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見て、比べて、考える。
その1
チェリー・クォーツ(ガラス)とストロベリー・クォーツ(水晶)

天然石として売られていたのにガラスだった。処理加工が施されていた。
あるいは、名前が違っていて、全然別の鉱物だった。
「天然であること」に価値をおいていると、こんな事態にでくわしてがっかりすることがあります。
そんな「がっかり」を回避するため、このページが参考になれば幸いです。

当サイトは、石を販売する際に、正しい表示、良心的な説明、ショップ側の正確な知識を希望します。

※パワーストーンにとって「本物」とは何かを考えることや、「パワーストーン」の価値を何で判断するかということと、
ガラスを天然として売る、実際とは違う内容で間違った価値をつけて売ることの是非は、全く問題が別であると考えます。
実情とは異なった説明で売ることはルール違反です。他の品物であれば、「産地偽装」や「偽ブランド」と言われます。
パワーストーンだからそれが許されるということには成り得ません。

 ガラスだよ

チェリー・クォーツと呼ばれている
ビーズがあります。
クォーツと名前が付いていても水晶ではなくてガラスです。見た目とてもかわいい感じのビーズですが、困ったことに堂々と「天然石ビーズ」の一角で売られていて、天然石と間違われます。
さらには、ストロベリー・クォーツ(水晶)と勘違いされたり、ガラスなのに「ストロベリー・クォーツ」の名前で売られていて、混乱を拡大しています。

もう一度きっぱりと申し上げます。
チェリー・クォーツは「ガラスビーズ」です。
(鑑別結果を紹介しているサイト→こちら
たぶん違うと思いますが、原料が天然水晶だったとしても、できあがったこのビーズは、結晶していないのでガラスです。
人工石……という説明も見かけますが、天然石と同じ成分同じ構造のものを人工的に作ったという意味があるので、チェリー・クォーツを人工石というのも、実は正しくありません。強いて言えば「模造石」です。

ガラスビーズとしてみた場合は、愛らしい色合いで天然石に似たニュアンスを持つ、美しいビーズであると思います。しかし、これを「天然石」「ストロベリー・クォーツ」として販売するのはおかしいでしょう。
買った人が個人としてパワーストーンと見なし、楽しむのは何の問題もありませんが、
売る側が、天然石でないものを天然石として売ることはおかしいです。
仮にもショップでありながら、チェリー・クォーツ(ガラス)とストロベリー・クォーツ(水晶)の見分けも付けられないのはもっとおかしいです。

 
間違えやすいから両方を知っておく 

残念ながら、チェリー・クォーツが「水晶」として売られていたり、ストロベリー・クォーツの名前で売られていることが実際にあります。見分け方を知っておいた方が安心です。
そのためには、ストロベリー・クォーツとは何かを知っておかなければなりません。
ストロベリー・クォーツとは、水晶(石英)の中にゲーサイト(針鉄鉱)が内包されて、かわいらしいピンク色に色づいて見える石です。

 従来ストロベリー・クォーツはゲーサイトが内包されていると言われてきましたが、最近は「黒く針状に見えるのがゲーサイト、細い針状でも赤いものはレピドクロサイト」と説明しているところもあり、ストロベリー・クォーツ=レピドクロサイト入りとするところも出てきました。
実は、ゲーサイト(針鉄鉱)とレピドクロサイト(鱗鉄鉱)は同質異像……要するに成分は同じ成分で結晶の仕方が少し違うだけの兄弟のような鉱物で、どちらであるかは見た目では区別がつけられないのだそうです。そのため今まで「ゲーサイト入り」と言っていたものが、詳しく分析したら実はレピドクロサイト……というケースがあるかもしれません。

