偽物ってなんだ? ・  ・  ・  ・ 4 ・  ・  ・  ・
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偽物ってなんだ?
その4


天然で未加工なものが欲しい、加工が施されているなら、そのことについて知りたい。
そんな方の参考になれば幸いです。


石の中には、ベースは天然水晶だけれども、そこに何か手を加えられているものがあります。
ここらへんからは、かなりのグレーゾーン
天然水晶には間違いがないのだから、「天然」・「本物」と見るか、手が加えられているのだから、本物じゃない! と見るか、そこは人それぞれです。
売る側は「ベースは天然石だから、手を加えても天然石」と思っているのに、「天然未加工にこそパワーがある」と考えるパワーストーン派の人は、「天然」といえば未加工のものと思っていて、そこですれ違いがおきたりもします。

私の場合は、
処理・加工を明記してあればOK。(もちろん、気に入らなければ買わないだけ)
珍品、レアものなどと称して売っているものは「偽物」と見なす。
でもやっぱり人の手が加わっていないものがベスト。
内包物を見せるための磨きは、状況に応じて。

……という感じでしょうか。

疑惑案件・1 シトリン

天然の水晶に加えられる加工、まずは色の問題です。
アメシストを加熱すると鮮やかな黄色に変色するので、絶対量が少ない天然シトリンの代わりにシトリンと称して売るのはあまりにも有名なので、詳しく述べる必要もないでしょう。

加熱(焼きシトリン)
色は鮮やかな「山吹色」。キャラメル色っぽいのもある
ひびが結構多い。
天然シトリン
焼きシトリンと違って、柱面がある。
透明度も高く、淡い金色
天然シトリン
ちょっと茶色がかったような、いぶし銀ならぬ「いぶし金」色。やはり、柱面がある。
天然シトリン
コンゴ産。茶色がかった、逞しい色合い。
淡い色のものもある。

このほか、硫黄の混入によって黄色くなった水晶を「レモン・クォーツ」といいます。
イオウ入り水晶に似たもので、水晶をクリーニングするのに使った酸が、クラックなどに入り込んで、部分的に黄色(不透明なレモン色)に見えるものがあるそうです。
今のところショーやショップで見かけたことはありませんが、海外のオークションサイトを利用したり、そこから仕入れた品を扱うショップでは、一応ご注意を。「acid(酸)」の表示が目印とか。
本来はレモンクォーツといえば硫黄の混入で、不透明がかったものですが、アクセサリーなどで透明で上品な色合いの「レモンクォーツ」を見かけることがあります。
スモーキーは、加熱すると色が消えたり白濁しますが、中には淡いレモン色に変色するものもあり、これも「レモンクォーツ」と呼ばれているらしいです。
おそらくスモーキーを加熱したものと思われる黄色い水晶。やや緑がかっているような上品な色合いで、アメジスト加熱の華やかな山吹色に比べると、天然っぽく見える。

だが、これは天然だとされているシトリンの中では、緑がかった色合いは見かけない。

このわずかな緑はスモーキーに含まれるアルミニウムイオンのためだという説がある。


ウェブショップで、「ヒマラヤのレモンクォーツ」なるものを見かけたのですが、それもスモーキー加熱ではないかと想像しています。

このほか、ビーズでもレモン・クォーツの表示のものがあります。透明な黄色いものは上記のスモーキー加熱の水晶を加工したものかもしれませんが、中にはイオウ入りを思わせるこんなビーズも。
粒ごとに異なる色合い、もやもやしたインクルージョンのようなもの。
一見天然石っぽいですが、ガラスです。
よく見ると、オパールにも似た青い光が見えます。
これは、ガラスビーズです。よく見ると気泡がたくさん確認できます。
人工オパールや、オブシディアン・オパールの名前で売られている「オパルセント・ガラス(フッ素をまぜて白濁させ、オパールのような効果を出したガラス)」の一種だと考えられます。

疑惑案件・2 黒

次に
アーカンソー産の透明水晶にガンマ線をあてて黒くしたものは、ミネラルショーでも見かけます。
これらは、表面がツヤツヤで根本が不自然に白いのが目印。
天然で表面がつやつやしているものもあるし、根本が黒くないものもあるが、天然の黒水晶(それに使いスモーキーの場合は、たいてい根本まで黒く、長石を伴うこと多い。
根本が黒くない場合は、真っ白ではなくて茶色がかった感じ。

原石でクラスターの場合、そこに並んでいるすべてがつやつやで根本が真っ白……という場合はちょっと注意を。

とにかく、アーカンソー産で黒、ときたら確認する方がよいでしょう。
ショーではたくさん並べられているのでよくわかります。
天然モリオンは、渋い外見のものが多いです。

また、ビーズなどではスモーキーはほとんど放射線処理であると聞きます。
天然のスモーキーもたくさん採れますが、まとまった量すべての色合いをそろえようとすると、放射線着色の方がつごうがよいのでしょう。
カットされてしまったものは見分けがつかないので、ビーズはほぼ放射線着色だろうと考えた方が良いと思います。
(※2008年後半、中国産の黒水晶を磨いたビーズのブレスが出回りました。鑑別もなされているようです。原石だという石も見せてもらいましたが、素人目には天然のモリオン・濃いスモーキーに見えました。間違いなくこの石から作られたビーズなら、天然で黒いものあるようだ、といえるかも知れません)

モリオンは、本来、天然で光に透けない真っ黒不透明水晶のことです。
しかし、原石のように大きな状態では透けなくても、ビーズのように小さくカットしてしまうと透ける場合が多く、ビーズで真っ黒不透明はかなり難しいです。

中には、「鑑別書」が付いているけれど透ける「モリオン」があるそうです。
では、これはインチキなのか……?
実は鑑別については、鑑別する機関によって結果にばらつきがあるといいます。

たとえば、ビーズの「ラピスラズリ」を鑑別に出したとすると、厳しい鑑別機関では、このビーズは、ラピスラズリ(青い部分)の他にパイライト(金色)、カルサイト(白い部分)が、混ざっている。複数の鉱物が混ざっているから「岩石」」であると判断してくるそうです。
かと思えば、ラピスラズリが大部分を占めているし、ラピスラズリはパイライトやカルサイトが混じる石であるから、これは「ラピスラズリ」と見て良い。……という場合場合も。


厳しい鑑別が悪いとは言えないし、でも「ラピスラズリと見て良い」という結果が間違っているとも思えない。こうなると、モリオンとはどういうもので、鑑別結果にはばらつきがあるということを知った上で、自分はどう判断するかということになるのではないでしょうか。

私の場合は、「なるべく不透明黒」が理想。
原石だったら先端はともかく中心部は光を通さず、全体の雰囲気が逞しい感じであること。
ブレスだったら全粒不透明は無理っぽいので半分以上、できれば4分の3は不透明。
……そんな感じでしょうか。

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