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見て、比べて、考える。
その16
よく見て、ビミョーに違うのよ。

実物が似ているから、名前が似ているから間違えられる。
それはわかります。つい、間違えてしまうかも。
でも……名前も見かけも違うのに、「いっしょでしょ?」とまちがえられることもあるみたい。
それはちょっと……よく見て、ビミョーに違うんです。



カーネリアンとサードオニキス    チベットアゲートとボツワナアゲート 
 ブルー・カルセドニーとシーブルー・カルセドニー 



カーネリアンとサードオニキス 
「一緒でしょ?」と言われたときはちょっとびっくりしました。
いや、どちらもカルセドニー類ではありますが、それぞれ色も模様も違うと思います……。
たしかに石は一つ一つ色合いが違うし、中間の色合いや微妙な模様も多いので、これはこっち、それはそっちとクリアに分類できないものも多いです。
それが天然の魅力でもあるわけですが、天然石ビーズがブームになってからは、そのバリエーションの豊かさが仇になっている様子。
たとえば、右のビーズは「カーネリアン」として売られていました。
カーネリアンとは、赤いカルセドニーにつけられた別名です。写真で言えば画面左側の二つがカーネリアンです。淡い色のものはカルセドニーとしか呼べません。

しかし染めて色をそろえることなしに一連全部を同じ色にするのは無理。同じ塊の原石から削りだしたとしても色合いはさまざま。
色とりどりの方が見た目にきれい……いろいろな理由で一連に含まれるビーズの色はバラバラになったけれども、とりあえず付けられた名前がカーネリアン。
そのため、それを買った人が、本来カーネリアンと呼ばれない淡い色のものまで「カーネリアン」だと思ってしまう。
……そんな感じで名前が示す色や模様の範囲が、急速に曖昧になってきている気がします。


では、カーネリアンとサードオニキスはどうでしょう?
まず一つ知っておきたいのが「サードオニキス」は「サード」に「オニキス」という要素が入ったという意味の名前だということです。
まず、サードについて考えます。
カーネリアンサード
わざわざ違う名前が付けられたのですから、それぞれ違う特徴があるのです。

カーネリアンは、赤いカルセドニーに付けられた別名。サードは赤と言うより茶色っぽいオレンジ色のカルセドニーのことです。
赤と茶色系オレンジ。まず
色の差があります。

カーネリアン

サード
カルセドニーというのは、ここでは半透明で縞模様がない(はっきりしない)ものを指します。
縞模様が顕著であれば、アゲートと呼ばれます。
アゲートの中で、黒地に白の直線模様のものが、オニキスです。
オニキスの語源は「爪」爪の白い部分のような縞模様を表していました。
今ではビーズでオニキスと言えば真っ黒のものを思い浮かべますが、オニキスと言う名前が示す特徴は、本来は縞模様でした。そのことを示す例として、建材の分野では、縞模様の大理石を「オニキス」と読んでいるところがあります。
サードオニキスは「サード」+「オニキス」。つまり茶色がかったオレンジのカルセドニーに縞模様の要素が加わった赤縞瑪瑙(厳密にはオレンジがかった茶色に白の縞模様)なのです。

これが本来のオニキス

サード
+ 縞模様(オニキス) =
サードオニキス
よってカーネリアン(模様なし)、サードオニキス(縞模様)という違いとなります。
ビーズを見ているとこのような本来の分け方を無視して名前を付けている場合が多く見られます。だから勘違いもおこってしまうのですが、本来の名前が示すものを見れば、「一緒の名前で売られてるんだから一緒でしょ?」というのがちょっとおおざっぱだと言うことがおわかりいただけるかと思います。
カーネリアンは天然で深い赤。
縞模様は目立たないカーネリアン

※染めではない色という点を重視してオレンジ色のものも含める場合が多い。
サードオニキスは赤〜オレンジ〜茶色に白い縞模様が入ったアゲート。
カーネリアンと赤瑪瑙
一見してカーネリアンに見える真っ赤なビーズが「赤瑪瑙」の名前で売られていることがあります。
瑪瑙=アゲートで模様があるはずなのに縞模様もないし、何が違う?

二つほど説があるようです

瑪瑙=アゲートなのですが、瑪瑙は古くから使われてきた言葉で、昔は模様のあるなしではなく現在ならカルセドニー(玉随)と呼ぶ模様ナシのものも含めて瑪瑙と呼ぶ習慣があるようです。
そのためカーネリアンを赤瑪瑙と呼んでしまった……というのですが、カーネリアンの和名は紅玉随。赤瑪瑙ではありません。

もう一つ。
カーネリアンは他よりも際立って赤く美しいために別名がつけられましたが、これはこのように(天然で)赤いカルセドニーがありふれたものではない=希少性があるから名前を付けて特別扱いされているとも言えます。
しかし、カルセドニー・アゲートはとても染めやすい石でもあります。天然で赤いものは少なくても、染めればきれいな赤にできるのです。
しかし染めた赤いカルセドニーを「カーネリアン」の名前で取引できないため、業者サイドで「赤瑪瑙と呼んで区別している……というのですが、これは確かにあり得ると思います。(参考サイト)