しかし……だからといって、とても「苺」とは言えない、どす黒くてごついレピドクロサイト入りまで「ストロベリー・クォーツ」と言ってしまうのは、どうにも納得できません。
ここで、KURO的に大胆判断!
「ゲーサイトもしくはレピドクロサイトの繊細な結晶が内包されて、とにかくかわいい「苺」色に見える水晶!」
とにかく見た目かわいくなくては苺じゃない。ガラスだったらクォーツと呼んではいけない。
ゲーサイト入りと言われるもの レピドクロサイト入りと言われるもの
こちらを比べてみてください。右のレピドクロサイト入りと言われるものは、光に透かして赤く写しましたが、左に比べると繊細さ、かわいらしさは段違い。これを苺というならヘビイチゴ……もとい、苺と言うにはちょっとゴツいのではないでしょうか。
右のような石が「ストロベリー」と言われ、こちらしか知らない人が「これがストロベリー」と思ってしまうのは仕方ないけれど、水晶好きとしては残念です……。下にたくさん写真を載せましたので、この際「ストロベリー・クォーツ」のかわいらしさをよーく覚えてください
右のようなレピドクロサイト入り水晶は、個人的にはむしろファイアー・クォーツと呼びたい。
レピドクロサイトだと、オレンジ色……というか茶色っぽくなるんですよね。ますます苺からは遠いです……。

このほか、「ストロベリー・クォーツとは
ルチルクォーツの一種である」とか「ルチルが内包されている」とか、「ルチルが斑点状に表面に付着しているもの」という説明を見かけますが、これについては、ちょっと疑問です。疑問に思う理由は以下の通り。

ゲーサイトやレピドクロサイトは、ルチル(二酸化チタン)ではなく鉄の鉱物ですから、ルチルクォーツではあり得ません。
赤く見えるルチルが内包されている水晶はありますが、 これがストロベリークォーツとして売られている例は見かけません。(追記:1回だけ見ました……ただし、全然赤くないルースでした)
ルチルが斑点状に付着している例も寡聞にして知りません。
ルチルが表面に付着していたとしても、カットしたり磨いたものも 「ストロベリー・クォーツ」なので、ルチルの付着が ストロベリー・クォーツの条件になっているわけではないと思います。

写真で比べてみましょう。



ストロベリー・クォーツ(水晶) カザフスタン産


一般的にストロベリー・クォーツは、メキシコ産カザフスタン産で、
繊細なゲーサイトの内包によってかわいらしい赤に色づいている水晶を指すことが多いようです。
「かわいいピンク色」……ですが、色合いのもとは実は

メキシコ産ストロベリーはあまり見かけないので、ストロベリー・クォーツと言ったらカザフスタン産が有名です。


カザフスタン産の原石。
もっと「いちご色」の石もあるけれど、それはとても高価なので、ちょっと淡い色。
(写真では濃く写ってます)
遠目にはふんわりかわいいピンク。 内包状態は均一ではなくてファントム状にむらがある様子。
上の原石のアップ。表面が磨りガラス状だが、赤い内包物が無数に内包されているのが見える。 アップにすると色のもとは実は
チェリー・クォーツ(ガラス)はアップにしてもピンク
細かい針状であるところが繊細な色合いの元。
原石をさらに2つ。小粒で形もいちごなかんじ。
これを磨くと赤い針状のものが無数に内包され、キラキラ輝いて見えるのです。
原石の面影を残すビーズは、このようにファントム状にゲーサイトが内包されている場合が多いようです。全体が赤くキラキラしているビーズは、よっぽど大きな原石を磨いてしまったのか……? もったいない……。


ストロベリー・クォーツ(水晶) メキシコ産


実は、最初にストロベリー・と呼ばれたのはメキシコ産。
1950年くらいにメキシコのソノラ州またはチワワ州でみつかったとされています。


思いがけず手に入れたメキシコ産。  拡大してもはっきり見えないくらい、細く繊細なゲーサイト ちょっともやがかかったような色合いなのは、ベースがアメジストだから。

カザフスタン産のストロベリー・クォーツは、原石では、表層付近がややスモーキーがかるものがありますが、メキシコ産はアメジストとのコンビなので、根元などがアメジストがかるものがあります。
どちらも、ひときわ繊細なゲーサイトが特徴。

メキシコ産は内包物がヘマタイト、カザフスタン産はゲーサイト。ゆえに色味が違う……という説明を見かけたけれど、
実物を見るかぎり、どちらも微細な赤い針状内包物。見た目の違いは判らない。
並べた時の色味の違いは、ベースになっている水晶部分の違いではないかという気がする。


ものによってはストロベリー。
インド産、アフリカ産


「ストロベリー・クォーツ」と言えそうな石、「ストロベリー・クォーツ」の名前で売られている石も増えてきました。
ただし、同じ産地のものが全部、無条件にストロベリーと言えるものではないので、見て選ぶことが大切です。

