白いヒマラヤ? 緑泥のはいったヒマラヤ水晶が欲しくて探していたときのことです。頭に思い描いていたのは、緑泥の部分と透明な部分がある、荒々しさとおだやかさの入り交じった石だったのですが、お店の棚でまったく逆の石に目がとまってしまいました。 なんというか……この石がひとつだけ異彩を放っていたのです。 色は「灰緑」。 根本の断面と、惜しいことに先がちょっと欠けているポイントを見ると、どうやら透明な層の上に緑泥入りの層が被さり、さらに灰緑の層がコーティングしているようです。 おかげでガラス質光沢もほとんどなし。 色と言い、つや消しパールと表現したい鈍い輝きといい、 「もしかして、コンクリート?」 と言いたくなる個性派。 それにこの形。「寄らば切る」どころか「寄らば突く」「刺さる」という感じです。 刺さりそうな形と言えば、ヒマラヤ水晶のチベット産のコーナーにもある緑泥たっぷりの石がとてもよく似ています。 ただし、あの石は横に寝て母岩に接触しながら成長したのか、柱面の半分がはっきりしていないのですが、この石はそれぞれのポイントがちゃんと六角形です。 あきらめきれない 他にも石はいろいろあって、例によってじっくり見ていたのですが、その最中も 「似た石はあるし」(←気になる)、 「いくら変わっていても透明感全くなしじゃ、ちょっと」(←目を離さず) 「折れそうだし」(←あきらめきれない) ……と、否定しつつも、目と意識はずっとこの石へ。 結果、この石は今、私のそばにいます。 迷うことも、一目で決まってしまうこともありますが、買ったあとで後悔はしたくないですね。 後で聞いた話では、この手の水晶はガネーシュでも険しいところでとれる石なのだとか。 (2004年7月1日、ブログ掲載) |
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