ヒマラヤ・アメシストに挑む 絶対に難しい! とはじめる前から半ば白旗を振ってしまったガネーシュ・ヒマールのアメシストです。やはりというか何というか難物でした。 なんてったって色が薄すぎ、透明度が高すぎるのです。 時間は過ぎる。光はだんだん黄色くなる。 そうだ、ホワイトバランスの調整機能があったはずだと説明書を取り出し、白い紙を前にぱちり。 つまりはデジカメに光は黄色いけれどこれが白だと覚えさせるわけです。 おお、かなり効果があるじゃないですか。 若干緑かぶりするんですけど、黄色い光による黄かぶりよりはきれいに色が出て補正もしやすいので、こっちの方がだんぜんいいです。(わたしにとっては) (印刷用語で、全体的に黄色みががかっていたりすることを「黄かぶり」と言います。) これは私が我流でやっていることですが、黄かぶりを修正するには、Phtoto Shop(エレメンツ)の「レベル補正」で青を強めているのですが、これだと全体がモノトーンじみた色味のない補正になってしまいます。 その点、緑かぶりは赤を強めて補正するので、白がきれいに出やすく、紫色も目で見たのに近づきやすい気がします。 ごく淡紫色を救い出せ しかし! 黄かぶりだろうが緑かぶりだろうが、 もとの色が写っていないのでは、補正のしようがありません! それくらい微妙な色なんです。 いつものように粘土で固定して斜めからの光をあてて撮ったのでは、普通の透明にしか写りません。 アメシストではないガネーシュ・ヒマール産水晶と並べて白い紙の上に置いて撮ってみても影の色の方が濃すぎる。 「ひょっとして、紫色に見えたのは気のせい?」 「いやいや、お店の人も淡いけれどアメシストだって言ってたし」 ひとりでぶつくさいいながら、気分転換に違う石を撮っていて、ふと見ると、ちゃんと紫色が見えるじゃないですか。 「やっぱり紫色!」と気合いを入れ直し、角度を変え、バックを変え、撮る撮る撮る撮る撮る撮る撮る……(以下略)。 デジカメであるのを感謝するのはこんな時です。 撮って撮って撮りまくったあとに待っているのは、山のような色補正。 たいていは「自動レベル補正」でいいのですが、微妙な色合いを調節するのはやはり手動に限ります。 写真を撮ったときの肉眼での色合いを忘れないうちに補正をかけるのが理想なので、ひとつひとつちまちま補正します。 黄色を押さえたり、赤を強めたり、全体的に明るくしたり……。 すると、最初パソコンに取り込んだときには見えなかった色が見えてきます。 どうか、気合いで見て下さい そんな中から、なんとか色を写し取っていたと思われるのが今回の写真です。 ディスプレイによって色合いが異なって見えるはずなので、ちゃんと見えるかどうか心配ですが、少なくとも私のディスプレイでは見えています。 左上と右下は、上でも述べたようにアメシストではないガネーシュヒマール産の水晶とともに、白い紙の上に並べて撮りました。 根本の方に黒いつぶつぶが入っているのが、比較用の水晶です。 灰色くスモーキーのように見えるのは、透明度が高いために影が石の中に映り込んでいるためです。 その影の色合いが、なんとなく紫っぽく見えないでしょうか? 本当に「心もち紫がかっているかも」というような色合いです。 肉眼で見ても、こんな感じに「見えるか見えないかの瀬戸際」な色合いです。 右下はこの「極淡アメシスト」の柱面のひとつを撮ったものです。 断面が三角形に近い結晶の狭い柱面を撮ったので、左右の広い柱面が白く写っていますが、 ちょっとくびれて見えるあたりにほんのり紫色が入っています。 (しつこいようですが、本当にかすかに) これが、ガネーシュヒマール産のアメシスト! ラベルでも単に「水晶/Quartz」になっていたので、気が付いた者勝ち、かもしれませんね。世界のどこかには、もっと色の濃いのもあるのでしょうか……。 あるいは、ヒマラヤ産でアメシストが出たということは、もしかしてアルプス産でもアメシストが存在するのでしょうか。 存在するなら見てみたい……。 ちなみに、黒いつぶつぶの方の石は、これまたごくわずか黄色っぽいかもしれません。黒いつぶは、ヘマタイトか、クローライトらしいです。 |
心惹かれたカット 今回はおまけに写真をもう一つ。なんとか見えるか見えないかの紫を撮ろうと撮って撮って撮りまくったわけですが、そんな中で偶然、「おお」と思う写真を撮ることができることがあります。 上の写真でいえば、左下のカットです。 そもそもは、写真の中央に写っている細い柱面のカクカク具合を撮りたかった写真なのですが、カメラ越しに見て、その美しさにびっくり。 他のカットでもわかるように、抜群の透明度を持つ石のどこにこんな光が隠れていたのでしょう。 なんだか、初めて石に吸い込まれるような感覚を覚えました。 「写真を撮ること自体が気持ちいい!」という感じです。 そんなイメージをこんな写真にしてみました。 おお……こうやって大きく3つ並べると、写真を撮ったこちらが逆にじっと見つめられている感じ。 もしかして、石に吸い込まれる感覚というのは、石と目が合うということなんでしょうか。 互いに眼をあわせて、「吸い込まれる」ということは…… 格が違う。 きっと完全に石に負けています、私。 (2004年11月24日、ブログ掲載) |
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