アーカンソーの天使水晶 どこまでメジャーな名前かすらわからないのですが、エンジェル・ブレッシング・クォーツという名前で売られていた水晶です。 別のところではシャトー・クォーツでした。透明な水晶で有名なアメリカ、アーカンソー産です。 先端にかけてがミルキークォーツのように半透明ですが、これはチタンガスがインクルージョンとして入り込んでいるからだということです。 エンジェル・ブレッシング・クォーツは、このように半透明なものだけでなく、ほぼ透明で、チタンガスのインクルージョンが風になびくようにふわりと白く入っているものもあります。 ちょっと見には、普通の水晶の霧状のインクルージョンと間違ってしまいそうなのですが、二つを並べて見比べるとエンジェル・ブレッシング方のインクルージョンの方が「きめ細かい感じで、「そう言われれば違うかも」という感じでしょうか。 おそらく、「エンジェルブレッシング」というネーミングは、その繊細なインクルージョンから来ているのだと思うのですが、私にとってこの石の最大の魅力は形です。 結晶の一部がまるで針のような、あるいは剣山のような無数のポイントを形成しているのがおわかりいただけるでしょうか? エンジェル・ブレッシングという名前のつけられた水晶では、端正なポイントの形をしたものもあります。 どちらかというと、ちゃんとポイントになっているものの方が多く、一部に剣山状ポイントの石があると言った方が正しいかもしれません。 全体が柔らかな白のクラスターは、石の重さを感じさせないような美しさです。 端正なポイント型ではほぼ透明なものから半透明なものまでさまざまでですが、剣山状ポイントでは、剣山状になっているところはほぼ濃い半透明なものが多いようです。 チタンガス入り? こんなへんてこりんな形状は、この「チタンガス入り水晶」(←こう書くとものすごく無骨でロマンがないですね……)以外では見たことがないので、チタンガスが何らかの形で作用して、こういう無数のポイントができたのだと思います。 (追記:追加情報があります→こちら) チタンガスの白いインクルージョンがふわりとはいっているものを「エンジェル・ブレッシング・クォーツ」、剣山のような無数のポイントを持つものを「シャトー・クォーツ」(シャトーは「城」「館」の意味)……と言うのかなあ……と思っているのですが、検索しても説明しているサイトが引っかかってこないのですから確認のしようがありません。 アーカンソーのどのあたりなんだろう、とかガスのインクルージョンって聞いたことがないけれど、結晶するときに、どうやって中に入り込むんだろう? とか、ローズクォーツの発色原因のひとつにルチル(天然の酸化チタン)があるけれど、どこか関係してるんだろうか……とか、いろいろつっついてみたいところはあるのですが、今のところは謎のまま。 たいてい、水晶のセールスネームは単なる記号として使ってしまうのですが、「エンジェル・ブレッシング」と言う名前は、微妙に良いと思います。 「チタンガス入り水晶」では、この水晶の繊細な色と形を表すにはゴツすぎるし、シャトー・クォーツでは、剣山状ではない結晶には不適切なようにも思われます。 「天使の祝福」……ちょっとやりすぎ? に感じるようでもあり、これ以外にぴったり来る名前がないような気もする、ちょっと気になる名前ではないでしょうか? 以前から気になっていたのですが、なぜか大きめの石しかなく、二の足を踏んでいたのですが、このたび私好みの小さい石を発見。やっと手元にやってきたのでした。 (2004年9月30日、ブログ掲載) ※エンジェル・ブレッシングクォーツについて新たな説を得ました。→こちら |
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