ターコイズ1 ・  ・ 
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ターコイズについて調べてみた
ブルースカイ、サマー・レイン(1)



ターコイズ・ウェーブ

突然、ある石が無性に気になることがあります。気になって気になってしかたがなくてしばらく石屋さんをうろうろしていると、それで満足してしまったり、ガマンしきれなくて買ってしまったり。
たいていはずっと気になり続けることは少なくて、そのうち忘れてしまうのですが、何かの拍子に再び気になり出すこともあります。
まるで波のように高まったり静まったりする
「石の波」……私の場合、最大の大波はヒマラヤ水晶ですが、そのほかにもいろいろ小波が打ち寄せます(笑)。
ひとつが過ぎれば次の波、ときにはいくつか同時にやってきて、常にちゃぽちゃぽゆさぶられているのが石好き心なのかもしれません。

そんななかで、
「ターコイズ波」は、たいへん再発性の高い波であるといえるでしょう。
ターコイズ波が始まるきっかけは、はっきりしています。
私は以前、文章書きのはしくれのようなことをしていたので、「言葉に惚れ込む」という一面があり、そのため、インディアン(ネイティブアメリカン)の言葉を集めた本を読むと、素朴であるがゆえに強くまっすぐな彼らの言葉にほれぼれし、ついでに石好き心もゆさぶられて「ターコイズ……」となっちゃうのです。
今回は、すてきなターコイズを用いたグリッドの写真を見せていただいて、

「あ、きれいなターコイズ」
  ↓
(文章書き心発動)
  ↓
「インディアンの言葉」の本を手に取る
  ↓
(石好き心活性化)
  ↓
「ターコイズいいかも」


……というちょっと回り道な経路をたどっています。


ターコイズという石

しかし、ターコイズの波はここから他の石とはちょっと違ってきます。
というのもターコイズという石、皆様よくご存じのように、原石で見るよりもはるかにアクセサリーとしてみる機会が多いです。
私の場合、石屋さんに行くには電車に乗らなくてはならないのに対して、シルバーアクセサリーの店は徒歩圏内にあるので、気になれば欲しくなる、懲りない石好きとしては(サイフの)危険度が高いのですが、アクセサリーということになると、そのデザインなども大きな要素になってきます。
シルバー・アクセサリー、インディアンジュエリーの系統は好きとはいえ、それでもこれぞというものにはなかなか出会えません。「お」と思えば予算外。シルバーアクセの値段のおかげで、気になるたびに散財する危機から免れています。

もしかして
「え、トルコ石を使ったアクセサリーって、そんなに高かったっけ」
……と思われるかもしれません。
まあ、私の「予算」が元々少ないというのもありますが(笑)、確かにトルコ石アクセの値段はピンキリです。
そして、ここにアクセサリーとして広く用いられるターコイズという石の落とし穴があります。

まず、ターコイズ(トルコ石)がどんな石かというと、
トルコと名がついていますが、トルコでは産出しません。
もともとはイランで採れたものがトルコ経由でヨーロッパに伝えられたため「トルコ石」の名前があります。
その歴史は古く、古代メソポタミア時代からビーズなどの宝飾品として愛用されてきたそうです。
世界でも産出するところは多く、アメリカ南西部、(アリゾナ、ネバダなど)、メキシコ、エジプト、ブラジル、中国、オーストラリアが主な産地です。
また、産地によって色や網目状の黒い線や母岩の混じり方に特徴があり、アメリカなどでは、「キングマン」「スリーピングビューティー」など、鉱山の名前で呼ばれることもあります。
(写真の石がちょうどスリーピングビューティーとキングマンです)

鉱物学的に見ると、ターコイズは銅、アルミニウム、リン、などが結合した石で、瑪瑙などと同じように小さな結晶があつまってできた潜結質の石です。
つまり、目に見えない小さな穴が無数にある石なのです。
そのため、汚れや汗、薬品に弱く、変色したり、長年の間にひび割れる危険もあるそうです。

しかし、ターコイズは、ネイティブアメリカンが空の神の化身として愛したほどの魅力ある色の石です。
このすばらしい色を損なうことなく安全に身につけたい……ということで、樹脂を染みこませるなどの処理を行われている石が多くあります。
ついでに、丈夫にする以上の手を加えたり、ターコイズ以外のもので代用しているものも多いです。


お化粧から変身へ

どのようなものがあるのか、ざざっと列記してみます。
(いくつかの資料をまとめたので、資料によっては違いがあるかもしれません)

(1) ナチュラル・ターコイズ 磨いただけで手を加えていないもの。汚れ・薬品に弱い。
もろいのでビーズなどには向かない。
(2) エンハンス・ターコイズ 硬さなどは優れているのに、色がいまいちな石に電気的化学処理をしたもの。  (この処理には染色や合成樹脂は使われません)
(3) スタビライズド・ターコイズ 透明なアクリル系樹脂を染みこませたもの。この処理により色が濃くなり、強度が増し、光沢、汚れ、薬品に対する耐性が向上、変色の心配も少なくなります。
通常見かけるターコイズはたいていこの処理をされていて、特に天然との違いを明記されることもないようです

エンハンスやスタビライズは、いわば、石のお化粧。原石派の私ですが、やはりターコイズは磨かれている方が美しいですし、扱い要注意よりも少しは安心して身につけられる方がうれしいかも……。
ところが、これから挙げる例は少々
過激になってきます。

(4) カラートリーテド・ターコイズ (3)と違って「色つきの」樹脂を染みこませ、色を良くしたもの。
ダイド・ターコイズとも呼ばれる。
(5) 破片を固めたもの 何と呼ぶのかはわかりませんが、ターコイズの破片を樹脂などで固めたもの。
黒い樹脂で固めると、ちょうどネット状の黒いラインが入ったターコイズのようになります。

インディアンジュエリーの技法としてもチップ・インレイという、同じようなものがあるようです。
(6) 練り物、練りターコイズ ターコイズの粉末を色のついた樹脂で固めたもの。
新たに再生されたターコイズということで、リコンストラクテッド・ターコイズとも言うそうです。

ターコイズは、色がきれいで厚みのある原石はめったに産出ないので、トルコ石でボリュームを得ようとすると、こういう技法も必要なのでしょうか。
練り物は複雑な形を作るのにも適しているようです。
色と形はターコイズっぽくても、
ターコイズではないものもあります。

(7) ハウライト・ターコイズ 白地に黒、灰色のラインが入ったハウライト(トルコ石ではない別の石)を青く染めたもの。
個人的に、これはターコイズではないよと、ひとこと言って欲しいかも。
ハウライトを染めたハウライト・ラピスもあります。
(8) ボーン・ターコイズ 骨や歯の化石(?)を青く染めたもの。あるいは水牛等の骨を染めたもの。
(9) ガラス・ブラスチック ビーズのトルコ・ブルーは、意外に好みの色合いなので、 「波」が来ていないときは、ビーズで何か作って気分だけ味わおうかと考えちゃったりします。

このほか、ターコイズと成分や色が似ているギブサイト(ギブス石)やバリサイト「(バリッシャー石)等も、色合いの美しい場合にはトルコ石として加工されることがあります。

※長くなるので(2)へ続く


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