一応、水入り 水入り水晶です。 産地は中国。四川省産などに見られるような、タールであるとも、カーボンであるとも言われている黒いインクルージョンによって、全体が灰色っぽく見えています。 表面はなめらかですが、内部は層状。一種のエレスチャル(骸晶)です。 層状構造がまるでファントムを形作っているようで、その変化に富んだ内部構造と、外側の端正さのギャップが作り出す雰囲気がちょっと気になって買ってしまいました。 なので、水入りであることは、ちょっとおまけ。 同じ棚には、もっとはっきり泡が見える石もありましたが、外見重視でこちらの石を選びました。 しかし、商品としては「水入り」がウリなので、お店では、ちゃんと水は入っているところに矢印のシールを貼り付けて下さっていました。 見たところ、直径1ミリにも満たない小さな泡が、それでもけっこうはっきり見えて、ころころ動いています。(写真に写すのは無理ですが) 気泡行方不明 シールは、写真に撮るときにじゃまですし、これだけ動いて見えていればシールを剥がしても見つかるだろうと気軽にシールを剥がし、カメラを用意する間石を転がしておいたら……あれ? 泡が、ない。 おかしいなー、虹が入っている面じゃないし、白っぽい内包物が見えている面でも、柱面が短くなっているところでもないから、ここのあたりに見えるはずなのに。 あれこれひっくり返していたら、突然泡がころり。 あ、あった! どうやら、泡が入っているすきまは、思ったよりも大きかったらしく、予想以上に動くのです。石を横に転がしておいたところ、思ってもみなかったすきまにまで泡が移動してしまっていたというわけ。 以来、ちょっと目を離すと、泡が行方不明になります(笑)。 今のところ、確認できる泡は一か所ですが、内部にざくざくすきまがあるので、ルーペで丹念に探せばもっと泡が見つかりそうです。 さて、泡が入っている水晶を「水入り」といいますが、これは、泡が入っていることでそのすきまに液体が満たされているとわかるからです。 しかし、水晶は熱水の中で育つので、亀裂が入ったりしていなければ、水晶内部のすきまには液体が満たされているはずなのです。 つまり、「水入り」水晶は、思ったよりも多いかも……。 2006年11月22日、ブログ掲載 |
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