PHOTO > ホワイトバランス > 影 > 光を補う > フォーカスロック > ピント合わせ > 背景を選ぶ |
---|
石写真の「もっと」「もうちょっと」 私は、変なことに石写真を「スーパーマクロ」から始めました。石全体ではなくて石の石部分、石の内部を撮ることにはまったのです。 こんなケースは多くはないでしょうから、たいていは「石全体をきれいに撮る」がスタート地点だろうと思います。 きらきらした水晶はきらきらと。アメジストは紫に。 ところがそうやって写真を撮っていると、「もっときれいに撮りたい」と思い始めます。 そこで「バックを黒くしてシンプルに」「光の当て方なんかも工夫しようかな」とやり始め、「もっと、」「もうちょっと」と思い始める方もいらっしゃるはず。 私もそうです。 これまでに「石がきれいに見える角度」「石がきれいに見える光の当て方」と言ってきましたが、迫力ある石写真を写そうとすると、デジカメを石に近づけて、アップで迫る場面が出てきます。 対象の石が、小さかったりすると、それは立派にマクロ写真。 そこではまる第2の罠……それが、ピント。 マクロ写真におけるピントは罠でもあり、うまく使えば思わぬ効果を生み出します。 原石は立体だ 言うまでもなく、原石は立体です。 ブレスレットなどより断然ごつごつでこぼこしています。 ブレスレットのところでデジカメが石に近づくほど、ピントが合う範囲は狭くなると言いましたが、原石をマクロ撮影しようとすると、このでこぼこが立ちはだかります。 つまり、原石をマクロ撮影すると、ピントはほとんど「ピンポイント」でしか合わず、残りはピンぼける。 ちょっとの差で石写真の見え方が変わってきます。 |
ちょっと極端な例ですが、5ミリほどの超ミニな石をデジカメ+マクロコンバージョンレンズ(別売りのマクロ撮影用レンズ)でスーパーマクロ撮影しました。 このように拡大率をあげると、ピントは画面の真ん中のわずかなところしか合っていません(水色の楕円のさらに中心部分)。 ふつうのマクロ写真ではここまで厳しくないと思いますが、画面の中心付近しかピントが合わないと言うことは覚えておきましょう。 |
幅3センチちょっとのジオードです。ジオードと言うからには中がくぼんでいます。デジカメはこの「奥行き」が苦手。 さらに小さい石を大きく写すマクロ撮影では、ピントが合う範囲が狭いのでさらに苦手。 右写真と矢印のあたりを比べてみてください。 |
どちらの写真も一番手前はピンぼけしていますが、矢印のあたりはこちら(右)の写真の方がピントが合っています。画面真ん中や一番目立つ(目立たせたい)部分はピントを合わせないと、写真全体がぼやけて見えます。 実際はほんのちょっとの差なんですが…… |
微妙なピントをどうするか ほんのちょっとのことなんですが、印象が違うんですよねえ……。 これを防ぐにはどうするか。 一番簡単なのは、 ●ちょっと遠目から写す です。 がんばって小さい石を画面いっぱいに写そうとするからマクロ写真になってピント問題が発生するのですから、逆に言えばがんばらずに石をちょっと小さめに……画面いっぱいじゃない程度に写せば、全体がきれいに写ります。 画像処理ソフトでトリミング(画面のいらない部分を切り落とすこと)し、拡大すれば、見た目画面いっぱいの石になります。 ショップ写真ではその方がいいかもしれません。 だけど、石を「もっと」写したい。そのためにマクロ撮影となり、ピントの問題が発生しているのですから、「じゃあちょっと遠目から」では、残念です。 あえてマクロ写真でチャレンジ。 ここでマスターしておきたいポイントがあります。 いきなり、原石だ! マクロで撮るぞ! ではちょっとしんどいかも。 まず。 ●ピントをきっちり合わせられること ●カメラのサインだけではなく、自分でデジカメのモニターで「見て確認」できること 最初のは難しくありません。シャッターボタンを半押しにしてカメラがピントがあったサインを出してくる、それがわかるということ。2番目はちょっと難しいです。カメラはピンとが合ったとサインを出しているけれど、自分でモニターを見てそれが確認できるかどうか。 これは、限られた範囲でしかピントが合わないマクロ撮影で、自分が望む場所にピントが合っているかを目で見て確認したり、フォーカスロックでピントを固定したままカメラを移動させた後、自分で微調整する必要があるからです。 自分で微調整するには、カメラを微妙に前後に動かします。このときもシャッターボタンは半押しのまま。シャッターボタンから手を離すとフォーカスロックが解除されてしまうので 徐々にステップアップ ピントは合わせられる。微調整もなんとかできるでしょう。では、マクロ撮影にチャレンジ。 もちろん、ホワイトバランスや光の当て方も忘れないでくださいね。マクロ撮影では画面が暗くなりがちなので、「明るさ」は十分確保したいところ。 そして次に ●数を撮ってマクロ撮影に慣れよう フィルムカメラと違って、デジカメの強みはたくさん撮れること。どんどんとってパソコンなどで写真を大きくしてみて、ピンぼけかどうか、合わせたい部分にピントが合っているかをチェック。 最初はピンぼけ写真の山を築くくらいのつもりで、とにかく撮って慣れる&自分なりの工夫をしてみましょう。 石を見る目もステップアップ さあ、デジカメのマクロ写真、ピントの合わせにくさ、ピントが合う範囲の狭さ、狭い範囲でピントを合わせることに何とか慣れてきましたか? 次なるステップはデジカメテクニックじゃなくて人間側のステップアップ。 さんざん、マクロ写真ではピントが合う範囲が狭い。そのほかのところはぼけると言ってきましたが、これはうまく使うと石を迫力たっぷりに写せます。 ピント合っているところ、ピンぼけしている所があることで、スケール感が出るんですね〜実は。 |
手前みそですみませんが、いかがでしょ。左のパイライトは大きさ1センチちょっと。右側は指より一回りくらい太いだけの小さい石たちです。 でも、言われなければもっと大きい石に見えませんか? 「小さい石」とわかるように写した写真より、迫力出ませんか? これはある部分にはピントが合っていて、周りの部分がピンぼけしているから。ちょうと、近くははっきり見えても遠くはかすんでいる風景のような感じに見えるからです。 こんな風に撮れるなら、それを利用しない手はない。 このピント−ピンぼけをうまく利用するために必要なカメラの機能はフォーカスロック&平行移動。 それよりも人間側のステップアップが必要です。 つまり…… ●どの角度で見ると一番石がかっこよく見えるか考える ●カメラを通して一番かっこよく見えるよう微調整に時間をかける。 どんな石でも同じ角度から撮ればいいと言うものではありません。あるものはちょっと見上げ気味に、あるものはちょっと見下ろす感じで。(上の水晶の写真はちょっと見下ろす角度で撮ってます) 石を動かすだけでなくカメラ(と人間)の方もいろいろ動いてみるのもありなのです。 なんだか面倒くさい……と思いますか? 確かに面倒です。しかし、石写真で「もっと」と考えるなら「もっと」の分の手間をかけなければなりません。 手抜きするなら、まずは手間をかけてみてその効果、その方法に慣れてから。 とにかくたくさん撮っていると、石の角度を決めるのも早くなるし、ホワイトバランスの調整や反射光やピント合わせも意外に面倒ではなくなります。 ホントです。 |
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||