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産地限定の水晶・その他の石
産地や形内包物が限定されている水晶や、「○○水晶」と地名を冠して呼ばれたり、
地名が水晶の名詞的に扱われていたりしているものを集めました。
(地名には●をつけました)
間違いやリンク切れ、その他情報がありましたら、
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●産地が限定される石 まさしく「ここでしか採れない」石たち |
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アホーアイト入り水晶 Ajoite in Quartz アホアイト アジョイテ アジョイト アホ石…… |
丸玉加工されたもので、アホーアイト入りとして売られていたが、その後の鑑別でアホーアイトではなかった例もある。 「塊状の石英のひびにアホーアイトが染みこんだもの」として売られているのは、アホーアイトではなくてクリソコラだそうである。→参考サイト(海外) とってもほんのりアホーアイト入り ファントム状に二カ所のアホーアイト入り |
これが本当のアホーアイト。ファントム状に薄く内包されており、拡大すると繊維状の結晶が見える。 ファントムで繊維状という特徴を覚えておくと、他の「アホーアイト」の不自然さがわかる。(写真の石は友人提供) |
石英のクラックに緑色の「アホーアイト」が染みこんだような感じ。 メッシーナ産だということだが、左のアホーアイトに比べると緑がきつく、アホーアイトらしい結晶も見えない。上記の参考海外サイトではクリソコラであるとしている。 |
これは、クリソプレース(アップルグリーンのカルセドニー。染めの場合もある)このような透明のアホーアイト色カルセドニーが、アクセサリーに加工され、「アホーアイト」として高値で売られていることがある。ファントム状のアホーアイトがこのように均一に内包されるとは考えにくい。 |
:ナミビア産でアホーアイト入りカルセドニーがあるようす。原石の標本を見る限り、全体的に青緑のアホーアイトが内包され、磨けば上記のクリソプレースに似た感じになるように思われる。 果たして「アホーアイト」として売られていたのは、アホーアイト単体でないのは確かだとしても、アホーアイト入り水晶ではなく、アホーアイト入りカルセドニーだったのか? アホーアイト入りカルセドニーがどの程度産出しているか、本当にアホーアイトによる色なのか、まだ不明な点があるので判断は保留。 |
パパゴアイト入り水晶 Papagioite in Quartz |
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ベニトアイト |
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●産地を冠した石 産地名を着けて呼ばれる石。 普通は、その産地のものだけを呼ぶべきだが…… |
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アルプス水晶 アルパイン・クォーツ Alpine Quartz |
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カラーラ・ダイヤモンド Carrara Diamond |
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ハーキマー・ダイヤモンド Herkimer Diamond |
アメリカのニューヨーク州、ハーキマー鉱山で産出する、透明度、照りに優れた水晶。(ハーキマー鉱山以外のものは、外見はそっくりでもハーキマー・ダイヤモンドではない) 柱面が短く、ほとんどが両錐であるのが特徴。 大きい結晶になるとエレスチャル/スケルタル(骸晶)化し、透明なものは少ない。 植物由来のタール分がインクルージョンされていることが多い。 ドリーム・クリスタルと呼ばれることもあるらしい。 普通の水晶よりもかなり高温・高圧の環境下で成長したものと説明するサイトと、母岩の状態から見て、常温に近い状態でできたものだと説明するサイトがある。 水晶に内包されたり、母岩に付着しているというタール分の存在から考えると、低温で結晶したという説が正しいように思われる。くわしくはこちら 母岩付きのものや、クラスターになっているものは、時に接着されたもの(リペア)があるので注意。また、ハーキマー・ダイヤ・タイプとして透明な水晶を削ったものも売られている。(ハーキマー・ダイヤモンドとは無関係) |
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パライバ・トルマリン ↑ これは質が高くありません。 |
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ヒマラヤ水晶 Himalayan Quartz |