これは、インド産。
ふつう、ストロベリー・クォーツとして有名なのはカザフスタン産ですが、しかし、これならば色合いの感じはストロベリーといっても差し支えないと思います。
内包物のアップ。繊維状というよりは、ちょっと曲がった針状。色合いはピンクというより赤。チェリークォーツ(ガラス)と違ってぼやけません。カザフスタン産に比べると若干太め? 角度を変えると、ゲーサイトがきらきらと輝きます。チェリー・クォーツ(ガラス)はきらきらしません。
インド産。
大きな結晶から、ハーキマーのようなDT(両錐)の形を削りだしたもの。ベースがアメジストがかっているので目立たないが、細いゲーサイトがたくさん入っていて赤く見える。ポインターを写真に重ねると光に透かした写真になります。
三段階に色が変化しているルース。インド産。
異なる鉱物が内包されているのではなくて、ゲーサイトが色変わりしているように見える。赤い部分はストロベリーな感じだけれど……インド産は、ルースごとにストロベリーといえるもの、言えないものがあると思う。ポインタを重ねるとアップに。
インド産。アメジスト交じりで赤く細いゲーサイト。ゲーサイトの感じはストロベリーと言いたい感じだけれど、アメジストが混じると印象が変わる。
インド産。
こっちはほんのりスモーキー混じり?
ファントムっぽいラインが見えている。
ゲーサイトは赤くてとても細いのに、意外にストロベリーっぽい印象がない。色味だろうか?
スモーキー混じりだからだろうか?
上のルースに似た、色変わりゲーサイト。
ストロベリーと言いたいか、言えないかの微妙なライン上。
ストロベリーというより、違う種類のベリーの名前を付けたい感じかも。
インド産
マダガスカル産。
仲間石をなかなか見かけないので、産地にやや疑問。ゲーサイト入りの部分はセプターになっている。
かなりストロベリーな石だと思うが小粒。
 
アフリカン・ストロベリーの名前でみかけるようになった石。自形結晶は見かけないように思う。内包されているのは細長いゲーサイトではなくて、「粉状(?)」のゲーサイトまたはレピドクロサイト。
繊細な色づきなので、ストロベリーでも良さそうだが、
個人的には「クォーツ」の部分にやや疑問。クォーツァイトだったりしないだろうか? レッドアベンチュリンの名前で売られていたり、グレナデン・クォーツという名前もあるようす。 
下で紹介しているアフリカンストロベリー(or レッドアベンチュリン)と、同じ種類かもしれないが、内包物の粒の大きさや密度に幅があるので、何とも言えない。
これはストロベリー・クォーツとは言えないとの意見もあるが、私は、ものすごくきれいなアフリカンストロベリーを見たことがあるので、個人的には、
ものによってはストロベリーと呼びたい。  
 

 ストロベリーと呼ばれていたけれど?

ずばり、ストロベリー・クォーツの名前で売られていたけれど、
カザフスタンなどと比べると、ストロベリーとは呼べないでしょうと言いたい石もあります。
   
パワーストーンショップで「ストロベリー・クォーツ」として売られていたタンブル。
……これ、なんだろう?
いちごミルクのような色なので、もうちょっと内包物が少なく、ビーズになったらかわいいと思うけれど。
産地不明

ストロベリーストーンの表記もあり。
最初に挙げたレピドクロサイト入り。
これは比較的赤いけれど、たいていはもっとオレンジ〜茶色っぽい。色合いと言い、内包物のごつさといい、個人的にはストロベリーではなく、ファイア・クォーツとかハーレクイン・クォーツとよびたい。
ブラジル産、マダガスカル産
ブラジル産。
ヘマタイトとレピドクロサイト・ゲーサイト入り。
これをストロベリーと言われても……確かにゲーサイトやレピドクロサイトは入ってるけれど、赤くないし、かわいくない

レッド・アベンチュリン/モスコバイト

こちらは間違われると言うより、所によってはストロベリー・クォーツ扱いされていたりする石
おそらくクォーツァイト(珪岩)にレピドクロサイトまたはマスコバイト(白雲母)が内包されている。
時にストロベリー・クォーツ、時にサンストーン、時にアベンチュリン、マスコバイト。
呼び方がいろいろで混乱しそう。
これをストロベリー・クォーツと呼ぶと、納得する人としない人がいる、意見分かれ石。
個人的には「苺っぽくないし、クォーツじゃないから却下」
     
