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ミネラルショーのお買い物心得

ミネラルショーと言えば、石好きさんの祭典。
原石、磨き、アクセサリー、ビーズ、化石などのさまざまな石が国産・外国産を問わず、ずら〜りと並ぶうれしい場所。ミネラルショーに足を運んだ方ならおわかりでしょうが、あそこは一種の異空間油断すると雰囲気に酔わされ、あとになって「何で買っちゃったんだろう?」「しまった、高かった」なんてことも。
以前に、「ミネラルショーを攻略せよ」というコーナーを作りましたが、今度は「ミネラルショーのお買い物心得」で迫ってみたいと思います。

さてさて、しょっぱなから無粋な話ですが、石屋さんは石を売るために、ミネラルショーに出店しています。
そしてもちろん、私たち石好きさんは、良い石を買うために。
できれば安く良い石を一網打尽にしてくれようと意気込んでミネラルショーに参戦するのです。

なるべく売り上げを上げたいのがお店の希望ならば、なるべく良いものを安く買いたいのがお客の心理。
いわば、ミネラルショーは、売り手と買い手のコミュニケーションの場であり、知恵比べと、運と、こだわりと、欲望渦巻くぶつかり稽古の場でもあります。
そこから客観的になって抜け出ることができるか……それが勝利への道なのです。

ところが、私はといえば、毎度毎度「うきゃー! ロシア水晶が豊作ッ」などと、客観的にはほど遠いありさまなので、石好き仲間の桃猫さんにお知恵を拝借。リライトしつつ、キモに刻むことといたします。
※桃猫さんの話題満載のブログはこちら


●ミネラルショー攻略のポイントとは。
ずばり、経験と馴れ。経験と情報戦略がポイントというわけです。あとは……体力勝負。
毎年のことですから、今回がダメなら次回が、別のショーがあるさというくらいの余裕を持って楽しみましょう。
ただし、ものが天然資源だけに、今年は豊富でも翌年はどうなるかわからないのも確か。値段や品質・量の流れがどうなるかは、専門家ですら読めないので、運にまかせるか、自分なりの小さなこだわりに賭けてみては。

●運と体力配分
時には大勝負を賭けるべき巡りあわせもあります。
そんなときには、雰囲気でそうとわかるはずなので、あまりに躍起にならずに、HOTになりすぎたら、会場外で一休み。休息と集中の繰り返しで体力配分を。
好機に常道なし。巡り会うときには巡り会うのですから。

●冷静さもお忘れなく
あくまでも石の祭典を楽しむという観点から、無理な買い方や、何が何でも買わねばならないという、はやる気持ちを抑えて、まずは勉強のつもりで価格帯のひととおりを見て回る冷静さを。
ただし、レアで人気の石ねらいの場合は、タイミング勝負の場合もあります。

●価格調査も重要
ミネラルショーでは、同じ石が店によって異なる値段で売られている可能性大。
あらかじめ自分が好きそうな石が並んでいるブースやショップをチェックして、会場内をぐるり一周。その後、またじっくりと好きそうなブースだけ重点的にチェック。

●在庫もチェック! 追加品もチェック!
並べてある石以外のものがある場合も多いので、もうちょっと大きさが……、色が……という場合は「この種類の石は、ここに並んでいるので全部ですか?」、と、在庫がないか聞いてみるのも手。
初日や2日目には店に出していない石があったりします。(出してくれないこともありますが)
国内業者の場合は、追加で運び込んだりするので、複数日参戦の人は、あきらめずにトライ!