その名の通り、ヒマラヤ山脈で採掘された水晶のこと。 大きく分けてネパール産とインド産がある。最近ではパキスタン産などもヒマラヤ水晶と称される。 ネパール産は鋭い輝きや緑泥石が内包されたワイルドな形が特徴。 インド産は形が素直で、淡いピンク色に色づいているものも多い。 ちなみに、ヒマラヤ山脈は最も新しい造山期に誕生したもので約6500万年〜4500万年前くらいから隆起を始めたという。よって「世界最古の地層から採れたヒマラヤ水晶……」という説明は間違いであるといえる。 他の産地の水晶に比べて高額で取り引きされることが多いので、ヒマラヤ山脈の範囲外の水晶をイ「ヒマラヤ水晶」と名前を付けて売っていることもある。 たとえば、中国四川省産の水晶を「ヒマラヤ水晶としていることもあるが、実はかなり離れている。四川省とヒマラヤ山脈の位置関係はこちら 「ヒマラヤ水晶」の表示だけで安心せずに、突っ込んで産地を聞いてみましょう。 さらに、中国やブラジルの水晶を持ち込み、ネパール国内で加工して販売していることもあるらしい。ビーズなどは特に危険。 「ネパール」と「インド」の項をどうぞ 産地のくわしい情報はこちら |
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ペコス・ダイヤモンド Pecos Diamond |
アメリカ・ニューメキシコ州ロズウェルのペコス(ペーコス)川流域で採れる小粒でDTの赤水晶のこと。 キューブ状の珍しい結晶も見られる。 |
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マラバ・アメシスト Maraba Amethyst |
ブラジルの、アマゾン川下流にあるマラバ(地名)で採れるアメシストのこと。大きい結晶が多いが、錐面が磨かれているものも多い。 |
産地を冠して呼ぶ場合、多くはその産地の特徴ある水晶を指している。 たとえばハーキマーで採れるダイヤモンドのようにキラキラした水晶だから「ハーキマー・ダイヤモンド」。パライバ州で採れる、他には類を見ないネオンブルーのトルマリンだから「パライバ(トルマリン)」。 ただし、発見されたときはそうでも、後に似たような石が他の産地で見つかる場合も多い。 それを元の産地の名前で呼ぶと混乱の元であり、問題になることが多い。 産地が冠された名前の場合は、その産地のものだけをその名前で呼ぶべきで、それが難しいなら「〜タイプ」と区別して欲しい。 水晶は、本当はどこの産地でもそれなりに特徴があって、その産地オリジナルの石だが、産地名を冠して呼ぶのは、他に比べてさらに個性的である場合が多く、「そこだけで見つかる特別な(見かけの)石」というイメージが強いため、産地名が付いていると「これは珍しい」と思いこんでしまいがち。 ところが、最近はコリント水晶のように単に集積地の名前が付けられていたり、四川省産水晶がシチュアンクォーツと呼ばれていて名前だけで勝手に特別視してしまうことがあるので、注意。 |
●産地指定の石 ヒーラーなどが、「この石の産地はここだけ」「この産地のものだけが●●ストーン」と指定した石。 ただし、売られる場合はその産地情報が抜け落ちて、いい加減になっているものが多い ここで挙げたのは有名なもの。他にもいろいろな石が「産地指定」されているが、ショップで売られる場合は、そのあたりがいい加減になっていることもあるので注意。 |
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アゼツライト | 最初にノースカロライナで見つかり、その後バーモント、コロラド、アフリカ、ヒマラヤなど各地のアゼツライトが登場。 アメリカのヘブン&アース社が販売中。 そんなにたくさんあったらレアじゃないと思いますし、どうして各地の石がアゼツなのか説明していただきたい。 |
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アンダラクリスタル | シエラネバダの「ネリーランド」とインドネシア産があるとか。 シエラネバダ産は、下記地図のドナー・パスの近くで出るという情報あり。 |
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スーパーセブン | ヒーラーのA・メロディ氏命名。 ブラジルのエスピリト・サント州の特定の鉱山で出たもので、クリア・スモーキー・アメジストの3色が混じった水晶に、ルチル・ゲーサイト、レピドクロサイト、カコクセナイトの4つが内包されているとされている。 ただし、産地情報が抜け落ちて「インド産スーパーセブン」なども多い。 個人的にはお隣ミナスジェライスのものもあると思っている。 エスピリト・サントの鉱山は閉山したというが、どこかわからないのに閉山したと言われてもよくわからない。 |
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レムリアンシード |
