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見て、比べて、考える。
その3
名前は同じの他人石。


 
 ファイアー・アゲート   レモンクォーツ  ローゼライト  オニキス 



ファイアー・アゲート……同じ名前の赤の他人(石)

ファイアー・アゲートといえば、かつては、内部にもこもことした虹色の光彩が内包された、
美しくもちょっと不気味な、個性的なメキシコ産でアゲートのことでした。
ところが、最近ビーズの分野で、同じ名前で全く違うアゲートが出現。
片方だけを知っていて、ファイアー・アゲートはこんなもの……と思いこんでしまうとちょっと残念?

ファイアー・アゲート
従来、ファイアーアゲートと言われてきた石はこちら。
アゲート・カルセドニーの仲間は、もこもことした形状に成長することが多く、成長の途中でそのもこもこの表面を褐鉄鉱の薄い皮膜が覆い、それが内包され、比較の部分で光の干渉が起こって虹色に見えている。
虹色の被膜がよく見えるように磨かれているものが多い。


この虹色を「遊色」としているところがあるが、遊色はオパールの虹色を表すものなので、ファイア・アゲートの場合は遊色ではなくイリデッセンスと言うべきだと思う。
ファイアー・アゲート
比較的最近(たぶん)、見かけるようになったアゲートのビーズ。
ベースは赤〜オレンジで亀甲のようなひび割れ模様が入っている。左のファイアー・アゲートに比べて流通量が多いため、見る機会が多く、ファイアーアゲートといえばこれ、と思いこんでいる人もいるのでは。
ミネラルショーで 「中国ではこれをファイアー・アゲートと呼んでいる」 と聞いたので、中国産だと思っていたら、海外サイトではメキシコ産の表示あり。
中国産ならば、天珠に見られる加熱の処理を行った瑪瑙ではないかと思ったのだが……この模様が天然なのか加工によるものなのか詳細不明。


やはり加工しているらしい。加工あり表記の店も増えてきました。
のファイア・アゲートの「裏側」。

……というのも、上右の赤いファイアー・アゲートは、左のものの裏側部分だと聞いた……という情報を耳にしたため。
どう見ても赤くないですねえ……。
たぶん、違うと思います。

 ファイヤーアゲートとスネークスキンアゲートの違い

スネークスキン・アゲート


従来のファイアーアゲート


ビーズで見かける「ファイアー・アゲート
アクセス解析の検索ワードに「ファイヤーアゲートとスネークスキンアゲートの違い」というのがありました。

スネークスキン・アゲートとは左・上のようなアゲートです。(内部には模様がなく、カルセドニーにも見えますが、表面の網目模様を蛇の鱗に見立てて模様とし、アゲートと呼びます。

これと、「ファイアー・アゲートの違い」。
左・中の従来のファイアーアゲートとは、考えるまででもなく全くの別物です。

違いは何だと考えるくらい似ているといえば、左・下のビーズで見かける「ファイアー・アゲート(ビーズ)」でしょう。

違いはいくつもあります

(1)スネークスキン・アゲートはたいてい原石で見かけるが、「ファイアー・アゲート(ビーズ)」はビーズ。

(2)スネークスキンアゲートは写真のようなクリーム色に白い網目模様。
(写真は表面が研磨してあり、未研磨のものは、ひび割れ模様で表面を白い層が覆っている感じ)
「ファイアー・アゲート(ビーズ)」はオレンジ〜赤に白い網目模様

(3)スネークスキンは、研磨以外の加工はない(と思う)
「ファイアー・アゲート」(ビーズ)は加熱加工ありの表示を見かけることがある。


これがスネークスキン、これがファイアーアゲートという公式規定はなく、愛称のようなものですが、似ているからと言って「ファイアー・アゲート(ビーズ)」をスネークスキンと呼ばないで欲しいと思う。名前がどんどんルーズになるのは反対です。

それよりもこの赤地に白いひび割れ模様のものを「ファイアー・アゲート」と呼ぶのがすでに不満。 




レモンクォーツという名前の石やガラス

レモン・クォーツという鉱物名があるのではなくて、要するに「レモン色の水晶」という意味ですが
いろんな水晶(とガラス)に同じ名前が付いているあたりが混乱ものと。
数あるうちの一つしか知らないと、誤解することもあるかもしれません。
どれが偽物、どれが本物というわけではありませんが、とりあえず知っておいて損はない……はず。
ただし、
ガラスビーズに「……クォーツ」という名前を付けることだけは納得できません

