレインボームーンストーン(ラブラドライト)やペリステライトの場合があります。

さらに、右図のように、石と金属の台の間に青いシートを挟み、濃い青のブルームーンストーンに見せているものもあります。青以外に赤(赤ピンク)の色を挟んであるものもあり、「ピンクムーンストーン」という紛らわしい名前で売られていたりします。
シートを挟む他に、入りの裏側を黒く塗りつぶしている場合もあるようです。

見た目や色の美しさで選ぶ場合はいいとしても、石の種類や石本来の色合いにこだわる場合は、このような加工もあるということを覚えておくとよいと思います。
プルスカイト
Pruskite
人造結晶  フェロシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム)の人造結晶の商品名。  
フローライト
人工成形
ピラミッドが上下にくっついたような八面体のフローライトは、劈開(割れやすさの癖)を利用して成形したもの
天然で八面体のものもあるが、ころころとたくさん売られているのは割って作られたものが多い。
ヘミモルファイト
染色の模造品である場合がある 中国で産出する、青く美しいヘミモルファイトに似せて、アラゴナイトを青く染色したものが売られていることがある。
(銅で発色した天然のブルー・アラゴナイトもある)
ボウシングコールド石
Boussingaultite

 人工結晶
 こちら(海外サイト)のようなきれいな結晶で赤・褐色、緑、黄色などいろいろあるようす。
Boussingaultiteの人工結晶と説明されていたが、チャーミガイトのように実は全く別だったという例もあるので、今後の情報に注意。
Boussingaultiteの天然結晶はこちら
ホワイトバッファロー
ワイルド・ホース


ホワイト・ターコイズ
ハウライトの
場合あり

どちらも、インディアン・ジュエリーなどで見かける白に黒や茶の斑や筋が入る石。
はっきりしたことはわからないが、おそらく、「銅を含まないターコイズ(ターコイズの発色原因は銅。銅を含まない時点でターコイズとは言えなくなるが……)」ではないかと思われる。
もともと「白い(アルビノの)バッファローと同じくらい珍しい」という意味を込めて名付けられた石なので、そうそうたくさんは出回らないはず。
ものが白なので、ハウライトやマグネサイトを使ったアクセサリーが、ホワイトバッファローとして売られている場合あり。


また、ハウライトをホワイト・ターコイズとしている例もあり。
ホワイト・ターコイズとは、アリゾナのドライ・クリーク鉱山産の淡い水色(またはクリーム色)のターコイズのことで、ターコイズに似た白い石(ハウライト)のことではない。
↓↑ハウライトまたはマグネサイト。ホワイトバッファローやホワイトターコイズではない。
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モルガナイト 別の石 「スーパー・レア・モルガナイト」などとして売られている、白濁した石英のかけら状のモルガナイトは、ただのピンクっぽい岩(大理石?)の可能性あり。
海外オークションで売られていて、そのルートから仕入れている国内業者もあると思われるので注意。→海外サイト

モルガナイトの丸玉として売られているもので、マンガノカルサイトである危険性もあるという。
→海外サイト
モルダバイト


↑モルダバイトとして売られていたわけではないが、そっくりな色のガラス。
加工されたらまずわからないが、最近は凸凹の原石状態でもフェイクがある。
ガラス製
フェイクあり

ビーズや勾玉に加工されたモルダバイトの中には、中国産のガラス製フェイクが混じっていることがある。

追記:未加工状態のモルダバイトにもフェイクあり。
未加工の状態で、形のバリエーションもあるが、実際手に取ってみるとかなり怪しいものを発見。
特徴としては、
◇表面の凸凹が縮緬状で、全体的に均一
  (本物では荒いもの細かいものなど、石によっていろいろ混じるが、
   疑惑モルダバイトはどれも同じかんじ)
◇大小さまざまだが、たいてい楕円っぽい形で、左右対称形。
 極端にいびつなピースが混じらない。
◇すべて平面的(反っていたりするものがない)で、厚みもほぼ均等
◇表面はいかにもモルダバイトっぽく凸凹しているが、どこにも欠けがなく、さわっていても指が引っかかるようなエッジがない。
◇色合いが揃っている。
(本物よりもわずかに緑すぎる)

ひとつだけでは見分けにくいかもしれないが、
複数ある場合、以上の特徴がすべてに共通していればかなり怪しいと言える。
ミネラルショーなどで海外業者の扱うモルダバイトを見ると、色合いにも若干の差があるし、表面の凸凹のようすもさまざまである。
縮緬状の凸凹を刻んだ板に溶けたガラスを挟んで模様を付けたガラス製のフェイクだと思う。
同様のフェイクを「加工」して作ったブレスレットも見かけた。表面の凸凹が残った状態のビーズでもフェイクは十分にあり得ると言うこと。
高額な商品になるだけに、注意されたし。
夜明石
夜光珠
ガラス?