●ちょっと待て。飛びつく前に右左。
「意外にお得!」だったり、「割引しますよ〜」なんて言われると、ついついその場の雰囲気で財布の紐もゆるみがち。
あとで、しまったぁ〜! なんてことにもなりかねません。
自分がこだわるポイントが何なのか。自分の価値に見合っているのか、一旦停止で左右を確認する余裕を持ちたいものです(笑)。

●脇役ねらいが穴場!?
鉱物系石好きさんなどで、レアな鉱物を探している場合、その鉱物が主役ではないけれど、いくつかの種類の鉱物が共生している、そのコンビネーションの一部としてお目当て鉱物が入っている場合があります。
そういう場合はけっこうお得な値段である可能性が大!
レアでなくてもトパーズと水晶とか、二つのターゲットが一つで買えてしまったり。これも賢い買い方の一つです。

●トレードネームにご注意
石には、鉱物としての名前とは別に、産地での通称や、慣習的な名前、よりかっこよく見せるため(?)の名前もあったりします。「Glossary」をご覧下さい。
たとえば、シトリン・トパーズがトパーズではなく水晶であるとか、ニュージェイドが翡翠ではなくサーペンティン(蛇紋岩)だというのは、あまりにも有名です。

翡翠とひとくくりにされていてもジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉))があって、宝石扱いされるのはジェダイトの方。
ですから、ネフライトを翡翠だよという分には、間違いではありませんが、ネフライトをジェダイトとして売る、サーペンティン(ニュージェイド)を(宝石の)翡翠だと言って売るのは、マナー違反。
しかし、ネフライトを翡翠だよと言われて、買う側が翡翠ならば宝石的価値があるだろうと思って買ってしまうとか、ニュージェイドですと言われて、勝手に「じゃあ、翡翠なのね」と思ってしまうのは、これはコミュニーケーション不足、勉強不足といわれても、ある意味仕方がありません。

●初日と3日目!
珍しいものを狙うなら初日。スタンダードな石を安く狙うのなら、最終日の一日前の日。
※最終日……と思っていたのですが、最終日はみなさん早々と店じまいしちゃったりします。
お店の人は、重い石を持って帰るよりショーで売りたがっています。
ですから、量や、大きさ、値段の高さなど、合計金額が高い金額になるほど、値引きの相談にも応じてくれます。

●商品に二手あり
ショーでは、お手軽価格の放出品と、一品限定とでもいうべき秘蔵品の2種類を用意しているところがあります。
放出品ねらいなら、品質をよく見極めて。
秘蔵品ねらいなら、お店側の言い値にならないよう、検討が必要ですね。

●情報戦略で挑め!
情報交換も良い石獲得への近道。石屋さんも互いの店を見ていたりするので、同業者間のつながりで、「あそこにあったよ」と教えてもらえることもあります。
もちろん、石好きさん仲間での情報交換も効果大!
ライバル同士であることもありますが、たいていは、ちょっとずつ好みが違うものです。
「私は○○が欲しい!」と情報公開しておくと、結果的に、情報が集まってくる率が高まります。
お店の方とも他の石好きさんとも、コミュニケーションが大切なのです。

●ミネラルショーに学べ!
持っていない石、あるいはふだんは買わないような石を、この機会に安い値段で買うのか、はたまた、ふだん買えないような石をねらって、丁々発止の値段交渉するか、石の種類やグレード、値段や流通傾向などについて、この機会にいろいろな学ぶのか。ミネラルショーは、さまざまに利用できる勉強の場でもあります。

無理して「パワーストーン売り」しないで欲しい……
ミネラルショーといえば、「鉱物ショップ」さんが出店するイベント……だと思っていたら、最近はパワーストーンの効能を説明して塗っているところが目立つようになりました。
同時に「あのー……」といいたい間違いも多いので注意。「横筋がついている水晶はレムリアン」「七つの鉱物が入っているぞエレスチャル」……そのほかいろいろ。
無理してそんなことしなくていいのにと思いますが、お客さんがそういう情報をほしがるためもあるのでしょうね。「間違ってる」「信用できない」と目くじら立てるより、買う側も勉強していった方が楽しめます。

●買うときは最終チェック
人の手に触れやすい場所に陳列してある石は、当然のことながら、何回か手に取られるうちにダメージを受けてしまうことも考えられます。それにこだわる人は、よくよくチェックしてから購入しましょう。
もちろん、店頭で石を見せてもらうときは傷つけたりしないように十分注意しましょう。