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ロシアンレムリアン | ヒーラーのキャサリン・クラコリーチェ氏命名。 ロシアのウラル山脈の「ブルー・エンジェル」というところが産地とのことだが、くわしくは不明。 近くで見つかったというそっくり水晶でも「ロシアンレムリアンと呼んではいけないと強行に主張していた記憶がある。 そのためか、通しナンバーを表示したシールが貼られているらしい。 閉山したと言うが、未だにネットショップで見かける(やたらに高い) |
●個性ある産地 個性的な石の産地として良く耳にする名前 |
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●アーカンソー Arkansas ワシタ・クォーツ |
アメリカ、アーカンソー州。透明度が高い水晶の産地として有名。 「最も美しい水晶」と称されることもある。 つづりは「Arkansas」だが、読み方はアーカンソーとすることが、1881年の会議で決められたらしい。 ※初期の頃は透明な水晶が多く出回っていたが、最近では酸化鉄の皮膜で覆われたものや、白濁したものも見かける。アーカンソー産がすべて透明とは限らない(念のため) 州立公園になっているOuachita(ワシタ)湖の東西にわたって水晶の産地があり、約4億年前の古生代の海底の砂が固まった砂岩を母岩にした水晶が採掘される。水晶は、砂岩形成後に成長したものだが、水晶の成長も古生代の約3億年前と考えられているらしい。 ワシタ湖のにつながるワシタ山脈は、火山活動とは無縁の造山運動によって形成されたといわれ、このことは、アーカンソー水晶が、ペグマタイトではなく、熱水鉱床によって形成されたものであることを示していると思われる。 ワシタ産地からワシタ湖、ホットスプリング(市)にかけてはネイティブアメリカンの聖地、あるいは大地のパワーが強いパワー・ポイントとされていたことから、スピリチュアルな分野では、「ワシタ(Ouachita)」の名前を冠して特別視することもある。 |
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●カンゴーム Cairngorm (カーンゴーム) |
スコットランドのカンゴーム山脈産のスモーキー・クォーツのこと。 スモーキー・またはモリオンの別名として、産地に関わりなく使われていることもある。 |
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●コリント Corinto |
ブラジル・ミナスジェライス州にある都市。 水晶の集積地でもある。コリント近郊でも水晶は採れるが、周辺の地域で採れてコリントに運び込まれた水晶がまとめてコリント水晶、コリント産水晶と呼ばれることもある。 |
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●シャスタ山 マウント・シャスタ Mt.Shasta |
アメリカ、カリフォルニア州北部のカスケード山脈にある火山。標高4317m。北米先住部族の聖地の一つであり、「グレートスピリット(大いなる精霊)により、この世界に最初に作られた山」という伝承があるらしい。 |
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●セドナ Sedona |
セドナはグランドキャニオンの南部にある町で、ハワイ、バリ、ペルーのマチュピチュなどと並ぶパワースポットで、ニューエイジのメッカと言われているらしい。 「地球の内部を渦状に走る地磁気(?)」である「ヴォルテックス」が地上に噴出する聖地としてられており、多くのヒーラーや占星術師、チャネリスト、コンタクティーなど、「スピリチュアルな人々」が移住する、アメリカきってのヒーリング・スポットとして有名。 また、セドナから同じくアリゾナ州フェニックスにかけての約200キロのエリアはアメリカ有数のUFO目撃多発地帯として知られている。 セドナはその神秘的な風景によって聖地と言われているが、もともとは、西部劇によって有名になった観光地であり、ネイティブ・アメリカンの伝承があるシャスタ山などの方が聖地と言うにふさわしいとする説もある。 |
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●ダルネゴルスク Dalnegorsk |
ロシア沿海州にある鉱山地帯。赤い水晶やヘデンベルガイト入りの緑水晶など、色や形が非常に個性的な水晶を産出する。 ヘデンベルガイト入り水晶 まるでアスパラガス |
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●ディアマンティーナ Diamantina |
ブラジルのミナスジェライス州にある地域。ライトニングクォーツなどの水晶やさまざまな宝石を産出する。 |
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●ブランドバーグ Brandbearg |
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●ベラクルス Vera Cruz ベラクルス・アメシスト |