塗料を塗ったフローライト?
夜明珠・夜光石・夜光水晶・夜焔石とも呼ばれるらしい。組成不明。
一説によると、「タングステン鉱・鉄マンガン重石・錫石・水晶石・方解石等」の集合体であるとか「波璃蛋白石」であると言われるらしい。希土類を含むため、蓄光し、暗いところで黄緑色に光るという。
透明度が劣るものを夜光水晶、結晶を残した(部分的に透明度がある?)ものを夜焔石と呼ぶのだと言うが、いろいろ混ざっていたり蛋白石(オパール)だというものがなぜ「水晶」なのか、かなり不明。
webショップで売られていたものを鑑定してもらったところ、「夜光塗料を入れた(塗った?)ガラス」という結果が出たという話もある。

→参考サイト
紫外線等をあてたときに光を発するものを蛍光、紫外線等を消したあとも光が残るものを燐光という。天然鉱物で燐光、蓄光を示すものはとても少ないらしい。
人工素材
最近、ブレスれ戸などに加工された「夜明石」夜光珠」「を見るが、これは、どうもガーデニングなどに用いられる「蓄光石」ではないかと思われる。蓄光石は、蓄光塗料を練り込んだセラミックや樹脂のこと。
夜明石・夜光珠として高額で売られている場合もあるので注意。
上にも書いたが、天然鉱物で燐光・蓄光を示すものは少ない。
だから効果なんだというのが宣伝文句かもしれないが、少ない石ならビーズにしたりしないし、あちこちで売られているのを見ることもないだろう。
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ラピスラズリ 染色
合成
練り
模造品
別の石
ターコイズに並んで加工品の多い石。
ハウライト(またはマグネサイト)を青く染めたもの。
ハウライト・ラピスと呼ばれているのはこれ。

粉末にしたラピスラズリを樹脂で固めたもの、大理石など別の石を染めたもの、何かはわからないがラピスラズリ色の何かをパイライトやマラカイトの破片と一緒に固めた「ラピス・マラカイト」なる変なものもある。

合成ラピスもあるらしいが一般的ではないと思う。
ラリマー

これはラリマー
染色?
充填・含浸
別の石
人気の石なので、いろんな噂&心配が多々。
私自身は確認していないけれど、染色説あり。
ただし、青くないペクトライト(ラリマーは銅で青く発色したペクトライト)を青く染めてラリマーに仕立てたのか、もともと青いラリマーだったけど、色が良くないので染めてお化粧したのか、詳細不明。

鑑別結果「ラリマー(充填あり)」に対して「偽物!」と言っている例を見たが、鑑別結果でラリマーなんだから、ラリマーだと思う。充填ありというのは、凹みがあったので樹脂などで埋めましたということ。

一時期、青いヘミモルファイトイトがラリマーの偽物としてビーズなどで出回っている、という話があったが、たぶん違う。
まず、ヘミモルファイトのビーズが見つからない。正しい名前で出回らないものが、ラリマーの偽物になりようがない。
ヘミモルファイトビーズとして売られているのはカルサイト(染めあり説ありだけど、それでラリマーと間違う模様にはならないような気がする)だったりする。


別の石……これは、ある
天然で染めなして模様も色もそっくりなアラゴナイト。
何と結晶の形(細い針状のものが放射状に結晶した)も、色の原因(どちらも銅)も同じなので、見た目そっくりになるのは当然。
偽物というより、天然世界の驚異のそっくりさんといいたい。

実物を見ても私にはわからない。(手触りや重さ、軽さが違うというが、分かっていて見ないとわからない)
どこの産地でどの程度出回っているか、どれくらい採れるものなのかは不明。(ラリマーよりも少なかったら、こっちの方がレアと言える)

もうこれは間違われても仕方がないと思うけど、アラゴナイトなだけに汗に対する強さが心配ではある。




     ラリマーに激似のアラゴナイト→
     同じルースの裏表
リンデンスター  合成石 アメリカのリンデ社(現在はユニオン・カーバイド社)が1965年に開発した合成ルビー(青いサファイアタイプもある)。
スターがくっきりはっきり出る(きれいすぎるという話も)。

ルチル入り水晶

名称間違い

ルチル以外の鉱物もあり
水晶に内包された針状の鉱物はひっくるめて「ルチル」にされてしまうことがある。
そのため、
ルチル以外の鉱物を内包しているのにルチル入りと呼ばれていることが多い。
それをルチルクォーツと言うか言わないか、意見は分かれるが、ルチルという鉱物があるんだからルチル入りでこそルチルクォーツでしょう。
ルチルに「針状内包物」という意味はありません。

