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意味を与える名前
カテドラル・ライブラリー



客観的用語、主観的用語

水晶の形態を現す用語(?)にはいろいろあります。
専門的なところでは、「双晶」とか「平行連晶」など。でも、石好きさんのあいだでは、「イシス」とか「ダウ」とか「グランディング」とか「セプター」「カクタス」「エレスチャル」などのクリスタル用語(?)の方が一般的かもしれないですね。
これらの用語に付随する意味に重きを置くかどうかは人それぞれですが、石を説明するには有用です。
「表面に微細結晶が付いて、ザラザラした状態」と説明するところが、「表面がドゥルージー」で済んでしまうのですから。

石の用語も、石の形を表現するもの、内包物を表現するもの、パワーを表現するものなど、いろいろと分類できるのですが、その分け方のひとつに
「客観的な用語」「主観的な用語」があると思います。
これは、私が半ば強引に分けてしまったものですが、たとえば、ファセット(錐面)に五角形の面があるから「イシス」、七角形の隣に三角形、以下同様に7・3・7・3と続くのが「ダウ」、落雷の痕跡が残っているから「ライトニングクォーツ」……のように、名称の条件が決まっていて、それに当てはまるものに冠される名前は、誰が見ても「なるほど、『イシス』だ」と納得できる「客観的な名前」といえます。

では、「主観的な名前」には何があるかと言いますと、緑泥が石の中に景色を作る「ガーデンクォーツ」や,形状的に明確な定義はなく、クラックやインクルージョンの様子が何となくデーヴァ(精霊)のように、あるいはそれが宿るように見えるという、「デヴィックテンプル」
これらは、良く言えば「見る人しだい」ですから、主観的な名前と言うことができます。
身も蓋もなく言えば、「残り物に何とか名前を」(ごめんなさい)。

名前を与えられた石

さて、前置きがものすごく長くなってしまいました。
今頃ですが、本題です。
今回の話題は、この主観的用語に分類される(と思う)ものでありながら、その形ゆえに「名前を付けずにはいられない石(水晶)」。
ガーデンやデヴィックが「石に意味を見いだして名前を付ける」ものであるのに対し、名前を付けたがゆえに、新たな意味を持つようになった石。

カテドラルクォーツです。

正式(?)には、カテドラル・ライブラリーと言うのでしょうか?
カトリーナ・ラファエルというクリスタルヒーラーが名付けたそうですが、このネーミングには、「座布団3枚!」という感じです。
複雑に入り組んだ異形の形は、「大聖堂(カテドラル)」という名前を得たとたんに、まるで大聖堂そのもののようなイメージを放ち始めます。
いくつものポイントは尖塔に、数え切れないほどの面は聖堂の窓に、内部の虹はステンドグラスに……形だけの見立てではなく、「大聖堂」という言葉そのままに、何か精神的なものを、重ねられてきた英知とでもいうべきものを、内部に秘めているのではないか……という想像すらかき立てます。
こう言って良ければ、石の姿に「大聖堂」を見て名付けたものが、名付けられたことで「大聖堂」に付随するイメージすら持つようになったのだ……と言うことなのかもしれません。

大聖堂の個人的条件

この「カテドラル」、(私にとっては)残念なことに、これもカテドラル? と言いたいようなものがその名前で(しかもけっこう高く)売られていたり、これはカテドラル? エレスチャル? と迷ってしまったりと、いろいろですが(カテドラルでエレスチャルな石もありなんでしょうね)、個人的意見としては、

(1)何と言っても「大聖堂」(少なくとも建物っぽく)見える
(2)ある程度の大きさがある(高さ、太さ共に)


という2点を満たして欲しいと思うのですが……。

それを満たしていると思うのが写真の石です。すべてブラジル産です。
左側は、左下の小さな写真を見てもらうとわかるように、シトリンの上にスモーキーが被さったセプター水晶ですが、見る方向によってはみごとに大聖堂!
右上は、全体がスモーキー。個人的にはカテドラルのスタンダードと言いたい形です。
内部には縦に幅広のクラックが入っており、華麗な虹が出ます。
左下は、私がイメージするカテドラルとしては最小で、長さは約8cm。
「大」とはちょっと言えない「聖堂」ですが、写真正面に見える「入り口」から光を入れると、(写真右下のポイントです。屋根のある入り口に見えませんか?)中央部にすばらしい虹が出る技ありです。
小さい石でも、複雑な面を持つ形だと「カテドラル」として売られていますが、やはり、ある程度の大きさがないとちょっと役者不足かも……という気がしてなりません。

私は多くの「クリスタル用語」を、説明のための「記号」として用いてしまいますが、「カテドラル」は、その枠を超えてイメージを支配する、「力ある名前」なのかもしれません。

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