ブラジル産 カイヤナイト

「触感」で見る青




さわってみたら意外にも

私が持っている中で最も「青い」といえばこの石。
残念ながら、パキスタンの青水晶もインディコライト入りの青水晶も、この石の青にはかないません。
まるで吸い込まれそうな青の石……
カイヤナイト(藍晶石/kyanite)です。
この石はモース硬度5〜7とカルサイトよりもずっと堅いのに、なぜかとてももろい石というイメージがあって、なかなか手が出せませんでした。
私が興味を惹かれるからには、当然のことながら原石なのですが、母岩と一緒になったカイヤナイトは、繊維状にぽろぽろ砕けそうに見えたのです。
その印象が覆ったのは、ミネラルショーでした。
ミネラルショーといえば、さまざまな石をたくさん見ることができる絶好の機会。
その会場で、今までもろそうだと思っていたのとは違うカイヤナイトの結晶を見つけたのです。
しっかりと層状に重なり、ぽろぽろと崩れそうには見えません。手に取ってみると……
「思ったより固い!」
ちょっと目からウロコでした。
やはり食わず嫌いというか、「触らず嫌い」はいけません(笑)。
「イイじゃないの、きれいじゃないの」とほくほくしてコレクションに加えてしまったのがこの石です。

ちょっとした攻防

イイじゃない? と思ったところで、その場にあったカイヤナイトの中から良いものを選ぼうとしていたのですが、その中に目立って色の濃い石があったのです。
おっ……と目をつけたその瞬間、その石は別の人の手の中に。
「ああ、残念。縁がなかったか」とあきらめるところですが、その人は色の濃い石を握ったまま、他のカイヤナイトを手に取ったり戻したりしています。
「もしかしたら、あの石を戻すかも」
そんなことを思った私は、しばらくその場に待機しました。
色の濃い石を握った人を横目で見つつ、他の石を選ぶふり。
そんな
無言の圧力が通じたのでしょうか、その人はついに色の濃いカイヤナイトを籠に戻したのでした。(ありがとう。そしてごめんなさい☆)

青い色を写すため

……とこんなことがあって、運良くこれぞと思った石を手に入れることができたわけですが、写真に撮るのはちょっと大変でした。
色が濃いため、光に透かさないと黒っぽく見えてしまうのです。
光に透かすといっても、懐中電灯の黄色い光では、せっかくの青が台無しです。
色をきれいに出すためにはやはり「午前中の日光」。それも完全な逆光状態で撮らなければなりません。
完全な逆光で写真を撮るとどうなるか……。
まず、デジカメのモニターは白っぽく見えてしまってピントが合っているのかどうかわかりません。まぶしくて時々くしゃみも出ます。
とにかく数を撮って撮りまくって、白っぽくなった写真を色補正です。
でも、デジカメもたいしたものです。
パソコンに取り込んだそのままでは、白っぽく見える写真も、補正をかけると、美しい青が写し込まれていました。写真の背景になっている青は、こうして写したカイヤナイトそのものの青なのです。

(2004年11月16日、ブログ掲載)


 

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