原石問題・4 説明に疑問を持て 主に鉱物的石好きさんが問題にしがちな産地間違い、石の種類間違いですが、産地にさほどこだわらないパワーストーンの分野でも、注意すべき問題があります。 本当にパワーがあるかないかという問題は、検証のしようがないのでこの際脇に置いておくとして、たとえばパワーストーンやクリスタルヒーリング独特の説明でも注意しなければならないことがちらほら。 ●お店の説明が間違っていることもある たとえば、スーパーセブンと呼ばれる石があります。 クリアクォーツ、アメジスト、スモーキー、ゲーサイト、レピドクロサイト、カコクセナイト、ルチルの7種類の鉱物からなる石だと説明されていますが、本当はここでちょっと疑問。 クリアクォーツもアメジストも、スモーキーも同じ水晶なので、ここは「クリア・アメジスト、スモーキーの三色が混じった水晶にゲーサイト……(略)……4種類の鉱物が内包されています」というのが正しいです。 一見どうでもいいことですが、そのお店が他の説明を鵜呑みにして書いているのか、とりあえず抑えるべきところはおさえていいるのかの判断基準にはなりそうです。(わざとよく用いられる表記で書いている場合があるので、つっこんで聞いてみるのも手)。 中には、ゲーサイトと針鉄鉱が……と、カタカナ表記と和名が混じっている上、実はゲーサイト=針鉄鉱でだぶっているという、変なミスをしている場合もあります。 よく知られた石ならば、価格調査を兼ねていろいろなサイトを見てみましょう。
●ヒーラーが付けた名前か、商品名か いまさらですが、アゼツライトもエレスチャルも鉱物的に言えば「水晶」です。どんなに麗々しい説明がくっついていようと、成分はSi02、鉱物としてラベルを付けられたら「石英(Quartz)」表記されます。 だからといって、「ただの水晶に紛らわしい名前を付けて高額で売るのはおかしい」などと言うつもりはありません。 いろいろな名前にはいろいろなイメージが宿り、好きな人はそのイメージごと石を選ぶのですから。 しかし、気をつけなくてはなりません。 星の数ほどありそうな水晶の名前には、鉱物的にも用いられているものから、ヒーラーが不思議なリーディングによって名付けたもの、そしてこっそり商品名も混じっているからです。 ヒーラーが付けた名前も一種の商品名と言えばそうですが、ベースに何らかのイメージがあるのと、流通課程で勝手にできあがってきた名前とでは、似ていてもはっきり違いがあるのではないでしょうか。 たとえば、エレスチャル・スーパーセブンという名前があります。 しかし、「エレスチャル」は水晶の形について着けられた名前で、「スーパーセブン」は内包物をたくさん含む水晶に対して着けられた名前。しかも、それぞれ別のクリスタルヒーラーが名付けたものです。 エレスチャル(形に対して付けられた名前)とスーパーセブン(内包物に対して付けられた名前)の条件を兼ね備えた石は存在するかもしれませんが「エレスチャル・スーパーセブン」という名前を付けたヒーラーはいません。(くわしくはこちら) わかった上で「エレスチャルとスーパーセブンを兼ねた石」と納得して買うならばいいですが、単に「エレスチャルスーパーセブン」という名前を鵜呑みにするのは危険です。 ●固有名詞付き水晶にもちょっと待て 単にブラジル産水晶というよりも、コリント・クォーツというような名前が付いている水晶の方が、何となく「すごい」と思ってしまうことはありませんか。 この場合のコリントは日本で言うところの「県」のような行政区域、またはその中心都市のこと。水晶がたくさん採れるところだそうで、これまで「ブラジル産」とだけ記されてきた水晶も、実はコリントである可能性もあります。また、コリント、と言われてもその周辺地域で採れた水晶が集まる集積地でもあるので、厳密にはコリント外の産地の水晶もコリント産として売られていることもあり得ます。 また、こんな例もあります。 「マダガスカル・ローズクォーツ:恋愛に強い力を発揮するパワーストーン。マダガスカルでしか採れない水晶です」 ……こういう説明があったら、どう思いますか。 「マダガスカルでしか採れない」。マダガスカルで採れるのだからマダガスカルローズクォーツなのです。これがオーストラリアなら、オーストラリアン・ローズクォーツになるだけです。それなのに「マダガスカルでしか採れない」とその希少性を強調するような説明は変。 確かにマダガスカル産のローズクォーツは、スターが出たり、透明度が高いものが知られていますが、同じくローズクォーツの大産地であるブラジルでも、よく似たものは採れます。