やっぱりマイブーム 池袋ショーからやってきた溶け水晶第2弾。 ブラジル産です。ひとついくらの箱の中にころころ入った中から選んだので、くわしい産地はわかりません。 大きさは、長いところで約7センチ。太さは約2.5センチ。 掌に握るのにはちょうどいい大きさです。 一見結晶の表面に細かな結晶がくっついているように見えますが、じっくり見ると、結晶のエッジや先端が丸みを帯びていること、柱面に、インド産溶け水晶に似た切れ込みのような部分があることから見ても、溶けていると見て間違いないと思います。 アップで見るとこんな感じ。 表面が細かい縮緬状になっていて、それが光を反射します。 ……ところで、この水晶、六角形の形状や先端もかなりきれいに残っていて、つまりは溶けたと言っても、いわば軽〜く溶けた感じです。 なのに……軽く溶けて現われる「▽」が現われていません。 いつもいろいろ教えていただいている石屋さんにお聞きしたところによると、溶けてトライゴーニックが現われる水晶は、「格子欠陥」があるものだそうです。 よくわからないけれど格子欠陥 結晶は、原子が規則正しく並んだものですが、格子欠陥とは、結晶内に存在する原子配列の乱れのことだそうです。不純物原子や配列のずれ(転位)などによってできるのだとか。 規則正しく組みあがっているべき結晶(格子)がどこかで崩れているから格子欠陥だというのはわかるのですが、ここでちょっと疑問。 たとえば、スモーキー・クォーツ。 スモーキー・クォーツは二酸化珪素、つまり酸素と珪素という水晶の成分のうち、珪素がアルミニウムに置き換わり、そこに天然の放射線が加わって電子の状態に変化が起き、そのことによって光を吸収するようになり、黒っぽい色に見えているといいます。(珪素がアルミニウムに置き換わることでできたすきまに入り込んだリチウムイオンが関係するという説もあります) ……難しいことはさておき、スモーキー・クォーツにはアルミニウムイオンという「不純物」が混ざり込んでいるわけで、それは格子欠陥ということでは? さて……トライゴーニックの元であるという格子欠陥と、スモーキーの(同じような意味でアメシストやシトリンも)格子欠陥とはちがうもののなのでしょうか? スモーキーやアメシスト、シトリン(アメシストやシトリンは珪素の一部が鉄イオンに置き換わっています)の色の原因が「格子欠陥」だというのなら、トライゴーニックを持つ水晶に透明なものが多くあるのはどうしてなんでしょう?(アメシストのトライゴーニックもありますが、透明なものも多くあります) 成長していくときは凸状の「△」、溶けていくときは凹状の「▽」というのも不思議ですが、中には六角形のくぼみが現われたり、凹状の「△」である場合もあるのだそうです。 うーん、溶けた水晶も奥が深い。 ただいま現在、局地的に溶け水晶ブーム中。それぞれ違う溶け方であるのが面白いです。 2006年12月23日、ブログ掲載 |
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