偽物ってなんだ? ・  ・ 2 ・  ・  ・  ・  ・  ・
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偽物ってなんだ?
その2

長くなったので分割しました。ここで改めて申し上げます。
私は、ガラスや各処理加工を施された石やビーズが
、天然未加工のものに劣るといっているわけではありません。
しかし、天然ではないもの、処理が施されているものを、天然である、未処理で貴重なものであると偽ること、
あるいは、微妙にぼかした適切ではない説明で、買う人に誤解を与えることについては、ルール違反だと思います。

天然で未加工なものが欲しい、加工が施されているなら、そのことについて知りたい。
そんな方の参考になれば幸いです



ガラスに続いて水晶と間違いやすいものは……。

疑惑物件・2 アクリル

これは要するに樹脂ですから、直接手にしてみれば、感触や冷たさ、固さなどはかなりはっきりわかるはず。
画像でも注意してみると、輝きの感じが違います。
ときどき、買ったビーズやブレスを「プラスチックでは?」と疑う人がいますが、まさか、実物を触ってガラスコップとプラスチックのコップの見分けがつかないとは言いますまい?


疑惑物件・3 他の鉱物

水晶といわれて買ったけど、実は別の鉱物だった、ということがあります。
たとえば、水晶の丸玉だと言われてたんだけど、なんだか変。……という石を見せてもらったら、カルサイトだった、ということがありました。
透明感のある鉱物ですが、クラックの入り方に特徴があるので、それがわかっていればかなり簡単に見分けがつきます。

無色透明のトパーズも水晶と間違われやすいですが、トパーズの方が高価なので、「水晶の偽物」にはならないかもしれません。
原石では、水晶の結晶が6角形であるのに対し、トパーズは4角。柱面の成長線は、水晶の横に対し、トパーズは縦。ビーズやカットものでも、水晶よりトパーズの方が重いのでわかると思います。

このほか、ローズクォーツ……と思ったら、ローズ・カルセドニー(ピンク・カルセドニー)ということも。
↓のような、ビーズがあったら……見分けがつきますか?
←一見半透明のローズクォーツだが、実はカルセドニー。

隣にちゃんとしたローズクォーツがあると、その半透明具合などで、何となく区別が付くような気もするけれど、これだけを見せられたら、わからないかも……。

※このビーズは、ちゃんと「ピンク・カルセドニー」として売られていました。
ひとつぶだけホイと差し出されたら、わかんないですねえ……。まあ、成分は水晶と同じSiOですが、こっちは、顕微鏡サイズの結晶が集まったつぶつぶ構造。染めて色を濃くすることも可能です。

あ、もう一つ要注意な石があります。クリソプレーズです。

クリソプレーズはニッケルによってアップル・グリーンに色づいたカルセドニーです。カルセドニーの中では高価な石なので、染めてつくられたクリソプレーズの危険性もありますが、クリソプレーズが別の石として売られていることがあります。
世界で唯一、南アフリカのメッシーナ鉱山でのみ産出するという、アホーアイト入り水晶です。
アホーアイト入り水晶の原石は、コレクター垂涎の的。原石ならばあやしいものはなさそうですが、これを磨いたもの……というのが問題ありのようなのです。

複数の人から聞いた話ですが、アホーアイト入り水晶を加工したアクセサリーや磨きものは、ほぼあり得ないといってもいいそうです。 
追記:2008年頃から新たな産出があり、磨きのアクセサリーが出てきました。
破片状のアホーアイト入り石英がありますが、あれは石英のクラックにアホーアイト?が染みこんだようになっているので、磨いてもきれいにはならないと思います。
※追記:石英のひびに緑色の鉱物が染みこんだものは「アホーアイトではなくクリソコラ」という情報あり。
アホーアイト単体であれば、カビみたいな鉱物なので、とてもとても磨けません。
(→参考サイト:アホーアイトの結晶(海外サイト)

これが本当のアホーアイト。ファントム状に薄く内包されており、拡大すると繊維状の結晶が見える。
ファントムで繊維状という特徴を覚えておくと、他の「アホーアイト」の不自然さがわかる。
(写真の石は友人提供)
石英のクラックに緑色の「アホーアイト」が染みこんだような感じ。
メッシーナ産だということだが、左のアホーアイトに比べると緑がきつく、アホーアイトらしい結晶も見えない。上記の参考海外サイトではクリソコラであるとしている。
これは、クリソプレース(アップルグリーンのカルセドニー。染めの場合もある)このような透明のアホーアイト色カルセドニーが、アクセサリーに加工され、「アホーアイト」として高値で売られていることがある。ファントム状のアホーアイトがこのように均一に内包されるとは考えにくい。

アホーアイトとして売られているアクセサリーが、実はクリソプレース(もしかしたら、さらにアホーアイトに似せて染色されている可能性もあり)だったことがあり、知らずに仕入れて売ったお店が自主回収した例もあるそうです。同じく、丸玉もクリソプレーズであったため、回収された例があります。

アホーアイトは、水晶の中に青緑色(ターコイズ・ブルー)の色合いで、内包されています。
鮮やかな絵の具をしみこませたような美しい色ですが、実は、多くがファントム状で、短い繊維状(細い針状)で内包されているものなので、磨いてあるのに結晶が確認できないのはおかしいのです。
参考サイト(海外:ショップサイトなので、いれかわりがあるかもしれませんが、繊維状結晶がわかる写真があります。また、色づいているのが表面に近いことや、広い範囲が色づいている石が少ないことがおわかりいただけるかと思います)

「疑惑のアホーアイト」を見せていただいたことがありますが、全面的にきれいな「アホーアイト色」でした。しかし、色づき加減がややアホーアイトっぽくなく、磨いてあるのであればおそらく確認できるであろう、アホーアイトの結晶が全く確認できなかったのが不自然でした。
まだらに色が内包されていたタイプも、食い込んでいた母岩のまわりが、水晶というよりカルセドニーっぽかったり……。
私が複数そういう例を見たということは、アホーアイト入り水晶のふりをしたクリソプレーズは、結構多いんじゃ……と心配になります。
(→アホーアイトになっているけれど、たぶん、クリソプレーズ(海外サイト:ごめんなさい……)

なにぶん、一石好きであるKUROが自分の見た範囲、聞いた範囲で申し上げているので、本物のアホーアイト入り水晶の加工品があるかもしれません。
(※2008年になって、新たにアホーアイト入り水晶の産出があったようです。それにともないアホー隘路入り水晶のアホーアイト部分だけを磨いたペンダントヘッドなど、加工されたものも現れました)
しかし、要注意であることは確かなので、参考になりそうなサイトのリンク(海外サイト)をしつこく張らせていただきました。
疑問に思われた方は、ぜひご自分でも確認してください。

※お店にご迷惑を掛けるつもりはありませんが、実際にあったことであり、注意すべきであると思うので、ここに記させていただきます。


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