ジラソルだよ ほんのりピンクの水晶・タンブルです。では、ローズ・クォーツかというと、さにあらず。 ピンク・ジラソルです。 見た目では、ほとんど区別が付かないので、間違えないように保管注意。 さて、ジラソルというのはマダガスカル産のミルキー・クォーツ一種のこと。 (ブラジルでも産出するという説あり) ほぼ透明なものから半透明なものまでさまざまですが、単に乳白色に濁っているだけでなく、きれいに磨いてあると、ぼんやりにじんだような光に包まれて見えます。 光と言っても、石のパワーとかそういう話ではなくて、おそらく白濁のもとである微細な内包物に光が反射しているのだと思われます。 このごろはさすがに見かけませんが、以前は「オパール化した水晶」だとか、「オパールを含む水晶」とか、妙な説明をみかけたものです。 オパールは、鉱物として見れば、水晶と同じ珪酸鉱物です。 しかし、水晶が地底の高温・高圧下で結晶したものであるのに対し、オパールは、水に溶けた球状の珪酸微粒子が固形化したもの。 水晶(石英)の仲間では唯一、「結晶していない」石です。 当然、水晶とは生成する環境が大きく違うので「まざる」、「水晶がオパール化」することはないでしょう。 オパールという言葉の罠 一方、言葉としての「オパール」には、「光沢のあるミルク色」という意味があり、 opalesce:(オパールのような)乳白光を放つ opalescence:オパール色、乳白光 opalescent:オパール色をした、乳白光を発する という言葉もあります。 たぶん、ジラソルの説明で、妙な混乱を引き起こしたのは、このあたりの単語だったのではないでしょうか。 そのとおり、ジラソルの透明度の高いものは、乳白光に包まれているように見え、やや不透明なものでは磨いたものに光をあてると、ムーン・ストーンほど顕著ではありませんが、ぼんやりとした乳白光が浮かびます。そういうところは、まさに「オパールのような輝きの水晶」。 さて、ピンク・ジラソルはノーマルの乳白ジラソルに比べて、比較的最近見かけるようになった石で、あまり量は出回っていないようです。 ところで、このピンク・ジラソル、ローズ・クォーツとどう違うのでしょう。 どちらも結晶形ではなく、塊で産出します。 乳白ジラソルでは、なるほどと思うオパールのような輝きも、ピンク・ジラソルでは目立ちません。 さーて……と試しに写真を撮って納得。 もう一度、写真を見て下さい。やや青白く写っていませんか? これは、どうやらジラソルのもう一つの特徴であるらしいのです。 ほぼクリアに見えるジラソルにペンライトなどで光をあてて写真を撮ると、なんと、うっすら青く写ります。 これは、ジラソルの濁りの原因である内包物によって、光の拡散が起こっているためだと思われます。空が青く見えるのと同じ原理です。 また、フッ素などを混ぜて白濁させ、オパールっぽい乳白光を持たせたガラスを「オパルセント・ガラス」といい、これにも青い光が見えます。 そう考えると、見た目ちょっとミルキーなローズクォーツっぽいこの石も、なるほど、ジラソル。 2007年3月13日、ブログ掲載 |
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