ファントムのスタンダードはクリア? やはりというか、なんというか、ファントム……というとベースがクリアな水晶が多いです。 もちろん、アメシストやスモーキー、シトリンにもファントムは見られるのですが、色の付いた水晶のファントムは、どちらかというと色の濃淡によるファントムが多く、結果、「あ、よく見るとファントム」である場合が多くて、「ファントムが主役」にはなりにくいのではないでしょうか。 (ファントムという言葉から考えれば、こちらの方がふさわしいのかもしれませんが) もちろん、内包物がファントムを形成している場合もあります。 どころが、色つきであることが災いして、これまたクリアな水晶のものに比べると見た目の美しさという点では、ちょっと旗色が悪いようです。 色つきでもその色がごく淡ければ、ファントムはきれいに見えます。 でも、それではせっかく色を持つ水晶である意味がありません。 ……とかなんとか、「変なもの好き」から派生する「めずらしいもの好き」な私は、「色がちゃんと付いていて、しかも美しいファントム」を探していました。 で、見つけたのがコレ。 変わりファントムに座布団一枚! スモーキーの中に緑泥ぎっしりのファントムです。 ファントムのアウトラインを写すために光に透かしているため、スモーキーの色合いが実物より淡く写っています。特筆すべきは、緑泥が薄く層状に内包されてできたファントムではなく、中まで緑泥がぎっしり詰まり、しかもその質感のきめがそろっていること。 そのために、ファントムの形が非常に端正なのです。 緑泥ぎっしりなだけあって、しっかり色の付いたスモーキーの中でも、存在感を主張します。 「そうか、この手があったか!」と石に一本撮られた気分。見つけた方は、うれしくてホクホクお祭り気分なのですが、石の雰囲気としてはとても穏やかで静かです。 一緒に並んでいたファントムの中でも、ひときわ異彩を放っていたスモーキーの色合いは、しっかりと色づいていながらとても透明感があり、ファントム以外には目立つクラックもインクルージョンもありません。その中で緑泥のファントムは黒々と沈み、表面の細かな凹凸だけが反射して小さく輝きます。 それはまるで夜露のよう。 見ていると、静かに晴れた夜の光景を連想します。 夜明けはまだ先のことながら、空がほんのわずか白みはじめた静かな時間の光景です。 「ミッドナイト・ファントム」……珍しく感傷的な造語を作ってしまいました。 (2004年12月7日、ブログ掲載) |
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