     
この薄いタイプは某ビーズショップで堂々の「ストロベリー・クォーツ」表示。
でも、これに似せてチェリー・クォーツが作られたと書かれても納得できない。上で登場しているアフリカン・ストロベリーもこの石のバリエーションか?
中にはほとんど赤みが感じられないものもあったり……商品名ではなく、自分でストロベリーの名前にふさわしいかどうか決めましょう。
淡いタイプよりは稀だが、ストロベリー・クォーツ表示や「草苺水晶」表示を見たことがある。
別の所では「ロシアン・サンストーン」。

レッド・アベンチュリンだったことも。
左二つとは明らかに違うキラキラ感。さすがにストロベリー・クォーツ表示はなく、マスコバイトレッドアベンチュリンと呼ばれている。マスコバイトは雲母のことで、このきらきらが白雲母だとしても、全体が赤のこれをマスコバイトと呼ぶのは抵抗が……。 
 特徴は、白濁した中に赤っぽい点々。濃いのもあるけど、たいていはやや地味な色合い 特徴は色のついた柔らかい紙をちぎって混ぜた感じ。苺というより濃いラズベリーといいたい色合い。 小豆レッドの中にキラキラ。
 
ピンクエピドート/マンガンエピドート

他の「ストロベリー・クォーツ?」に比べると、比較的最近見かけるようになった石。
堂々と「ストロベリー・クォーツ」で売られていたり、アフリカンストロベリーという名前だったり。

マンガンエピドートだったら、ピーモンタイトと呼んでもいいはずなのに、どうしてピーモンタイトと呼ばないのか不思議。
個人的に、上の「アフリカンストロベリー」とは内包物が違うんじゃないかと考えています。

    上のアフリカンストロベリーに比べると、内包物は点々というより薄い板状で硬い感じ。内包具合も一定方向に整列るしているように見える。
若干透明度も高そう。
色味の淡い濃いがあるのはどちらも同じ。

マンガンエピドートといってもこの石全体ではなくて内包されている赤い部分のこと。
鑑別結果「マンガンエピドート入りクォーツシスト」と説明されているところもある。

シストとは「片岩」という意味。石英成分を多く含んだ片岩なのだろう。 
アフリカンストロベリーが点々なのに比べてこちらは薄い板状で整列している感じ、色も濃い。濃すぎて赤黒いものもある。


チェリー・クォーツ(ガラス)

上の写真でもわかるように、ストロベリー・クォーツ(水晶)は実は赤。対してチェリー・クォーツ(ガラス)はピンク。
内包されているものが、もやもや見えるのも特徴。
これがときとき「ストロベリー・クォーツ」の名前で売られているのが困る。

お店だったら、これを見分けられないのは情けない……。
これをストロベリー・クォーツにかこつけて売るのもいただけない。

ピンク色の内包物が見えるかわいらしいビーズ。均一に色づいていないところや、粒によって色の濃さが違うところが天然っぽく見えます。
追記:ピンクだけでなく部分的に灰色が混ざったものも見かけました。これが母岩に見えてますます天然っぽい……。
内包物のアップ。ルーペでさらに拡大すると繊維状にも見えますが、肉眼ではもやもやして、水に絵の具を垂らしたような感じ。ストロベリーは細かい針状でキラキラしているがこっちはもやもやしてキラキラしない。 よく見ると、気泡(※)が見えるものも多いです。水晶にはこのような気泡は見られません。全てに気泡があるわけではないですが、気泡はガラスの特徴です。
※水入り水晶の気泡と違い、直接石の中かにうかんでいる丸い気泡

そのほかの特徴
●「冷たさ」  チェリー・クォーツはガラスなので、水晶と比べるとさわったときに冷たくありません。
ただし、「冷たい、冷たくない」には個人差があるので、これで見極めるには水晶と触り比べる必要があります。(慣れるとわかりますが)

