マダガスカルは「けったい」だ! 楽天ブログにて「マダガスカル産の石って本当にけったいなけったいな石が多いですよね」という感想をいただいたのですが、まったくもってその通り、全面的に賛成いたします……という石に出会ってしまいました。 初・マダガスカルのアメシストです。 一見、結晶の形を持たない「ぶっかき氷風」ですが、左上の写真で白く光を反射している面を見ると、少なくとも結晶の一部ではあるようです。 「等高線」の正体は? この石最大の魅力は右の写真。石のほぼ全面を覆う不思議な模様です。 指紋のような、地図の等高線のような……。 指紋のような「溝」ではなく、階段状になっていることからすると、立体的に作った模型地図……というのが、的を射た表現かもしれません。 これは……いったい、なんなんでしょう? 水晶の割れた断面は貝殻状ですから、割れ……できた模様ではないでしょう。カルサイトに成長をじゃまされた水晶とは、感じが違います。 考えられるのは、「成長丘」と「食像(触像)」です。 水晶が成長するとき、溶けるとき 成長丘とは水晶の錐面に見られる凸状の小さな三角形です。 結晶は、新たな原子がくっついて大きくなっていくわけですが、原子がくっつきやすい場所とそれほどでもない場所があるようで、「レコードキーパー」と呼ばれる錐面の三角形は、珪酸分濃度の比較的低い場合に現れるようです。(濃度が高いとキャンドルや骸晶になってしまう) そして蝕像は、水晶が形成された空間が熱水に満たされている間に熱水の成分が変わり、水晶が溶かされた時に現れる模様だそうです。 「トライゴーニック」と呼ばれる凹状の逆三角形は、この蝕像であると説明されていましたが、まわりがさらに溶けてあたかも成長丘のような凸状三角形に溶け残るものもあるらしく、これを「食丘」と言います。 成長するときも溶けるときも、三角形がキーワードのようですが、この石の場合は……どうみても、三角形っぽくありません。アクアマリンなどでは、この蝕像によって大変複雑な形になっているものが見られますが、水晶では見かけないように思います。 さすがマダガスカル。 けったいです。実に変です。好みです。 ついでに、思ったよりもきれいに写真が撮れたのでホクホクしています。ハイ。 (2004年11月4日、ブログ掲載) |
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