レモンクォーツ
原石派石好きKUROにとって、レモンクォーツと言えばこれ。硫黄が内包されることでレモンイエローに色づいた水晶です。
そのままではもちろん無臭ですが、傷つけたり割ったりすると硫黄の香りがする……とか。
ちなみに海外では「Lemon Quartz」で検索してもなかなかヒットしてきません。
レモンクォーツ
「グリーン・クォーツ」「グリーン・ゴールドクォーツ」とも言われる。
言われて見れば、ちょっと緑がかっているような鮮やかな色の水晶で、自形結晶ではなく塊状のかけらで売られている。
天然の色ではなく少なくとも加熱、もしかすると放射線照射と加熱によって変色させた色である。
レモンクォーツ
「天然シトリン」としても売られていることがある。たいていは磨きのポイントか丸玉、時にビーズ。
これはおそらくスモーキーを加熱して作ったシトリンである。
スモーキーのうち、鉄分を含んでいると加熱した場合にスモーキーの黒〜茶色の色味が消え、鉄イオンによるシトリン色になるらしい。
天然の水晶ではあるし、地熱によって自然に起こりえる変化でもあるけれど、加熱して作った色を「天然シトリン」と言うかどうかは、微妙なグレーゾーン。
レモンクォーツ
……という名前で天然石コーナーで売られていたガラスビーズ
内包物っぽいテクスチャや粒ごとに色の濃さが違うあたりは、大変天然石っぽいが、実はガラス。
ガラスにフッ素を混ぜてオパールの効果を出したオパライズ・ガラスの一種である。
水晶とさわり比べた場合に水晶ほど冷たくなく、内部に気泡が確認でき、オパライズ・ガラスに特有の青い光も確認できる。
オパライズ・ガラスはオブシディアン・オパール、人工オパールという名前で売られていることもあるが、いずれでもなくガラスである。

 説明が混ざってます!

硫黄による黄色ではないレモン・クォーツ
これはちょっと白濁タイプ。
完全透明もある。


硫黄を内包したレモン・クォーツ。内包物の色なので、完全透明にはならないし、もやもやとした内包物のムラがある
最近は天然石、パワーストーンと言えばビーズでブレスが当たり前。
原石好きのKURO@管理人としては、少々寂しいです。
そして、ビーズは加工や商品名が多く、原石の状態を見ることが少なくなるために、加工されているか否か、その名前で正しいかどうかを見分けにくいという弊害があります。

レモン・クォーツもそのひとつ。

淡い透明レモンイエローのビーズに対して、「硫黄を内包しているためにレモンイエローになったものです」という説明がされていることがありますが、これは
間違いです。

硫黄内包のレモンクォーツは実在します。
こちらの方が昔から「レモン・クォーツ」の名前で呼ばれていて、ビーズやルースに加工される淡い透明レモン・クォーツは「パイナップル・クォーツ」の名前でした。
それがいつの間にか見た目レモン・イエローだからと言う理由で「レモン・クォーツ」と呼ばれるようになったようだ……と記憶しています。

つまり、淡い透明レモンイエローの石英を「レモン・クォーツ」の名前で呼ぶことが多くなったのは、比較的最近。
そのため、「レモン・クォーツ」で検索すると「硫黄内包のレモンクォーツ」の説明が数多くヒットします。

そこで……「レモン・クォーツ」で入荷した石に説明を書こうと調べてみたら、ヒットするのは「硫黄入り」。名前が同じレモン・クォーツなのであっという間に間違われ、硫黄入りではない石に「硫黄によるレモンイエロー」という間違った説明が付けられる事態が多発しています。

淡い透明レモンイエローのビーズ(やや白濁したタイプもあり)が、硫黄入りではないとする理由は以下の通り。

理由1:硫黄入りのレモン・クォーツは完全透明にならない
硫黄はもやもやとした感じに内包されるので、ビーズで見かけるような「透明レモンイエロー」にはなりません。

理由2:透明な部分だけを加工したとしたら歩留まりが悪すぎる
硫黄入りレモンクォーツの透明なもの、透明な部分だけを加工した……左の写真でもわかるように、ほぼ透明に見える部分は少ないです。一番加工しやすい石の中心部分ほど硫黄が内包されます。透明部分だけを選りすぐっていたのでは歩留まりが悪すぎます。

理由3:硫黄入りレモンクォーツはたくさん採れない。
硫黄入りレモンクォーツはブラジルで産出しますが、意外に量が少ないです。
ミネラルショーでも見かけない場合が多いです。
そんな水晶がビーズとなって大量に出回るとは思えません。

では、透明レモンイエローの「レモン・クォーツ」はなにものか。
どうやら、「スモーキー・クォーツを加熱したもの」という説が有力です。
普通のスモーキー・クォーツは加熱すると色が消えてしまいますが、中にはうっすら黄色になるものもあるそうです。また、シトリンの黄色とは違う、微妙に緑がかった色合いは、スモーキーに含まれる微量のアルミニウムが関係していると言われています。