比べるには、ビーズ一つや二つでは難しく、少なくともブレスレット一つ分ぐらい欲しいです。
もうひとつ、水晶のブレスレットを用意し、二つのブレス(まとまった量のビーズ)をしばらく放置して室温にします。
室温になったら片手にチェリー・クォーツ、もう片方の手に水晶のブレスを握ります。
このとき、明らかに水晶の方が冷たく感じるはずです。チェリー・クォーツだけでさわればそれなりに冷たくても、水晶と比べれば水晶の方が冷たいです。

この比較方法では、
同じような大きさ・量の水晶と同じような条件で比べなければなりません。
●軽さ 水晶と比べると、わずかに水晶の方が重いです。
わずかな差であるうえ、まとまった量がないとわかりませんが……。
●結晶の形はない チェリー・クォーツはたいていビーズです。(ペンダントヘッド、稀にさざれビーズもあり)
水晶のクラスターのような形にはなりません。
●安い チェリー・クォーツはガラスなので、本来比較的安価です。それに比べてカザフスタン産ストロベリー・クォーツはやたらに高値です。カザフスタン産ストロベリーオンリーのブレスが数百円、1000〜2000円台で売っていることは、残念ながらまずないと思われます。

ただし、チェリー・クォーツを高く売るのは簡単ですし、カザフスタン産以外で「ストロベリー・クォーツ」と呼ばれている石では安価なものもあるので、高いから(カザフスタン産)ストロベリー、安いからチェリー・クォーツ……と
値段で判断するのはやめましょう。
※このあたりの文章をコピー&ペーストして使っているサイトを見かけます。当サイトでは、無断転載禁止です。
部分的なものでもお断りします。もとの文章のニュアンスがわからないくらいにリライトしてください。
禁止を明記しているにもかかわらず転載しているショップは、
常識をわきまえない、その程度の店だということになります。


いろいろな説明があって混乱するので、KURO的に整理します。
チェリー・クォーツで検索したら……いろいろありますねえ……。
天然石チェリークォーツ 大間違い天然石ではありません。しつこいようですが、人工のガラスです。
チェリー・クォーツ(水晶の染色品)

チェリー・クォーツは一般的にクォーツを染色したものとして知られています。
よく見かける説明ですが、水晶をこのように染めることはできません。(染める=染料で染めるという意味合い)
染料で染めるためには、染料が染みこまなくてはなりませんが、水晶にはひびが入っている以外、染みこむ隙間がないからです。
水晶の染色品という言い方は、ベースは水晶だと言っていることになりますが、これはガラスです。
チェリー・クォーツ(水晶の加工品) 原料が水晶だったとしても、加工した(溶かして固めた)ものは水晶ではなくなっていることにご注意を。
天然水晶を溶かし固めた練り水晶も水晶だという人がいますが、同じように天然水晶を溶かして作った(初期の)グラスファイバーを「水晶」と呼ぶ人はいないでしょう。
この説明は「水晶である」というイメージを植え付けようとしているようで、注意が必要だと思っています。
チェリー・クォーツは水晶を加工したものです。 「水晶と同じ」ではありません。結晶していないので現時点ではガラスです。
水晶を原料にしたガラスは石英ガラスで、ふつうのガラスより単価が高く、無色透明が身上なので、混ぜものをして色を付けるビーズに使われる可能性は低いのではないでしょうか。
この説明は「元は水晶」とすることで「水晶とのつながり」を強調しているように思われますが、確実ではないと思います。
チェリー・クォーツ(合成石) 「合成石には天然石と同じもの(同じ成分で結晶している)を人工的に作ったもの、という意味があります。ガラスであるチェリー・クォーツの場合は「模造石」の方が正しいと思います。
チェリー・クォーツ(加工石) 何かを加工したわけではないので、「加工」ではないのでは?
「天然石を加工した」という意味なら、間違いです
ローズクォーツ、チェリークォーツは天然のものを使用していますので…… ローズクォーツはともかく、チェリー・クォーツに「天然」はないと思います。
この書き方ではチェリー・クォーツも天然だと言っていることになりますが、人工的に作ったものに天然というのはおかしい。
人工チェリー・クォーツ チェリー・クォーツはもともと人工物なので……。
これでは「天然チェリー・クォーツ」があると勘違いしそうなので、
チェリー・クォーツ(人工石)
チェリー・クォーツ(模造石)
チェリー・クォーツ(ガラス)
が適切。個人的には2番目、3番目がおすすめ。
チェリークォーツ(ガラス)
元々天然のものである水晶や砂を高温で溶かし、染色、冷やす事によりつくられています。
ガラスであるという説明は正しいが、原料が天然水晶かどうかは不明。
溶かして冷やし固めたという説明も正しいが、ピンク色の部分は人工的な混ぜものだと思う。
ストロベリークォーツ(チェリークォーツ) この書き方ではストロベリー・クォーツ=チェリー・クォーツと読めてしまいますが、
ストロベリー・クォーツ(水晶)
チェリー・クォーツ(ガラス)です。
ストロベリークォーツをチェリークォーツとは言いません。逆もしかり。別名でもありません。
ストロベリー・クォーツにはガラスのものもある 本来、ストロベリー・クォーツにガラスはありません。
ガラスだったらチェリー・クォーツです。(これでもクォーツというのが正しくない)
チェリー・クォーツをストロベリークォーツの名前で間違えて(あるいはわざと)売っているだけです。
ストロベリー・クォーツ(水晶)
ストロベリー・クォーツ(ガラス)
ストロベリークォーツは、チェリークォーツとも呼ばれています。 呼ばれてません。呼ばないでいただきたい。


