インド産 デンドリチック・アゲート

魔術師の黒




 やっぱりマーリン!

日記リンクしていただいていたブログさんで疑問に思っていたことが解決したので、思わずネタにさせていただきます。
疑問に思っていた石というのはMerlinite
国内ショップおよび本ではほぼ例外なく「メルリナイト」と紹介されています。

曰く、魔術師、シャーマンあるいは錬金術師のパワーに関連する、それらの知識またはパワーを引き出す、天と地のパワーを持つ、宇宙意識にアクセスする……。
こういう説明で綴りがMerliniteなら、どう見たって魔法使いマーリン(Merlin)、かのアーサー王を王座に導いた超有名魔法使いマーリンをイメージした石でしょう!

しかし、そこに書かれている名前はメルリナイト。
どこの説明にもマーリンのマの字も出てきません。
なんだか煮え切らない気分で、別館サイトの用語集に「Merlin」と関係すると思われる、てなことを書いていたのですが、今回見せていただいたブログでは、Merliniteを「マーリナイト」と紹介されているではありませんか。
それも、きっぱりマーリンの石であると!

 
だからメルリナイト(マーリナイト)って何?

「やっぱりそうだよねー!」
……と、鬼の首でも取ったような気分で、追跡調査モードに突入です。
すると不思議なことに、以前「Merlinite」で検索したときには思わしい情報がヒットしてこなかったのに、今度はするすると出てくるではありませんか。
それこそ魔法にかけられた気分。

さて、気を取り直してメルリナイト、もとい、マーリナイト。
見かけるのは多くがタンブルで、白、灰色、黒がまざったような色をしています。
私がこの石を知ったのは、某「クリスタル図鑑の決定版」とwebショップでした。
どちらも魔術師、シャーマン錬金術師の石……云々という説明だったので、私としては、不完全燃焼。
メルリナイトメルリナイト……とひたすら日本語検索し、メルリナイトの別名に「ブラック・ドゥルージー」があることを見つけました。
ブラック・ドゥルージーといえば、マンガン+水晶の石です。
もこもこした二酸化マンガン(サイロメレーンまたはロマネカイト)の上に、水晶が粉砂糖のような状態に結晶したものです。
ならば、メルリナイトもマンガン+石英?
……ぐちゃぐちゃ書くと混乱するだけなので以下は省略しますが、とにかくサイロメレーン(硬マンガン鉱)と石英という組み合わせの石なのだという情報に行き着くまでに意外に時間を要したのです。(調べ方が悪かっただけかも)

別に、きれいなら、気に入ったのなら、鉱物学的にどんな石だって関係ないじゃないかという意見も、もちろんありですが、それを言うなら、鉱物的に何であるかがわかるとさらに見えてくるものがあるという楽しみ方も、もちろんありなのです。
そしてこのマーリナイトは、意外にもその典型的な例でもあります。

 
この石でいいのか?

Merliniteという綴りを見つけ、地道に検索することさらにしばし。
「Merlinite」が石英とサイロメレーン(硬マンガン鉱)がまざった石の宝石名であるとわかったのが最近。そして今回の「マーリナイト」をきっかけに検索していくと、さらにいろいろわかってきました。

「Merlinite」で画像検索すると、アクセサリーからタンブルまで、さまざまな「Merlinite 」が出てきます。
中には以前デンドリチックオパール(アゲート)として紹介した石とうり二つのものも。
突っ込んで調べていくと、マーリナイト=デンドリチックアゲート(オパール)であるとするところもあることがわかりました。

写真の石がデンドリチック・アゲートです。
これがマーリナイトでもあるというのなら、ラッキー、うちにもあった〜♪ なのですが、見せていただいたブログによると、別の石だとのことです。

しかし……デンドリチック、すなわちアゲートもしくはオパールの中に樹枝状に混ざり込んだ黒い鉱物デンドライト(しのぶ石)は、サイロメレーンと同じ二酸化マンガンの鉱物なのです。
しのぶ石=サイロメレーンと説明しているサイトもあったので、少なくとも同じマンガンの黒い鉱物、その中で、樹枝状のもようになったものをデンドライト(しのぶ石)というのだと思います。

そして、ご存じのようにアゲートは顕微鏡サイズの石英の結晶が集まったもの。
オパールは結晶していませんが二酸化珪素の丸い粒が集まったもの。
少なくともマンガンの黒い鉱物+二酸化珪素という組み合わせは共通しています。

では、どこまでがメルリナイトで、どこからがそうではないのか。
メルリナイトはサイロメレーン+石英、デンドリチック・アゲート(オパール)はサイロメレーン+瑪瑙なんだから石英と瑪瑙ではパワスト的(ヒーリング・スピリチュアル的)には違う……と言いきれないのです、今回の場合。

 アゲートとクォーツと

実は、デンドリチック・クォーツなる石も存在します。
透明な石英の中にデンドライトが黒い枝を広げている、なかなか興味深い石です。
石の中にデンドライトということではアゲートの場合と同じですが、よく見ると違います。



上の写真は、左がデンドリチックアゲート(オパール)の内部のデンドライト、右が石英の中のデンドライトです。(ちょっと普通よりゴツイ模様です)

