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PHOTO TALK(3)
虹をつかまえる





石の中の色彩

虹は虹でも水晶の中に出る虹のお話です。
石好きの例に漏れず増え続ける石の中には、きれいに虹の出る石もあるのですが、不思議なことに「虹」を理由に買った石は数えるほどしかありません。
その理由は簡単、お店できれいにライトアップしたり自分でライトアップしちゃったりすると、あんがいと虹が見えないものなのです。
だから、家に帰って蛍光灯の光で見てはじめて、
「あら、きれいな虹。ラッキー♪」
なんてことが多かったりします。おかげで、このごろは店頭で「このクラックなら虹がきれいに出るハズ」という見極めがつくようになってきた……みたい。


手の中にあるのに届かないもの

見てきれいな石の虹は、写真に撮ってもきれい。
ただし、うまく写真に写れば……ですが。見えているはずなのに、なぜか写らないから困ったものです。光の反射の具合で見えるものだから、ほんのわずかの角度の違いで、虹が出ているはずのところが白く反射して写ってしまいます。
もうひとつ、虹は石の内部に出るものなので、「石の表面」にピントを合わせるか、虹が出ているあたりの「石の内部」にピントを合わせるかで見え方が違ってきます。
虹にビシッとピントを合わせるとものすごくきれいなのですが、「石の中の虹」だとわからなくなってしまうことも……。


虹を捕まえる方法

とはいえ、このきれいな虹を写真に撮りたいと、いろいろ工夫し、考えてみました。
その結果、編み出した(←大げさ)石の虹の撮り方は……

(1)虹の見える「石のベストポイント」を探す。
(2)虹を見るための「自分のベストポイント」を探す。
(3)自分のベストポイントを崩さないようにしながら、石と視線の線上にデジカメを持ってくる。
(4)オートフォーカスの後、自分でカメラを微妙に前後させる「手動フォーカス」で虹にピントを合わせるのか、石の輪郭も残すのかのバランスを決定する。
(5)手ぶれに注意しながらシャッターを切る

……という感じでしょうか。この成果が上の写真です。


捕まえた虹たち

1はヒマラヤ水晶の丸玉に出た虹。
 この丸玉は、珍しく虹を決め手に選んだもの。非常にはっきりとした虹が出る石で、これほどたやすく虹が撮れる石はほかにありません。

2はガネーシュヒマールのヒマラヤ水晶のポイントに出た虹。
 こんなに大きくはっきり虹が出るのに、店頭で石を選んでいるときには全く気が付きませんでした。

3もヒマラヤ水晶。
 これは派手なクラックを見て、コレなら虹が出るはず、と選んだ石。読みは大当たり!
 しかし、なかなか虹が写しにくい困ったちゃんです。

4は産地不明のスモーキー・ルチル。
 小さな小さな虹なので、石全体を写すことは難しいのですが、こんなアップも不思議な感じがしてきれい。

5は中国産のエレスチャルに出た虹。
 これも「虹だ、ラッキー♪」のクチ。

そして写真をもう一枚!




独り占めの贅沢

このきらびやかな色彩は、すべて右下のスモーキー・カテドラルの虹です。
この石は、はじめ内部の虹に夢中になるあまり、虹がきれいに撮れたあとで、けっこう厚みがあるのに向こう側の指が見えるくらい透明度があるのだと改めて気が付きました。
空の虹を独り占めするのは無理だけれど、こんな虹を独り占めできるのならいいかも


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