水晶の色について考える(説明) : 黄色水晶と紫水晶  煙水晶と黒水晶  紅水晶  緑水晶  青水晶  赤水晶
 写真: 黄水晶 1  紫水晶    煙水晶   黒水晶   紅水晶   緑水晶   青水晶   赤水晶
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モリオン

モリオンなのか、スモーキーなのか、お店によって定義がまちまちですが、
「モリオンは天然の放射線によって結晶構造がくずれているもの」→つや消しで太陽光程度では不透明黒
……という自己基準でこれはモリオンでは? と判断した石をご紹介します。


■ブラジル産
つや消しで、土っぽくて、お世辞にもきれいとは言えない石。かなり剥離痕が多くてわかりにくいが、柱面の短い結晶の形をしている。
■ブラジル産
左のような原石を丸玉加工したもの。磨いてもやっぱり渋いです。
■ブラジル産
比較的最近見かけるようになった長柱状モリオン。今までもモリオンのイメージよりはツヤがあるが、根本から先端まで迫力の不透明黒。
     
ブラジル・アラサイ産
モリオンの上に一層透明な層が結晶しているかんじ。形は立派なカテドラル。
  
 
     
■ロシア産
写真でもわかるように、先端部はわずかに透けますが、本体は不透明。おまけに錐面がきずだらけ。何かが付着していたようでもなく、ひび割れたわけでもないようですが……。
■ウラル産
これはラベルでは「スモーキー」となっているが、表面にツヤはなく不透明。少なくとも限りなくモリオンに近いと思う……。
■カザフスタン産
見た人が「炭?」と首をかしげる迫力の黒。底部の一部分と、脇に付いている小さい方のポイントの先端が琥珀色に透けますが、あとはまっ黒。表面も機関車っぽいつや消しです。
この石についてはこちらもどうぞ。
     
●フィンランド産
表面に鉄さびがくっついたワイルドな姿。
 
●フィンランド産
こちらは表面にトルマリンらしき針状結晶がくっついている
 
     
■ポーランド産
ツヤあり黒。どうやら表面を透明な層が覆っているらしく、先端はファントム状になっている。
ルーマニア産
「まつぼっくり」とでも言いたいユニークな形。
このタイプはスモーキーが多いが、これは不透明黒のモリオン。
 
   
■日本産
有名な岐阜県蛭川村(現中津川市)の黒水晶。スモーキーも産出するが、これは不透明黒、先端のみファントムになっている。
■日本産
同じく蛭川産。これも部分的に透明な層が覆っていて、艶あり艶なしの部分が入り交じっている。
日本
これも岐阜県蛭川産。モリオンの上に透明な層が被さっている。
我が家の最大黒水晶。
   
●岐阜県産
左のパキスタン産と間違えそうでこわい。

ちなみに、ドフィーネ式双晶です。
●岐阜県産
国産のモリオン、しかもクラスター。
掘り出したばかりの風情がまたよし。
 
 
●パキスタン産
5センチほどで細身なのに、強い光にも透けない真っ黒さ。
■パキスタン産
モリオンの上に半透明の層が被さっている。おまけにインディコライト(青トルマリン)もついている。
欲しいのはモリオンで、インディコライトで高くなるのは困る!……と罰当たりなことを言ってしまった石。
■パキスタン産
モリオンにひかれるようになった初期から欲しいと思っていた、ギルギットのモリオン。予想以上にカテドラルなモリオンがやってきたので満足♪
……箱の中で割れました(涙)
   
■アフガニスタン産
同じ時に同じ箱から買ったのはスモーキー……ということは、この石も濃いスモーキーと言うことになるのだと思うが、ややつや消し気味、太陽光程度では透けない濃さ……ということでモリオン。
●アーカンソー産
アーカンソーで黒というと、放射線照射されたものが思い浮かぶが、これは天然。
アナターゼ付き。
 
■ネパール産
ガウリシャンカールのスモーキーの中でひときわ黒かった石。
逆光では先端などが透けるが、つや消しで、かなりモリオンっぽくみえる。
■ネパール産
ネパールでワイルドなスモーキーを産出するガウリシャンカール産。
小さい結晶なので、さすがに先端や根本は透けますが、真ん中あたりは不透明。
■中国・山東省産
鑑別で「モリオン」の結果が出た石の兄弟石(らしい)。(スモーキーの色味のものが多く、その中で一部にモリオンという結果が出た。この石は、残りの石の中でも色の濃いものとのこと)
残念ながら濃いスモーキーと言った方がいいかもしれない。
●中国産
中国のどこかは不明。チベット、山東省、内モンゴル……いろいろ産地を聞くので
●中国・山東省産
7センチほどの手頃な大きさ、黒さ、適度なつや、単結晶ではなくて2つくっついたクラスター。 いいじゃない?
●中国・山東省産
強力な光を当てると透けるけど、見た目真っ黒不透明。
●中国産(たぶん)
黒水晶で勾玉。なぜか先端だけスモーキー。


別の理由で黒い水晶

黒水晶の中には、スモーキー・クォーツのメカニズムとは
別の理由で黒くなっている水晶があります。


■イタリア産
真っ白な大理石の中にまっ黒で両錐の黒水晶が埋まっています。この手のモリオンは不思議なことにほとんどが両錐で小ぶり。クラスターになっているものは見たことがありません。
この真っ白な母岩は天然の放射能レベルが低く、他の産地の黒水晶のように放射能による発色はあまり気体できないそうです。有機物の混入によって黒いのではないかとする説もあるようですが、残念ながらわかっていません。
■ネパール産
これは内包物による黒。
ヒマラヤ水晶に良く見られる緑泥石のインクルージョンです。
鉄分が多く含まれる緑泥石は、黒くなるのだそうです。
■中国産
タールと思われる内包物がぎっしり入っているためにまっ黒に見える水晶
■ネパール産
黒クローライト入りの先細り結晶が縦横無尽に絡み合ったクラスター。表面にさらに灰緑色の付着があり、一見黒には見えない
■ネパール産
黒いクローライト入り先細り結晶のクラスター。一部、透明な部分もあり、黒い色が内包物入りであることがわかる。
■ネパール産
ベースが透明な水晶に、黒……というより濃いグレーのクローライトとおぼしきものが内包されていて、黒く見える。
■中国産
タールもしくはグラファイト入り。内包物の量が多くてほぼ黒く見える
●(たぶん)ブラジル産
断面を見ると、水晶自体は黒くなく、何か黒いものの上に水晶が結晶しているようす。


人工モリオン
クリアな水晶に放射線を当てて、人工的に黒くした水晶。
根本の不自然な白さ、つやつやな感じなどで見分けられる。
見分けられなければ、まず、店の人に聞く。
アーカンソー産の黒水晶は避けた方が無難。

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