何度目かの繰り返しになってしまいますが、アゲートはつぶつぶ構造の石。
顕微鏡サイズのすきまがたくさんあるので、マンガンはそこに染み込み、あるいは一緒に結晶したのだとしても、つぶつぶ構造の中に枝を伸ばし、立体的な模様を作ります。
対して石英はぎっしりきっちり結晶した石。
その中にデンドライトが枝を広げようとすれば、クラックや結晶と結晶のすきましかありません。
そのため、石英中のデンドライトは平面的です。
一見立体的に見えても、それはクラックが立体的に入っているからであって、デンドライトは平面的に枝を広げています。

 
いくつかパターンあり

では、サイロメレーン(マンガン)と石英の組み合わせであるという「メルリナイト(マーリナイト)」はどうか。
メルリナイトとして国内サイトで見かける石は、実は2、3パターンがあります。
ひとつは、白と黒が細かく入り交じった石。
実はこれ、どうもデンドリチックアゲートと同じ、もしくはとても近い石のようです。
なぜなら、黒い部分がマンガン(サイロメレーン)ですが、そのまざり方が枝とは言えないまでも白い部分に染み込み混ざり込んだ感じで、それが微妙に立体的だったり、グラデーションのようになっているから。
ぎっちり結晶した石英にまざったというには、ちょっと難があります。
デンドリチックアゲートとしてアクセサリーなどに加工された残りの部分、実はあまりきれいではなかった部分……ではないでしょうか。

もうひとつは、白い石英状の石に、大雑把なマーブルのように黒い部分(マンガン)がまざったもの。
けっこう白黒はっきり分かれています。
これは、サイロメレーンが結晶している上に石英が重なって結晶したと考えれば納得できそうです。

残りひとつは、まだ、メルリナイトと名前を付けられているのを見たことがないですが、同じ石であるというブラック・ドゥルージー。

だんだんわけがわからなくなってきたので、ちょっとまとめましょう。
メルリナイト(マーリナイト)という石は? ……という疑問の俎上にのぼったのは以下の4つ(4パターン)の石。

(1)デンドリチック・アゲート(オパール)
(2)メルリナイトとして売られている、白と黒が細かく混じった石
   (デンドリチック・アゲートの端っこの部分?)
(3)白と黒がはっきり分かれた石
(4)ブラック・ドゥルージー


どれも二酸化マンガン+二酸化珪素の組み合わせです。
いずれもどこかでメルリナイト(マーリナイト)だと言われています。
国内の本あるいはショップで見かける、「メルリナイト」と名前を付けて売られている石という観点なら、(2)と(3)

サイロメレーンと石英の組み合わせの宝石名という、宝石すなわち装飾品に用いられるようなきれいな石と言うことに重きを置けば(2)よりも(1)。石のトリミングによっては(3)もありかもしれません。

今までは、鉱物的な側面からつついてきましたが、ここまで来たら、反対にイメージ的な側面からもつついてみましょう。
なんといっても「Merline」、魔法使いとしては超有名人であるマーリンという名前を付けられた石なのですから、なにゆえにこのマンガン+石英(二酸化珪素)のこの石が超有名魔法使いの名前を持ち得るのかを考えなくては、片手落ちというものです。

 
魔術師の黒

この石を握ったらマーリンのメッセージがやってきた、なんて理由だったら、私にはお手上げですが、そんなことは書かれていないようですし、もうちょっと納得できる理由が欲しいもの。
直接的にマンガンと魔術あるいは錬金術の関わりは……マンガンという鉱物であると発見されたのは1774年、それより古く、ローマ時代にガラスに混ぜると 透明度を増すことができるとされた黒い粉は、マンガンはマンガンでも軟マンガン鉱であるパイロリューサイト。……ということは、直接魔術や錬金術ではなさ そうです。

では、方向を変えて。
石のパワー(効能)が説明される場合、石の色の果たす役割は大きいようです。
そこで、質問。
魔法使いという言葉で、思い浮かべる色とは? 少なくとも蛍光色ではありますまい。
魔法使いとは、派手な魔法を使うだけでなく、深い知識を身につけ、それを身につける課程でものごとの光も影もすべて見届けてきた深い存在であると言えましょう。
ちょっとわざとらしく言ってしまえば、魔術師のイメージは黒。

そして、メルリナイト(マーリナイト)の力として、天と地の力を持つ、陰陽のバランスをとるというものがあるのだそうです。
魔術師の色が黒であり、その上でメルリナイト(マーリナイト)に陰陽のバランスというイメージを持たせるのだとしたら。

やはり色としては白と黒、
あるいは黒くありながら輝き、輝きながら闇を秘めるように黒い。
そのような対照的な表情を持っているべきと言うことにはならないでしょうか。

そのように考えれば、ふさわしいのは(3)、そして(4)。
(1)や(2)も白と黒ですが、できうれば黒に闇の深みを思わせる強さがあって欲しいと思うのです。
私がマーリナイト(マーリンの石)として買うのであれば、個人的には(4)のブラック・ドゥルージーですね。
KUROい石でもあるし(笑)。

私たちが石の名前に出会うのは、多くが店で付けられたラベルですが、そこはそれ、多少なりとも商業ベースにのるわけで、最初は厳密にイメージで付けられて いた名前が、これくらいならいいだろう、とか、同じ産地で採れた石だから、とか、見た目そっくりだし、とか、微妙にルーズに適用されたあげくに、
「……と仕入れ先が言っていた」てな感じで伝言ゲーム化する可能性もあるわけです。

ですから、たまには自分の意識の許す限り、鉱物的に、イメージ的に、その石をたどってみても面白いと思います。

2006年12月6日、ブログ掲載
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。推測・個人的意見が混じっています。


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