パキスタン産 ショール

物語石




 たむらいし

……と呼ぶ石があります。
アゲートやオパール、石英の中に樹枝状のデンドライトが内包されているものを「しのぶ石」といいますが、そういうものではありません。
スギライト(杉石)のように、田村さんが発見した石でもありません。
私が勝手にそう呼んでいるのです。

「たむらいし」……の「たむら」は、イラストレーターのたむらしげる氏のこと。
ご自身も石がお好きであるらしく、氏のサイトには、ミネラルショーに行かれたエピソードなども登場し、みなさんご存じの「水晶山脈」という本には、石好き心があふれています。

そんなたむら氏のお名前を拝借したネーミングは、つまり、もしも、たむら氏がイラストにして下さったならば、さぞかしすばらしいストーリーが生まれるだろうなあ……と思わせる石のことです。
(勝手にお名前をお借りして申し訳ありません……!)
ですから、特定の種類の石ではなく、純粋にその石の雰囲気に対して用いるネーミングです。

今回の石は、1度目は予算の都合であきらめたものの、あきらめきれずに2度目で買ってしまった石。 パキスタン産のショール(黒トルマリン)です。
ショールは、和名を鉄電気石といい、その名の通り鉄を多く含むトルマリンのことですが、まっ黒に見えるトルマリンをまとめてショールと言っていることが多いようです。
ですから、パキスタン・アフガニスタンのトルマリンでは、一見まっ黒に見えてショールとして売られていても、よーく見ると端の方が青く透けてインディコライトだったりします。

 
ショール・カテドラル

それはさておき、写真の石は端っこまでまっ黒不透明のショール。
まっ黒つやつやの細めの結晶が何本も束になって、ショールのカテドラルとても言いたいような形です。
ところどころに雪を思わせる長石(たぶん)がくっついていて、白と黒の鮮やかなコントラストになっています。

パキスタンでショールと言えば、以前にも登場していますが、パキスタン・ショール1号は、ちょうど今回の石のミニバージョン。
1号の時に使った「夜を抱く塔」というタイトルは、この石のためにとっておけば良かったと、ちょっと後悔しています。

白い砂を敷き詰めた上にこの石を置いて、背景もきれいに見えるようにセッティングして、マクロ撮影で超アップに撮影し、それを加工して、その中に、あのたむら氏のキャラクターが登場したら……。
さぞかしすてきなストーリーが……と、自分ではできないので、勝手に想像してうっとり。

ふだんは、ネパール産だ、ロシア産だ、へんてこ水晶だ……と、珍しい石、変わった石に弱い私ですが、実は、もうひとつ、それがどこの産地であろうと、どれだけありふれた石であろうと、その形が物語を連想させる雰囲気を持った石にも弱いです。

2006年11月18日、ブログ掲載
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