「黒ルチル」……たいていはショール(黒トルマリン)
           ※本当に黒いルチルもあるが、ビーズではかなりまれ。
「緑ルチル」……アクチノライト(緑閃石)
           ※ルチルで緑は、実際には以外に緑に見えない。
             緑のルチルではなく緑っぽく見える渋い金色という感じ
「藍ルチル」……インディコライト(青トルマリン)
           ※ルチルに青はない。
 
「青トルマリン入りを藍(青)ルチルというなどという説明はあり得ない。
「ルチルヒマラヤ水晶」……ネパール産でルチル入りという場合は、多くが角閃石かアクチノライト、ドラバイトである。稀にルチルもある)パキスタン産・インド産にはルチル入りがあるようす。

百歩譲って「通称」だとするならばともかく、同じサイト、同じ本の中で別項目で「トルマリン入り水晶」を別に掲載しているならば、それは変。
ルチルと言ってもルチルじゃないこともあるよ、ということで。
オイル含浸 ※最近、オイルをしみこませて水晶部分の透明度を高めて見せているルチル入り水晶(原石以外)があるという。見た目で判別は難しいが、ルーペによる観察や紫外線でオイルが蛍光するので判別できる)
参考サイト
 鉛ガラス含浸 ルビーで、質の低いものに鉛ガラスを含浸させて透明度アップさせる加工があるが、それと同じようにルチル入り水晶に鉛ガラスを含浸させているものがあるらしい。
ここ2年ほどで増えているとか。
これが人工?
人工的に作ったルチルがあるそうだ……という噂があります。
ルチル単体でなら合成可能ですが、「ルチル入り水晶」は無理だと思ってます
可能だったとしてもコストが高くつきすぎる。
しつこく噂を聞くが、本物と間違う偽物があるならそれが欲しい。せめて写真を!

右のようなガラスビーズが「人工ルチル」として売られているいるのを見かけたが、
間違えるどころか、まったく似ていないので、偽物としても失格!
関連記事1
関連記事2
↑これと同じものが、「人工ルチル」として売られていたが、だからといってルチル(入り水晶)には人工があると言われても……
ルビー・イン・ゾイサイト
ルビー・イン・フックサイト


スピネル・イン・グラナイト
名前間違い どちらも緑の母岩にルビーが内包された石なので、ちょくちょく名前が取り違えられていることがある。

◇ルビー・イン・ゾイサイト
 :赤+緑(濃いめ)+黒

濃いめの緑に黒い斑点が混じった中に赤いルビーが内包されているもの。
ちなみにこの緑色の部分がゾイサイトで、別名をアニョライト
ルビー・イン・ゾイサイト自体の別名がアニョライトではない。
さらに言うとタンザナイトも鉱物名はゾイサイトである。
◇ルビー・イン・フックサイト:赤+白+緑
淡い目の緑にルビーが内包されているが、ルビーのまわりに白い層があるもの。全体的につやがにぶい感じ。インド産。
ついでにもう一つ。白黒が入り交じった母岩に赤い結晶が内包されているのは、グラナイト(花崗岩)にスピネルが入ったもの。

これを「ルビー・イン・マザーストーン」としている例あり。ルビーじゃなくてスピネルです。
写真入りの説明はこちら


ルビー・イン・ゾイサイトをこともあろうにルビー・イン・エメラルドの名前で売っている例を目撃。
もはや
ネタとしか思えない……。
レインボー・カルシリカ
人造石 メキシコ産で、最近見つかった美しい天然石であると紹介されていることが多いが、人工的に作られた石
2002年の冬にアメリカのGIAで、人工的な染料や樹脂が検出されたことが報告されている。

→参考サイト(海外)  →参考サイト2(海外)


どう見てもオールプラスチックでしょう……という安っぽい「カルシリカ」を目撃!


自動車の塗料が積み重なったフォーダイトをレインボーカルシリカであるする説明をみたが、質感からして違うと思う。カルサイトなどの成分が検出されるから天然説があるわけで、オール人工物の自動車塗料だったら、さすがに天然説は出ないでしょう。
レインボームーンストーンと
ムーンストーン


ロイヤル・ブルームーンストーン

ペリステライト
名前の混乱
よく言われていることだが、未だに混乱が多いのがムーンストーンとレインボームーンストーン。

まず、レインボームーンストーンはラブラドライトである。
地色が白いのでホワイト・ラブラドライトとも呼ばれる。

では、レインボームーンストーンで青い光だけのものがブルー・ムーンストーンかというと、そういうことはない。
鉱物的には、どちらも同じ長石の仲間だが、
ブルー・ムーンストーンはアルカリ長石(カリ長石)

