ブラジル産 ルチル入り水晶

異世界へのアンテナ





 インクルージョンの雄、ルチル。

水晶の中に景色を作るインクルージョンで私をクラクラさせるパワー(笑)の持ち主と言えば、クローライト(緑泥)。
クローライトが西の横綱とすれば、東の横綱はおそらくルチルでしょう。
クローライトがまるで自然を閉じこめたような景色を作り出すのに対して、ルチルが作り出す景色は千変万化。
クローライトを具象とするなら、ルチルは抽象という感じでしょうか。

金色だったり、銀色だったり、赤かったり。髪の毛のようにしなやかかと思えば、金属のような風情も見せる。そのくせルチルそのもの(原石)は光に透けると「金紅石」の名の通り赤いのです。
「自然は偉大なる芸術家だ」と言いますが、こんな石を見ちゃうと、「ホントだね〜」と感心して頷くことしかできません。
いやいや、むしろ自然の芸術というよりも、
「天然の現代美術!」

 アンテナみたい

まるで水晶の中に巨大なアンテナが入っているようです。
磨きなので、もとがどんな結晶をしていたのかわかりませんが、このルチルは結晶を突き破っていたに違いありません。
水晶が結晶する前からこんな姿でいたのか、水晶に包まれたからこそ、こんな複雑な構造が保たれたのか……。
考えてみると、ルチルだけでこういう結晶になっているものを見たことがないのです。

このインクルージョンは、まるでアンテナ。
きっと見る人の心に向けて、石の言葉で情報発信しているのではないか……
そんな気がしてきます。


(2005年1月25日、ブログ掲載)


 

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