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「鉱山が閉山してもう採れない」……について 「この石の採れる鉱山は、もう閉山してしまった」 「もう採れないので、これからは出回らなくなり、どんどん高くなる。(買うなら今のうち……)」 ……という話が、時々あります。 それがきれいな石だったり好きな石だったりすると、 「それは大変だ、今のうち」 と思ってしまうんですが、ちょっと待った。 いちおう、冷静に判断しましょう。 その石は、本当にその鉱山だけでしか採れない石でしょうか。 たとえばベニトアイトは、アメリカ、カリフォルニア州、サン・ベニトの一つの鉱山でのみ採れていたもので、その鉱山はもう閉山してしまいました。このような状態ならば今後の産出は望めず、値段は下がらないかもしれないと予想されます。 (※ベニトアイトはサン・ベニトの一つの鉱山だけ……厳密に言えば、ベニトアイトという鉱物ならばアーカンソーなどでも採れるようです。ただ、小さくて大きな結晶にはならない様子。正しくは宝石としてカットできる大きく綺麗なベニトアイトの産地は「ここだけ」です) たとえば、2005年くらいから大量に出回ったインディゴライト(青トルマリン)入り水晶(注:青ルチルと呼んではいけない)も、2008年あたりで「鉱山が閉鎖した、もう採れない」という噂が流れました。 たしかにその後、ミネラルショーで見かける機会が減りました。 しかし。 私の身の回りでは、 「あんなに出回ったんだから慌てなくても」 (→出回った分が今後も市場でうろうろしていて、一気になくなることはないだろう) 「ペグマタイトだしね〜、しかもブラジル」 (→状況からして、一カ所の鉱山から出ていたとは考えにくい。 仮に今の鉱山で掘りつくされたとしても、巨大な産地ブラジルでは、今後近くで同じような石が出る可能性大) ……ということで、「それは大変、今のうち」と慌てる動きはほとんど見られませんでした。 実際、また最近インディゴライト入り水晶を見かける機会は増えています。 ただし、初期の産出のように水晶全体が綺麗に青く見えるタイプは少ないようで、待つか、機会を捉えて買うかの判断は微妙です。 このほかにも「ガウリシャンカール(ネパールのヒマラヤ水晶の産地の一つ)の鉱山が閉まった、もう入ってこない」といった店があったかと思うと、別の店では何も言ってなくて順調に入荷していたりする例もあります。 つまり、その店が取引していた鉱山は閉まってしまい、入荷ルートが絶たれたかもしれないけど、複数鉱山から産出していたら「もう産出しない」事態にはならないわけです。 ストロベリー・クォーツも閉山の噂がありますが、そこにロシアの名前がちらつくと、ストロベリー・クォーツの産地はカザフスタンでロシアとは反対側の立地なので、どういう情報なのか疑問です。 閉山……と聞いてからむしろ原石を見かける機会が増えましたし。 また、アホーアイト入り水晶のように産出がなくなった後、再び産出し始める場合もあります。 この場合は「その石」を掘っていたのか、副産物だったのかによっても違います。 その石を掘っていたのだったら、掘りつくされた→そのために閉山ですから、もう出ない。 副産物だったら主力鉱物が出なくなった、あるいは掘っても採算が取れなくなっただけで石そのものはまだある可能性あり。 この場合は、副産物掘りに変更したとか、商業採掘はされてなくてもコレクターが個人で掘っていて流通している場合もあります。(国産の乙女鉱山の水晶などがいい例です) タンザナイトも、検索するとタンザニアのマルラニ鉱山でしか採れない、そこで事故があった、鉱山閉鎖中……という情報が出てきますが、さらに調べると、鉱山再開とか、マルラニは一つの鉱山ではなく「マルラニ地区」で、そこを4つのブロックにわけて別々の企業や個人に採掘させるなど、国が管理しているそうです。(参考・在タンザニア日本大使館ホームページ) 確かに産地は限られていて、事故が多いのも事実。「事故・閉山中」の情報が出た時点では間違いではないけれど、どの時点の情報か気を付けないと、「もう出ない、さあ大変」と、無駄に慌てることにもなりかねません。 そのほか、在庫が出てきた、コレクターのコレクションが処分されて出回った……などのケースもあるので、情報収集、マメな探索はかかせません。 ニューエイジ系のヒーラー命名石になると、事態はいっそう複雑奇怪で、いったい産地がどこだが明かしもせずに「閉山」と言われても確かめようがありません。 中には「閉山した●●鉱山の××石」とかいいながら、その鉱山は命名者のヒーラーが関わっていたところで、そのヒーラーの意向で閉められた……というのもあります。(なぜ?) スーパーセブンなどもエスピリト・サントの鉱山が水没した……といいますが、果たして産地がそこだけなのか、疑わしい一面もあります。 私が思っているように、ディアマンティーナのものもスーパーセブンだとするなら、産地はまだ稼働中です。 逆に「閉山だ、もう採れない」という情報は聞かなかったけれど見かけなくなった石もあります。 下手に焦らずに、様子を見つつ冷静に判断しましょう。 |
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