レインボー・ムーンストーン(ラブラドライト)は曹灰長石(微斜長石の一種)
であり、成分も結晶の仕方も違う。もっと詳しく言えば、光が現れるメカニズムも若干違う。
おそらく、青一色の光のレインボー・ムーンストーンというのはないか、あったとしてもごくまれなもので、よく見るとごくわずかでもほかの色が見られると思う。
写真入りの説明はこちら

また、ブルー・ムーンストーンは、ムーンストーンの中で、透明な地色に青いシラー(アデュラレッセンス)があらわれるもののことで、ロイヤル・ブルー・ムーンストーンは、その青みが特に強いものに対してつけられたコマーシャル・ネームであるという。

最近、ブルー・ムーンストーンと呼ばれる中に「ペリステライト」と呼ばれる石があることがわかった。見かけはブルームーンストーンそのものの。
これも長石の仲間だが、本来のブルー・ムーンストーンが属するアルカリ長石ではなく、ラブラドライトが属する微斜長石に属する石。しかし青い光が現れるメカニズムは、ムーンストーンと同じ。
つまり、ペリステライトは、長石としては通常のムーンストーンよりはラブラドライトに近いのに、見た目と光のメカニズムはムーンストーンと同じ、という、ややこしい石である。
逆に成分はムーンストーンに近いのに、見た目はラブラドライトと同じという石(岩)もある。ラルビカイトと呼ばれ、「最高級の御影石」として建材になっている。
●長石はいろいろ難しい

ムーンストーンもラブラドライトも大きく言えば長石ですが、その中で種類が違う長石になります。
ムーンストーンはカリ長石と呼ばれる種類、ラブラドライトは斜長石と呼ばれる種類に属し、それぞれ成分とか結晶系が異なります。

しかもムーンストーンは「宝石名」であるのに対し、ラブラドライトは「鉱物名」であるという違いもあります。
宝石名というのは、カリ長石の中で丸く磨くと月光のような輝くが出るもの……という見かけがかかわる名前です。磨いても月光っぽく輝かなかったらムーンストーンとは言えません。
ラブラドライトは鉱物名なので、あの特徴的なラブラドレッセンスが見えなくても成分と結晶系が合致すればラブラドライトと判断されます。

さらに、ムーンストーンという名前が決められた当時は、ムーンストーンになりうるのは長石の中でもカリ長石くらいしか知られてなかったんですが、その後、異なる長石の中からもムーンストーンそっくりさんが出てきて、「ムーンストーンは見た目月光っぽいからつけられた名前なんだから、そっくりだったらこれもムーンストーンでよくない?」「いや、本家ムーンストーンとそっくり石では成分も産出量も違う。希少価値にも差が出るから同じムーンストーンとは呼べない」
と意見もいろいろ。
本家ムーンストーンは知名度ほどにはたくさん採れない石だったようで、気が付いてみると市場で見かける石(ビーズ等)はそっくりさんばかり……そのために「天然でブルームーンストーンはない」とか「ブルームーンストーンと言われているのはそっくりさんの方」とか「昔はあったけど今はなかなかみかけない」という部分が抜け落ちて、誤解を招きそうな説明もあったりします。


さらにさらに、ラブラドライトの方も事情が複雑です。
ラブラドライトは「斜長石」の中で「成分比がこの範囲」と決められた石です。成分比が異なるとバイトウナイトとかアンデシンという別の名前に分類されます。
ラブラドライトはあの虹色のラブラドレッセンスがある石……というイメージですが、最近、「ラブラドレッセンスが出てるけどラブラドライトじゃなかった」とか「見た目全然違うけど成分比はラブラドライトだった」という例がたくさん見られるようになってきました。
これは、突然そんな石が出てきたのではなくて、今まで見た目でラブラドライトでしょ、と思われていたものを改めて分析したら「実は違ってた」ということでしょう。
ラブラドライトは鉱物名なので、見た目に関係なく成分や結晶系で名前が決まります。
なので、分析結果こうだった、ということで見た目ラブラドライトにアンデシン、見た目バイトウナイトにラブラドライトの名前がついているので、こういうことで名前が決まってるという背景を知っていないと混乱します。

そのうえ、細かい成分比で名前が違ってしまうのはややこしい!……と思ったのか国際鉱物学連合(IMA。ここが認定すると新鉱物として認められます)というところが長石の名前と分け方を見直してしまい、実は今現在ラブラドライトもアンデシンもバイトウナイトも鉱物名としてはなくなってしまいました。
(それでも市場では変わらずラブラドライト等の名前は用いられていますが)



長石のいろいろあれこれ(さらに)複雑なお話はこちらをどうぞ(ものすごーく長いので注意)

アンデシンとラブラドライト

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