ブラジル産 スモーキー・エレスチャル

同じか、違うか




 初めてのエレスチャル

目につくままに言葉を集めていたら、知らない間にけっこうな分量になっていた私的雑学辞典
これだけあると、きっとどこかで勘違いやミスがあるに違いない……と思って、日頃お世話になっている、石に詳しい方に無理を言って添削していただきました。

そのチェックポイントもなんとか修正も終わり、「あちゃー、勘違い」から、「やっぱりそうであったか、ふむふむ」、または、チェックしていただいた内容をさらに調べて、「コレはこういうことなのかー」……というものまで、いろいろ勉強になりました。
さっそくその結果をアップして、一刻も早く正確を期すべきなのですが、ひとつ、引っかかっていることがあります。(※すでに修正・アップ済です)

それが今回のネタでもある「エレスチャル」
以前にご紹介したファースト・原石エレスチャルの片割れで、以前のものが色で選んだのに対し、これは形で選んだエレスチャルです。
今ならばもっと変な形を選びそうなんですが、このころはこれが精一杯(笑)。

写真の石を見れば、たいていの人がエレスチャルと言うでしょう。
しかし、かたちがゴツゴツというのとはちょっと違うファースト・原石エレスチャルの片割れもエレスチャル、メキシコ産の層状結晶したものもエレスチャル、めんどくさいのでいちいち挙げるのをやめますが、こちらのエレスチャル・ギャラリーに載せたようなものは、たぶん、あちこちどこかでエレスチャルと言われていると思います。
一方で「スケルタル」とか「ジャカレー」とか、時には「クロコダイル」「アリゲーター」という名前まで出てきて、ビーズに至っては内包物が入っていればエレスチャルと呼ばれていたりもして、エレスチャルと呼ばれる石は、かなり混乱しています。

そこで私は
、「エレスチャルとは、結晶する際の珪酸分濃度が濃いために、層状になったり、たくさんの結晶が固まった複雑な形状を広く指す言葉」であるとし、個人的には、今回の写真のようないくつかの結晶がランダムにごちゃっとかたまったような複雑なゴツゴツ形状を「エレスチャル」メキシコ産の層状結晶したものを「スケルタル」、ゴツゴツ結晶のエレスチャルの中でスモーキーで板状のものを「ジャカレー」と区別していました。

 
エレスチャルはいろいろだ

私的雑学辞典においてもその区分けを「わがまま規定」として採用し、エレスチャルのところには、ゴツゴツバージョンも層状バージョンもあるよ、……ということで
 と  の図を載せていました。

それに対してチェックでは「エレスチャルとスケルタルは別物」。
突っ込んでお話を聞いてみると、私のわがまま規定と同じくゴツゴツ形状の
がエレスチャルで、層状結晶のものがスケルタルだ……というのです。

なるほど。
スケルタルはSkeletalで「骨格の」というような意味。
角の部分が余計に結晶し、面の真ん中あたりがへこんで層状になったメキシコ系の結晶にふさわしい名前です。
何より、個人的に区分けしていたのと同じなのですから、「やっぱりそうであったか!」……と直しておけばいいのですが、だがしかし。
何がどうして、こんなに混乱しちゃっだんだろうか。
もしかして、日本国内で混乱してるだけなのか。
調べてみたら……ありゃ、海外でも混乱気味です。

 
実は専門用語でもあった

さらに調べてわかったことがさらにひとつ。
私は、スケルタルというのは、「Skeletal」という言葉の通りのイメージで、クリスタル・ヒーリングの分野で勝手に、水晶に対して使うようになったのだと思っていました。
ところが、日本語で骸晶という言葉は、英語ではskeletal crystal。
結晶学の分野でちゃんと使われている言葉だったのです。

さらに似た状況の言葉で「ツイン」があります。
鉱物学の分野で「ツイン」と言った場合には「双晶」を指し、くっつく角度や面などが厳密に決まっています。
しかし、ニューエイジ(クリスタル・ヒーリング)などの分野でツインという場合には、「二つくっついた結晶」というような意味です。

「ツイスト」もそうです。
鉱物学でスパイラルやツイストとは、結晶の根本と先端を握って、ふきんを絞るようにねじったような結晶のこと。(難しくはC軸に平行にねじれている、と言います)
あるいはグウィンデルのような、結晶そのものがねじれているようなものを指します。
それに対して、ニュー・エイジでは、表面に螺旋状の切れ込みがあるなど、「見た目ねじれているようなもの」も含みます。

このように、専門的にも使われている言葉がニューエイジの分野においては「見た目そんなもの」まで範囲を広げて使われたり、同じような結晶に違う人が違う名前を付けたり、現地の呼び名があったり、商業ベースに乗ることで名前の適用範囲がさらにルーズになったりで、今の混乱があるのだと思われます。

想像するに、ブラジルの鉱夫の間では「ゴツゴツ複雑な形状のしたスモーキーの水晶」をワニ(ポルトガル語でジャカレー)のようだというので「ジャカレー」と呼んでいたのだと思います。
その水晶をはじめて見たアメリカ人のヒーラーが、コレはすごいというので「エレスチャル」と名前を付けたのでしょう。(意味は不明。CelestialのCが取れたもの?)

 
生息地域に敬意を表し

スケルタルはそのまんま、結晶学の用語として示すように角の部分が特に結晶し、全体的には層状になった水晶のことです。
中には、部分的に層状で全体的にはゴツゴツしたジャカレーなものもあるので、エレスチャルという言葉が層状だったり、たくさんの結晶がくっついたような複雑な形状を示す水晶全体に用いられるようになったのではないでしょうか。

(※ありがたくもご指摘をいただきましたので、修正です。
最初は、「珪酸分の濃度や結晶の速度によって、全体の形が崩れて複雑になったものを広く「骸晶」と呼ぶ場合もある」としましたが、一般に骸晶という場合は、角の部分が特に結晶し全体的には層状になったものを指します。
ただし、本によってはキャンドルクォーツのような形状も含めて骸晶としているものもあります)

たかが名前のことで、水晶そのものには代わりがありませんが、かつて「エレスチャルって何?」とさんざん悩んだ身としては、スッキリさせておきたいところです。
何より名前に意味を込めるならば、その適用基準ははっきりさせておくべきでしょう。

このあたりは、有名どころのクリスタルヒーラーの本でも買って、原典に当たるしかないんでしょうか。
あの手の本は、根拠がヒーラーの感覚なので、いまいちついていけないんですよね……(ため息)。

残るクロコダイル、アリゲーターについては、ワニ(ジャカレー)つながりで使われている……と思ったのですが、念のためにこれについても調べてみると、ワニにはクロコダイル科、ガビアル科、アリゲーター科という区分けがあり、ブラジルおよびアメリカ南部、中国南部の一部に生息するのは、アリゲーター科、アフリカや東南アジア、インド南部、オーストラリアに生息するのはクロコダイル科なのだそうです(ガビアル科はちょっと特殊な種類でインドの一部のみ)
……ということは、ブラジルの呼び名はジャカレーであるとして、それをアメリカ人が自らの英語で表現すればアリゲーター、一方アフリカやインド、オーストラリアから産出するゴツゴツ水晶は、そこに生息するワニの種類に敬意を表して、「クロコダイル水晶」と呼ぶべきなんでしょうか。

2007年2月26日、ブログ掲載
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