「ブラックサードオニキス」と聞いて、目が点になりました。
ナンデスカ、それは。
私にとってサードと言えばオレンジ〜赤茶色のカルセドニー、サードオニキスと言えばサードに白い縞模様が入ったアゲート。
つまりサードオニキスとは色はオレンジ〜赤茶色系、模様は直線的縞模様……と、色と模様がばっちり示された名前なのです。
それが「ブラック」とは何ごとでしょうか。
さっそく検索してそのビーズを見て、今度は口あんぐりです。
これ……オニキスでしょう。穴の向きによっては天眼石とかチベットアゲートとかバンデットアゲートと呼ばれてるはずです。(詳しくはこちら)
つまり、チベット産と言われる黒、灰色、白、ちょっぴり茶色のモノトーン系アゲートです。
繰り返しになりますが、もともとオニキスとは黒地にすっきり細い縞模様入りのアゲートのことでした。(オニキスとは「爪」の意味。縞模様を詰めの白い部分に例えたのでしょうか)
今ではビーズの分野では真っ黒カルセドニーがオニキスと呼ばれて久しいですが、オニキスとは「縞模様」を指していたのです。その縞模様がサード(オレンジ赤茶色系カルセドニー)に加わると、サード+オニキスでサードオニキス(サードオニックス)になるわけです。
ゆえに、漢字で表せば「赤縞瑪瑙」。 つまりオニキスの赤バージョンという意味です。
ブラックサードオニキスになると、
「本来黒い石の赤バージョンの黒いの」
ということになってしまうわけで、これがとても変な名前だとおわかりいただけるでしょう。
中には茶色と白の縞模様に黒い色が混じった瑪瑙をサードオニキス・ブラックとしているところもあって、「黒が混じったサードオニキス」「黒っぽいサードオニキス」と解釈すれば、まあ、なんとか……なんですが、これもただ「アゲート」とした方がすっきりすると思います。
あるショップがいい加減な名前を用いると、それを買った人はその名前で呼び、この石で作った……とブログや掲示板で発言し、その名前が広がっていく。
そんな間違い拡大再生産がおこらぬよう、ショップサイドで名前には気を遣っていただきたいものです。
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これがサードオニキス
……これと同じ石がブラックサードオニキスと言われていたんですけど……
これが本来の「オニキス」
黒っぽいサードオニキスでブラックサードオニキス? 普通にアゲートでしょう。
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