●量り売りマジック
隕石類は、たいていグラム売り。
大きなものはそれなりのお値段ですが、大きいものほど負けてくれる率も大きくなるので要チェック。
大物の石類全般に言えることですが、重量の大きな石は、なんとか売りたくて会場にもってきています。値引きチャンス大ですぞ。

●「ショー値段」はあるか。
意外にない、というのが真相かも。実店舗を持つ国内業者は、お店に並べている品を持ち込みます。
ショーのために一つ一つ値段を付け替え、終わったら元に戻すのは大変。そのため一品ものの標本などは、ほぼ通常値段と考えていいですが、ビーズなどは、ほかのお店と張り合って安くしていたり、均一価格販売があるところも。お店によっては日替わりセール品コーナーを設けているところもあったりするので要チェック。

しかし、海外業者の値段は、国内業者が仕入れて売るより安い物が多いです。
これは、買う側にとってはショー価格。為替相場の影響もあります。

そして意外なねらい目が「値段のつけまちがい」。
海外業者が、円の値段を付ける際、ユーロなどの換算を間違えてしまうことがあるのです。
この間違いは、文字通り「ケタが違う」ことも。
だいたいの価格がわかっていないと見つけられませんが、こういう「ショー価格」もあります。

●喜びは心の中で
「これは値段の付け間違いでは!? ラッキー!」というような、相場よりも安い値付けをしているコーナーなどがあっても、『 安い!安い!』などと大声で騒ぎ立ててはいけません(笑)。
はやる心を静め、にやける顔を引き締めて、心の中で小躍りしましょう。
業者の勘違いだった場合、「あ、これ間違いね」と、値札を変えられたケースあり。

●覚えていればトクをする?
ミネラルショーに出店しているのは、多くが「鉱物屋さん」です。
そのため、webショップなどで「パワーがある」などと言う理由で高く売られている石が、標本としてのスタンダードな価格で売られていることも!
ただし、パワストやクリスタルヒーリングの分野で用いられている商品名では売られていないことが多いので、セールス・ネームを持つ石が、実は何という石であるかを覚えておくと、掘り出し物に巡り会えるかもしれません!

●注意したい石メモ
中国産緑水晶
表面付近が緑色に色づいたクラスター。全体的に粉っぽい感じなのが特徴。
「最近発見されたんです、珍品です」などと、緑色の原因を言わない品には要注意。

黄色や紫のバージョンもある。
中国産の青いヘミモルファイト
アラゴナイトを青く染めたものをヘミモファイトと称して売っていて問題になったことがあります。

チェルミガイト(ロシア)
紫色のピラミッド状結晶が母岩にくっついているもので、天然でも存在しますが、売られている紫色のものは、人工的に結晶させたもの。水に溶けるそうなので注意!(チェルミガイトではなく、色を付けた明礬の結晶だという噂も!)

シー・ブルー・カルセドニー
半透明のターコイズブルーが美しいが、この色は染めらしい。

人工ガーデン
天然のガーデンクォーツの裏側からドリルで穴を空け、そこに鉱物の粉末を詰めてふたをしたもの。
まだ実物は見たことがないが、ブラジルで作られているらしい。

ロイヤル・ブルー・ムーンストーン
ペンダントなどに加工されているものは、裏側に注目。
裏側がフタされているデザインの場合、石の後ろに青いシートをはさんで、青い輝きを強調しているものもある。

インカローズ/ロードクロサイト(ビーズ)
縞模様がなくて色が濃く鮮やかなものは高価だが、カルセドニーや クォーザイトを染色したものもあるらしい。

化石
異なる化石の破片を継ぎ合わせて「新種」を作ったり、本物の化石から型どりをしてつくった「レプリカ」が本物として売られていたりします。

ルース
合成や模造品が紛れ込んでいる場合も。
高額商品を買う場合は、領収書をもらいましょう。「業者名、日付、金額、品名」は最低限必須です。

いかがでしたか? 少しでもお役に立てれば幸いです。がんばって、ミネラルショーを楽しみましょう!

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