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フッ化カルシウムのマジック
ブログの舞台裏 実は私はブログもやっていて、このサイトはそのアーカイブ版のような位置づけになっています。 そのブログにて「フッ化カルシウムの結晶」というお題をいただきました。 ここで、舞台裏を想像してニヤリとなさった皆様、おさすがでごさいます。 「KUROさんてば、いろんなこと知ってるのね〜!」と思って下さった皆様、ありがとうございます。恐縮です。 ……でも、だまされてはいけません。 自他共に認める穴あき知識の持ち主の私のこと、「フッ化カルシウムの結晶」と言われて、 さっと浮かんでくるはずがありません。 お題をいただいたとたん、目は点。あわてて検索しました。 しかも化学式なんか出てくるわけないので「フッ化カルシウムの結晶」と打ち込んでの検索です。 そうしたら……いや、資料というのはたくさんあるものです。ちゃんと「フッ化カルシウムの結晶とは蛍石のことである」と、明記して下さっているサイトがありました。 これで安心。涼しい顔をしてはじめることができます。 改めて……お題はフローライト(蛍石)です。 美しきフローライト フローライトといえば、石好きさんのあいだでは、水晶とならんで人気のある石ではないでしょうか。 硬度は4と低いですが、その結晶や色彩の豊富さ、美しさはフローライトを専門にコレクションする人がいるのも頷けます。 ちなみに、フローライトという名前は、ラテン語のfluere(流れるの意)に由来しているそうです。 なぜ「流れる」かというと、製鉄の際にフローライトを加えると融点が低くなり、鉄鉱石を溶かしやすくなるからです。 それに対し、日本名の「蛍石」は、加熱すると蛍のように輝くことに由来します。ついつい「フローライト」を使ってしまいますが、語源を考えると日本名の「蛍石」の方がロマンチックですよねえ……。 私にとって、フローライトは、水晶が「変な石」を基準に選んでしまうのに対し、純粋に「きれい!」で選んでしまう石です。 色の豊富さは水晶と1,2を争うと言われますが、豊富さではなく華やかさ、鮮やかさと言うならば、だんぜんフローライトの方が上。紫、緑、青、ピンク、黄色……見たことはありませんがオレンジや茶色、黒なんてのもあるそうです! また、水晶が六方晶系に属し、六角柱状が基本の形なのに対し、フローライトは等軸晶系(立方晶系)。 つまりサイコロみたいな形が基本なので、結晶もサイコロを積み重ねたり組合わせたような形になることが多いようです。 この結晶の形は、拡大するとまるで精緻な建造物のようで意外にクール。そのくせ、鉱物とは思えないみずみずしい色合いとのアップがなんとも写真心をくすぐるのです。 写真のフローライトは 水晶ほど世界制覇(笑)は進んでいないのですが、写真に我が家のフローライトを集めてみました。 「きれい!」で買ってしまうので、産地不明なのも多いです。 また、フローライトの産地は多いのですが、産地が多いということは、逆に奥が深いということでもあります。 フローライトの豊富な色彩は混入している希土類元素の違いが原因の1つであると考えられており、そのために産地によって色や形が微妙に異なるのです。 私も、フローライトの結晶を見て、産地をぴたりと当てることはできません。 まあ、ピンクのフローライトならば、スイスかフランスと見ていいでしょうし、黄色ならばフランスかモロッコ……というところでしょうか。あと、紫と緑が特徴的に入り交じったものならナミビア、太陽光でも蛍光する強蛍光性をもつなら、イギリス……というように、際だった特徴がないと、とてもとても。 ただひたすら「うはぁ……きれい……(うっとり)」と見とれるだけです。 さて、ちょっと位置がずれてしまいましたが、写真のフローライトについてです。 上段左は産地不明。おそらくメキシコ産と思われるフローライトです。 ちょっと磨りガラスっぽいですがほぼ透明で、結晶の形がちょっと変わっています。 その隣、上段真ん中と右はメキシコ産の同じフローライトです。 サイコロ型の結晶の積み重なりがよくわかります。 実物は、半透明に表面だけが紫色のデリケートな色彩。 あてる光によってかわいらしくもクールにも撮れてしまうところが魅力です。 中段左も産地不明。色合いからおそらく中国ではないかと思っています。 カルサイトらしき結晶がくっついています。 これも基本はサイコロ型なのですが、なぜか全体的なシルエットはまんじゅう型。 不思議です。 中段真ん中は中国産。中国産では比較的よく見かけるアップルグリーンです。 でも、この色、透明感、みずみずしさ! これだけきれいだと「変な石」なんて言っていられません(笑) 中段右はナミビア産です。実は下段右もナミビア産なのですが、中段のはグリーンがきれいに出ています。 下段右の方がナミビア産としてはスタンダードな色合いではないかと思います。 下段左がモロッコ産のイエロー・フローライトです。小さい水晶がくっついてます。 サイコロの角を割り取ったような形ですが、表面をよく見ていただくと、 不思議な幾何学模様が見えます。 これはこの形がやはり小さなサイコロ型の集まりであることを教えてくれます。 下段真ん中はイギリス産の強蛍光性フローライト。 結晶の角のあたりが青くなっているのが見えるかと思いますが、これが太陽光で蛍光している部分です。 フローライトは、紫外線で蛍光すると言いますが、蛍光するのは実は一部のフローライトだけです。「蛍光しないから偽物!?」なんて早まらないようにしましょう(笑) スイス・フランス産のピンク……あこがれていますが、未だ手元にはありません。 写真は、原石ばかりですが、フローライトについては丸玉も八面体も持っています。 みなさんご存じかと思いますが、ピラミッドを用下にくっつけたような八面体のフローライトは、劈開(その結晶特有の割れやすい方向)を利用して割って作ったものです。 しかし、天然でこの八面体をした結晶もあるんですよねえ……。 フッ化カルシウムのマジック・2へ |
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