マダガスカル産 アメシスト

内に秘めた夕暮れの空




 お相手はこちら

すでに紹介したロードクロサイトまぶしのルーマニア産水晶と、籠の中で鈍感な私でさえもたじろがせた違和感を醸し出したマダガスカル産の水晶をご紹介します。
ルーマニア産水晶には、さんざん「違和感」だの「趣味に合わない石なのか」だの、かわいそうなことを言ってしまって、ちょっと反省しています。
公平を期すためにもう片割れの石も出さなくてはなりますまい。
まず、ルーマニア産水晶の名誉のために付け加えれば、決して魅力のない水晶ではない、ということです。淡い色合いも、質感も、数々の石が並ぶ店内で一番最初に心が惹きつけられた石でした。
ルーマニア産水晶の不運(?)は、次に私が選んだ石が写真のような石だった、ということでしょう。
長さは約10センチの手のひらサイズながら、幅と厚みがあるために、見かけ以上の重さと
「ごろり」とした塊感、ややこすれたような表情が古さと荒々しさを感じさせる石です。

 一撃ノックアウト

この石と並べば、ふわふわとした柔らかさを感じさせるルーマニア産の石が量感負けしてしまうのも無理はありません。しかも、こちらの方が、誰もが「やっぱり」とうなずく私好みの石なのです。
しかし!
このマダガスカルの石は、ちょっとごついだけの石ではありません。
もうちょっとくわしく説明しますと、形は不完全ながらDT。見た目は不透明なスモーキーですが、ヘマタイトか何かを含んだように赤っぽく見えました。
それでいて、錐面はリチウム水晶を思わせるシックで不透明な茶色。
某石屋さんで見かけたものの、残念ながら入手できなかったシナイ半島の水晶(!)に通じるものがある、小さいながらも堂々とした雰囲気を持っています。
……と、説明したところで、この石の半分くらいしか説明できていません。
突然ですが、どうか、あなたの石を光に透かして見て下さい。
きっと新たな発見があるはずです。
……少なくとも、このマダガスカルの石は、いつものクセで石を光にかざした私を十分に驚かし、一撃でノックアウトしました。

まさに、サプライズ!



内に秘めた空間の広さ

この石がこんなに透けるなんて!
こんなに鮮やかな色を秘めていたなんて!
……誰が予想できるでしょうか。
繰り返しになってしまいますが、普通に見る限りでは、透明度が低そうなスモーキーなのです。
写真には写しとれていませんが、この石の透け感はちょっと独特で、石の大きさ以上の空間を感じさせます。
以前、陶芸をかじっていたときに壷や抹茶茶碗は、外から形を作るのではなく、中から形を作れと教わりました。内部に豊かな空間があってこそ、ゆったりとした良い形になるというのです。
このマダガスカルの石には、壷の話に通じるものを感じます。
決して複雑な形状ではないのに、堂々たる雰囲気を持っているのは、内部に豊かな空間を秘めているからなのかもしれません。

(2004年12月5日、ブログ掲載)

 

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