この黒は アフガニスタンだと言われたけれど、もしかしたらパキスタンの可能性もある水晶です。 ご覧の通り真っ黒。ただし、根本の方は黒くありません。 それもそのはず。この石の場合の黒は、スモーキー・クォーツのように、水晶の成分である二酸化珪素の一部がアルミニウムに置き換わって、そのために電子の状態に変化が起き、光を吸収するカラーセンターができて……というメカニズムによるものではありません。 内包物によるものです。 写真にはなかなか写りませんが、かなり太めの針状の結晶がたくさん内包されているために真っ黒に見えています。 黒くて針状(棒状)で、……というと、トルマリンがすぐに浮かびます。 しかし、トルマリンがこれほど真っ黒になるほど内包され、しかも結晶の形が残っているのは見たことがありません。 うーん、というので次に考えたのが、リーベッカイト(リーベック閃石)。 あまりおなじみではありませんが、これが細く繊維状になると、クロシドライトと呼ばれます。 クロシドライトとは、ホーク・アイ(ブルー・タイガーアイ)の内包物です。 色は、言うまでもなく青黒いあの色。 繊維状ではなく、もっと太い状態で内包されていたら、真っ黒にみえるのでは。 パキスタンからは、トルマリン入りの水晶が出ます。 しかし、細い棒状でぎっしり内包されているタイプは見かけません。 パキスタン南部からは、クロシドライト入りも出ます。しかし、やはり太いタイプは見てません。 しかし、ルチルに混じって黒い太めの結晶が入っているものもあり、リーベッカイトっぽいかも……。 2センチちょっとの小さい石ですが、謎が深まる黒さです。 ※追記:リーベッカイトではなく、エジリンかもしれません(2008/10) 2007年3月22日、ブログ掲載 |
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