名前あり! おお、ヘンテコ!!……と叫びたくなりますが、ちゃんと名前がある水晶です。 その名前は、「スケルタル・クォーツ」。 エレスチャルといった方が通りがいいかもしれませんが、エレスチャルという用語は、実にさまざまな形態を広く含んでしまうので、個人的には以下のように分類して呼びたいと思っています。
名前の行方 エレスチャルは「水晶の長老」と呼ばれまることがありますが、これについてはすでに自説を展開してしまったので、ここではくわしく説明しません。 簡単に言えば、エレスチャルと言われる水晶は、結晶学でいうと「骸晶」と言われるタイプにあたり、結晶の元となる成分の濃度が濃い、専門的に言うと「結晶化駆動力が高い」時に現れる形なのだそうです。 つまり、結晶の材料となる成分が豊富なために、結晶しやすいところからどんどん結晶してしまったあわてん坊な水晶だといえます。 そう! じっくりゆっくり結晶したのではなく、 透明できれいな水晶よりも結晶した速度は速いはずなのです。 特に写真のような水晶は、結晶のもととなる成分がブラジルやインドのエレスチャルよりは少なく、透明できれいな水晶よりは多いところで結晶したと思われます。 水晶のような形では、平面の部分よりも角の部分が結晶しやすくなっています。 そのため、面の真ん中が結晶するのを待たずに、結晶の稜線の部分がどんどん結晶してしまい、スケルタル(骨格、骨組み)という名にふさわしい形になってしまいました。 こういうタイプを「窓水晶」と呼ぶこともあるようです。「ウィンドウ」だと、錐面と端面の間にある菱形の面を指すこともあるので、ちょっとややこしいですね。 以前、エレスチャルの話をしたときは、この水晶を持っていなかったので、このたびスケルタル水晶らしい石ということで再度話題にしてしまいましたが、ちょっと新たな発見をば。 私は「エレスチャル=天使の贈り物」だと理解していたのですが、より厳密には、メキシコ産の層状に結晶したエレスチャル……というかスケルタルを「天使の贈り物」というらしいです。 誰が「天使の贈り物」といいだしたのか、その原典を読んでいないので、又聞きでしかありませんが、今回もう一度調べていたら、メキシコ産スケルタルだとする説がいくつも見つかりました。 透明で端正な水晶(たとえばアカーンソー産など)は、確かに美しいですが、光に透かしたときに光を幾重にも反射して輝くスケルタルもまた意外な美しさを秘めています。 このきらめきをして「天使の贈り物」というイメージを与えたのだとしたら、なかなかロマンチックではありませんか。 ちなみに写真の石は、みごとにスケルタルで、面の真ん中はへこむどころかあわや貫通するのではないかと思うほど深い空洞になっています。 (2005年3月7日、ブログ掲載) |
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