ローゼライトとローゼライト(実はロゾライト)

文字通りバラ色の「ローゼライト(Roselite)」という鉱物があります。
ところが、ピンクのグロッシュラー(ガーネット)もローゼライトと呼ばれている……?
待ってください、ガーネットの方は、正しくはロゾライト(Rosolite)。
間違えたあげくに名前が同じになっちゃった。ややこしすぎ。

ローゼライト
ローゼライトはカルシウム、コバルト、マグネシウムからなる砒酸塩鉱物。
同質異像のベータ・ロゼライトもあり、どちらも美しいローズ・ピンク。

水晶に覆われたものも、この美しさ↓
ロゾライト(ロゾライトのはずなのに、ローゼライトと紹介されている場合あり)
産地はどちらもSierra de la Cruz, Coahuila, Mexico。グロッシュラー(灰礬柘榴石)の中で、メキシコのこの産地のものは、美しいピンク色、イチゴミルクのような色をしている(鉄またはマンガンによる着色といわれている)。スペイン語で「バラ色の石」の意味で「ロゾライト(Rosolite)」の別名を持つ。

宝石サイトなどで、「ローゼライト」の名前で紹介されているのは、右の薄ピンクの石が多いが、鉱物サイトでは、左の濃いピンクのものが多い。バラ色ゆえの別名ならば、左のような疑う余地なく「バラ色!」のものをこそ、ロゾライトというべきではなかろうか。
(366日の誕生日石でローゼライトとあるのを見て、左のローゼライトだと思って、「なんてレアな石があるんだ!」とびっくりしたら、こちらのガーネットのことでした)

不思議なことに、バラ色の方は「ラズベリー・ガーネット」の別名で呼ばれている。
「ロゾライト」は「バラ色の石」の意味なので、英語風に直せば「ローゼライト」かもしれないが、呼ばれているのがスペイン語圏のメキシコのガーネットであること、ローゼライトという正式な鉱物名を持つ石あがることから、やはりロゾライトとし、メキシコ産のバラ色のガーネットを指していうべきだと思う。


366日の誕生日石についてツッコミするためにいろいろ調べていると「ジュエリー・ショップ」のサイトやブログに行き着きます。
ジュエリー・ショップというからには仮にもショップなのだから説明もちゃんとしているだろう……と思ったら、「これはおかしいでしょう」という点がいろいろと出てきます。
たとえば、「透明グロッシュラーライト・ガーネット」というのが出てきますが、透明、すなわちカラーレスのグロッシュラーで「リューコ」と呼ばれる石があります。調べれば出てきます。なのに、「透明なものは見かけないから、緑のガーネットのことだと思う」と、紹介するのはどうでしょうか。
中には、上記の「ローゼライト(ピンクのグロッシュラー)」のところで、「パキスタン産」で「オレンジ色のスペサルティン」を「パキスタン産のローゼライト」と紹介していたところもあります。ウレキサイトを水晶の一種としていたところも。

もともとの「366日の誕生日石」の記載も首を傾げる点が多いのですが、ジュエリー・ショップでも「変」な点が多いとは。
鉱物とジュエリーの分野では名前が違っていたり、名前は同じでも意味するところが違う場合もあります。しかし、その点を差し引いても疑問な点が予想以上に多いです。ジュエリーショップといいながら、お店の知識にばらつきがあるのか、石の規定の方にばらつきがあるのか。
利用する側も「間違っている場合があるかもしれない」と注意することが必要です。


オニキスとオニキスとオニキス

オニキスといえば真っ黒ビーズ。石としては黒いカルセドニー。これ、常識。
……と思っていませんか。
実は違うオニキスがあるんです!

オニキス
オニキスと言えば、こんな真っ黒ビーズを思い浮かべる人も多いのでは?
石としては黒いカルセドニー。ビーズはほとんど染めだそうです。
最近ではくっきりした色合いの単色カルセドニーを「○○(色名)オニキス」という場合も出てきました。
それでいいのかなあ……
オニキス
モノトーン系の色合いでまっすぐな縞模様が入ったアゲート(瑪瑙)。
宝石の分野でオニキスといえば本来こちらだったとか。
オニキスは「縞瑪瑙」の意味で、赤茶色のカルセドニーであるサードに縞模様(オニキスの要素)が入れば「サードオニキス(サードオニックス)」
オニキス
こちらはカルセドニーでもアゲートでもなくて大理石
縞模様の大理石を、建材の分野では「オニキス」と呼ぶそうです。
100円ショップダイソーなどで、「オニキス」と名前が付いた縞模様の石を見かけますよね。


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