かつては生き物の一部であった石 ご存じ、琥珀は太古の植物の樹脂の化石です。 意外なほど軽くてあたたかみがあるので、「石」と言ってしまっていいものかどうかちょっと迷ってしまいますが……。 まず、琥珀とはだいたい1千万年以上の樹脂の化石を指し、それよりも新しい、100面年前くらいのものはコパルとかヤング・アンバーと呼ばれます。 ドミニカ共和国、バルト海沿岸、日本では岩手県の久慈市などで産出します。 琥珀といえばちょっとオレンジ色っぽい黄色……のいわゆる琥珀色というイメージですが、実際はもっと色の濃い茶色のものから、赤、薄い黄色、白っぽい乳白色のものなど、その色合いはさまざまです。 古代ギリシャでは太陽の光が固まったものと思われていたそうです。 冬になると何故か気になる見た目も触感も柔らかく暖かい琥珀にふさわしいイメージですよね。 さて、この琥珀にも私好みの変わり種がいます。 ブルーアンバーです。 この青はどこから現れるのか 紫外線を浴びると琥珀色の中に青や緑の光が浮かび上がる何とも不思議で美しい琥珀です。 約3,000万年前のヒメネアプロテーラという広葉樹の樹脂が化石化したもので、なぜ、紫外線によって青や緑の光が浮かぶのかはくわしくはわかっておらず、火山ガスの影響で琥珀の中にある種の金属イオンが形成され、蛍光発色するのではないかといわれています。 ウェブショップなどでは「世界で唯一ドミニカ共和国で産出」と紹介されていますが、ドミニカ共和国だけではないようです。 写真の石は、メキシコ産だということでした。東欧でも産出すると聞いたことがあります。 このメキシコ産・ブルー・アンバーは1センチちょっとの小さな石ですが、太陽光にあてるとエメラルドグリーンに輝きます。 深い琥珀色のいったいどこから、こんな緑色の輝きが生まれてくるのでしょうか……。 琥珀加工の荒技 このように、琥珀は魅力的な石なのですが、魅力的な石につきものというべきイミテーションや処理ものも多いです。 幸い、発色のメカニズムがわかっていないブルー・アンバーではイミテーションや処理ものの話を聞いたことはないのですが、普通の琥珀では、イミテーションとしてはプラスチックがあります。 プラスチックも樹脂みたいなものですから、似ているといえばそうなんですが、飽和食塩水にいれると、琥珀は浮きプラスチックは沈むのだそうです。(ただし、裸石の場合) 処理ものとしては、琥珀の破片を熱と圧力で固めたものをはじめ、油で熱処理をして透明度をあげたり、花びらか鱗が散っているように美しく見えることで人気のサンスパングルと呼ばれるクラック(インクルージョン)を人工的につくるものや(サンスパングルは天然にもあります)、琥珀は150度ほどで柔らかくなることから、柔らかくして昆虫を入れてしまうという荒技もあるようです。 他の石と違って琥珀はインクルージョンによって価値が高まる石でもあるわけです。 だからといって、あとから虫を入れるなんて……。 時にはトカゲなんかも入れちゃったりするそうですから、コワイですよねえ……。 もとから入っていた虫の羽や足が生き生きと伸びた状態であるのに対し、あとから入れた虫は、羽や足が不自然に曲がっているという特徴があるのだとも言いますが、素人にはちょっと見分けにくいんじゃないでしょうか。 琥珀はモース硬度2〜2.5と柔らかく、扱い注意な石ですが、いつかもっと大きいブルーアンバーが欲しいです……。 (2005年2月7日、ブログ掲載) |
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