山梨県産 乙女水晶

乙女の幻影




 「乙女」?

なんだ? このタイトル……とおっしゃらず。
そのまんま、でございます。
なぜならば……
国産、乙女水晶
国産水晶の産地として有名だった山梨県の乙女鉱山産の水晶です。
「乙女」という名前は、明治時代にタングステン鉱を採掘していた頃、坑道の奥で働くのは男性、掘り出した石をより分けるのが老人や子供の仕事、坑道から鉱石を運び出すのは若い女性の仕事であったことから、付けられたと言われています。

この鉱山で水晶が採掘されていたのは明治から昭和初期の、比較的短期間だそうです。
水晶が枯渇したと言うよりも、海外から輸入した方が安くなったことで、採掘は行われなくなったとか……。
そのため、国産の水晶を入手するには、コレクター放出品か、個人コレクターが採取したものに頼ることになります。 このような状況のため、機械でザックザックと掘り出すブラジル産のように、あちこちで見かけるのはちょっと難しいですが、ネットやミネラルショーで根気よく探せば、時々見つかります。

 
石好きネットワークでゲット

写真の乙女水晶は、2006年の池袋ショーで手に入れたもの。
「KUROさん、乙女水晶置いてる店があったよ、見る?」
「えっ、国産!? 見る見る見る!」
そんなやりとりでうっかり見逃していたブースに駆けつけました。
ネパール産好き、ロシア産好きですが、やはり国産はちょっと特別。
自分が生まれ、育った国の大地の底で結晶したと思うと……。

連れて行ってもらったブースは、国産の鉱物をいろいろと扱っているようでした。
外国産鉱物に比べれば、地味な石がならぶ一角に、紛れもなく水晶!
長さ13センチほどと、予想以上の大きさ。
乙女鉱山が、大きな結晶も産出したことは知っていましたが、 「国産水晶も欲しいかも」と探しだした時には、小さなものしかみかけなくなっていました。
しかも、予想以上の安さ。即決!

端正な単結晶で、表面はややマットで、少々付着物はありますが、透明度は高く、成長線が刻みつけられているさまは、シャープでなかなかかっこいい。

 
よく見るとファントム

では早速写真を……とカメラを向けてみて、アラ?
表面に付着していると思っていた、ちょっと茶色の部分は、実は結晶の内部に内包されていました。
さらに、霧状の内包物・ミストと思っていたものは……これは、もしかして?
会場では気がつきませんでしたが、間違いなく、これはうっすらファントム!
写真にも、真ん中あたりにうっすら写っているのですが、おわかりいただけるでしょうか。

海外の水晶のように派手やかではないけれど、日本の風土にとけ込む「自然な」雰囲気。
穏やかさだけに終わらない、静かな強さ。
そんなイメージが浮かぶ「乙女」水晶です。

2007年6月16日、ブログ掲載
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。推測・個人的意見が混じっています。



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