「同じでしょ?」でとまどった第2弾。
チベットアゲートとボツワナアゲート 


「どっちも縞瑪瑙(バンデッドアゲート)で、産地で区別されてるだけ」……そんな意見を見たことがあります。確かに縞瑪瑙と言えばどちらもその通りなんですが。間違いではないんですが。
「どちらも同じ縞瑪瑙」を「たまたま産地が違うから違う名前が付いているだけ。気にしなければどっちをどっちで呼んでもかまわない」というニュアンスで理解してしまうと、それはちょっと違います。
カルセドニーの中で模様がきれいなものがアゲート。
アゲートの中で縞模様が顕著なのが縞瑪瑙(バンデッドアゲート)。

アゲートにはそのほかにも、細かく縮れたような繊細な縞模様のレースアゲート、苔のような内包物のモス・アゲート、虹色のもこもこ模様があるファイアー・アゲートなど、その模様によっていろいろに分類され、さまざまな名前があります。
このように分類すると、確かにチベットアゲートもボツワナアゲートも縞模様が顕著な縞瑪瑙(バンデッドアゲート)になるわけですが、だからといって違っているのは名前くらいのそっくり同じ石ではありません。




チベットアゲート
色合いは黒、白灰色などモノトーンの色合いが多い。(赤・白・オレンジのものもある)
縞模様の特徴はほぼ不透明に近い色の層が重なる感じ。ボツワナ・アゲートと違って層と層の間に透明感はない。
縞模様は直線的でグニャグニャ曲がっているものは少ない。
ボツワナ・アゲート
色合いは茶色〜ベージュの中間色の柔らかい色合いが多く真っ黒などは見かけない。赤み系のもの、イエロー系ものももあるが全体的に「柔らかな色合い」。
縞模様の特徴は紙を重ねたような白い縞で。紙と紙(層と層)の間に透明感があること。
そのために磨き方によっては層が立体的に見える
……このように、産地の他にも色合いと層と層のあいだの透明感に違いがあるのです。
細かいことかも知れませんが、縞瑪瑙の中でチベットアゲート、ボツワナアゲートと区別すること自体が細分化された細かい話ですから、ここはきちんと区別するべきではないでしょうか。
特に・ボツワナアゲートの繊細な縞模様は独特なので、見慣れると他のアゲートとは容易に区別ができると思います。
チベットアゲートと天眼石
チベットアゲートで天眼石と呼ばれるものがあります。天眼石とは「眼」の名前のとおり、チベットアゲートのはっきりした白黒縞模様を生かして丸く磨き、目玉のような模様を表したもの。
つまりチベットアゲートがすべて天眼石なのではなくて、目玉に見えるように磨いたものが天眼石なのです。
特にビーズでは、穴の方向によって目玉模様に見えたり見えなかったりします。同じチベットアゲートから作られたビーズでも、目玉模様がなければ天眼石ではありません。

最近どうも区別があやふやになってきているような気がする
ブルー・カルセドニーとシーブルー・カルセドニー


けっこう明確に色味が違うと思うんですけどね……、
最近「これはブルー・カルセドニーですか?シーブルーですか?」という質問を見かけるし、
それに対する答えも「え?」と思う時が……。
そういえば比べているところは少ないかも。比べましょう。
ブルー・レースアゲート(天然色)
ブルー・カルセドニーに細かな白い縞模様が入ったものと思えばよい。
これがブルー・カルセドニー(天然色)
色のイメージは「秋の青空」。
こちらがシーブルー・カルセドニー(染め)。左と比べると緑がかった水色であることがわかる 青瑪瑙(染め)
青でしょ、縞模様がないからブルー・カルセドニーでしょと勘違いすると危ない。
どうでしょう、違いがかなりはっきりしていると思いませんか?
大きさや質によって色味の濃い薄いはあってもブルー・カルセドニーとシーブルー・カルセドニーでは「色が違う」のです。
ブルー・レースアゲートではかなり白っぽかったりするのもありますが、青みはブルー・カルセドニーのものです。

ついでにブルー・レースアゲートと青瑪瑙もあげてみました。
ブルー・レースアゲートとブルー・カルセドニーは色味が似ています。産地も同じで、南アフリカの方。
ブルー・カルセドニーにレースを思わせる白っぽい繊細な縞模様が入ったものと考えるとわかりやすいです。
もうひとつ、青瑪瑙。
瑪瑙というわりに縞模様はないし、他の石がとかくカタカナで呼ばれるのにわざとらしく「瑪瑙(めのう)だし」。
どうやらこれは染めであるようです。同じく縞模様ナシでくっきり赤いビーズがカーネリアンではなく「赤瑪瑙」として売られているのは、染めであるためカーネリアンの名前で取引ができない(仕入れなどの書類上、赤瑪瑙と記載される)ためだと聞いたことがあります。
それと同じように青瑪瑙も染めであるためブルー・カルセドニーの名前では取引できないのだと思います。


石の名前(鉱物名ではなくて通称・俗称・流通名・商品名など)は時とともに名前の示す色や模様が移り変わったりします。
しかし、
いい加減な名前の付け方や流通の都合によってだんだんルーズになるような変化は、妥当な変化だとは思えません。
違う名前が付けられたということは、何らかの差異があるからこそ。
一応はその差を知って、名前が示す本来の石を把握し、できることなら正しく用いたいものです。

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