「このチェリー・クォーツは本物でしょうか……。」
という質問があったら、「本物です」と答えます。

だって、ガラスのチェリー・クォーツであることは間違いないですから、本物のチェリー・クォーツであり、本物のガラスです。
(アクリルの場合は、もっと混ざり方が渦巻くようなマーブルですね)

質問の意図は、「(本物の)天然石なんでしょうか?」かもしれませんが、この質問の書き方では「本物のチェリー・・クォーツ(ガラスですよ)」という答えになってしまいます。
それを「じゃあ、天然のチェリー・クォーツがあるんだ!」と理解してしまうと大変。


早とちりなさらぬよう、ご注意を。



ストロベリー・クォーツと間違われやすいもの。

 角閃石(アンフィボール)入り  サンストーン
     
赤い角閃石入り。
密に入ったものは、真っ赤になり、赤水晶と呼ばれることもある。


※中で光っているように見えるのは、ビーズの穴の部分。
拡大すると、針〜繊維状の内包物が見える。ゲーサイトは、長さや太さがそろっているが、角閃石では太さがバラバラで、そのせいでちょっとぼそぼそとささくれ立って感じることもある。内包されている向きもごちゃごちゃ。きらきら輝くこともない。

※中で光っているように見えるのは、ビーズの穴の部分。
まさか、なんですが、ときどき、これ、サンストーンでしょう……?というものがストロベリーとして売られているのを見かけます。
サンストーンは中身のキラキラがオレンジ系。ストロベリーは「赤」です。

しかも、サンストーンは長石(フェルドスパー)。クォーツではありません。

 ルチル入り

ストロベリークォーツを「ルチルクォーツの一種」と説明しているところがありますが、その説明には賛成しかねます。
ストロベリー・クォーツに内包されているゲーサイト(針鉄鉱)、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)は、鉄の鉱物です。
ルチルは、酸化チタンなので、全く別の鉱物です。
     
ルチルは光に透かすと赤い鉱物ですが、透かすことができるほど太いルチルはごつくて、光に透かさないと暗褐色に見えます。
濃い赤ルチルがぎっしり入っていると、茶色味を帯びたきつい赤になり、いちご(ストロベリー)には、見えません。赤ルチルに間違われる角閃石には、金属光沢がなく、透明感もありません。
珍しくふんわり柔らかな赤ルチル入り
ところが色みは、「赤と」というより「にんじんオレンジ」
光を反射させると、細いルチル一本一本が光を反射します。
たまにこういうタイプを見かけますが、これをストロベリーと呼んでいるのは見たことがありません。
ついに見てしまいました……ルースでしたが、ルチル入りをストロベリー……と。全然赤くないんですけど。(2008年8月)
ルチルは、水晶の表面にくっついているものは細くても真っ赤に見えるものがありますが、不思議と水晶の中で透明真っ赤というのは見かけません。
「ストロベリー・クォーツは、水晶の表面にルチルが斑点状に付着したもので……」という説明もありますが、ルチルは斑点状にならないと思います。

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