透明度が高くてスターが出るロースクォーツがマダガスカルでしか採れないと言うのなら、それは正しくないのではないでしょうか。 石の名前やイメージを大切にするならばなおさら、あわてずじっくり考えてみなくてはなりません ●インターネット環境を生かせ 誰でも初心者の時代があります。私も未だにわからないことだらけの間違いだらけで、日々精進の身の上です。 しかし、今はインターネットという強い味方があるではありませんか! かつて、数冊の本しかなかった時代を思えば、今はなんと恵まれていることでしょう。 イメージであれ、鉱物的知識であれ、インターネット上にはさまざまな情報があふれています。必要なのは、好奇心と、疑問に思う心、そして根気と熱意です。 原石問題への対策 ここでちょっとフォローしておきますと、上で書いたような「産地偽装」は、お店側がわかってやっている場合と、お店側もわかっていない場合があります。 たとえば、ヒマラヤ水晶では、現地の業者の元に持ち込まれた時点で細かな産地が入り交じっていたり、甚だしくは中国産などが紛れ込むといいます。 いくら現地で買い付けても、これでは間違いは防げません。 お店あるいは仕入れ業者の「目」が勝負です。そして、私たち買う側の「目」と。 まず、数を見ましょう。 原石は、一つ一つ個性的ですが、買う買わないは別として数を見ていると産地の傾向が見えてきます。 産地の傾向がわかっていれば、よその石が混じっていると、何とな〜くわかるようになります。 お店の品揃え全体を見てみましょう。 「欲しい石」だけを見るのではなく、まわりの石の傾向も見てみましょう。 たとえば、クラックに虹が出る水晶を買う場合、まわりにやたらとたくさん同じようなクラックが入った石がありませんか?(特にポリッシュ) 産地の傾向である場合もありますが、もしかしたら人工クラックかもしれません。 明らかに見分けがつく加工石を「天然」表示していませんか? 加工にこだわらず元が天然石なら天然だというスタンスのお店だったり、お店の方があまり石に詳しくない可能性があります。 そのほか、お店の扱うグレードなども参考になります。 広く情報を集めましょう。 産地偽装されやすいのは、偽装することで高く売れる産地のもの。あるいは、見た目普通の水晶なのに、何らかの理由くっついて高く流通しているもの。 そういう産地や理由付きのものをねらうのなら、その情報だけでも集めておいた方がいいです。 そのほか、「新しい発見」「珍しい内包物」も、情報をつかんでおけばトラブルを防ぐことができます。 残念ながらパワスト・ヒーリングストーン系の個人のwebショップの情報は、あちこち混乱しています。 新しい石の情報が確かに発信されるのは、海外のミネラルショー。 海外のコレクターサイトや、海外ショーで仕入れをしている老舗鉱物ショップの情報が参考になります。 もちろん、石好きさん同士の情報交換も重要です! お店の人と話をしてみましょう。 特にミネラルショーでは、いろいろ興味深い話を聞くことができます。 もちろん、実店舗の方とお話ししていても、いろいろなことがわかります。 私は、パワーの話しかしてくれないお店(webショップ含む)では、自分で見極められるものしか買いません。 無粋な鉱物学系の話をするべしとは言いませんが、(私もバリバリの鉱物系ではなく、石のパワーや伝説に興味ありますし)聞かれたときに答えていただきたいと思うのです。 あえてもの申す! この石にはこんなパワーとかいいながら、その石が何かわからないなんてちょっと変です。 中にはその石が何であれ、石のパワーにはかわりがないとか、 その石をいいと思う心が大切なんだと言われるお店がありますが、 それは、買ったお客が考えることであって、 お店が言うことではありません。 お店は、こういう石であるということについて価値を付け、販売するのですから、客観的な情報が間違っていれば(石の名前など)、それは間違いとして認め、対処すべきです。 最近では、個人の方が石のお店をはじめることも多くなりました。 ここで、無礼を承知でさらに言わせていただきます。 お店をはじめた時点で、あなたは「プロ」です。 鉱物学的な情報を出すも出さないもお店の自由ですが、 石について最低限の知識は持っていて下さい。 「わからない」ではすまされません。「わかる」よう努力し続けるべきです。 |
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