パキスタン産 へんてこファーデン

好きだわー!!




 これはッ!!

のっけから叫んでしまいましょう。

「好きだわー!!」

何がって、もちろん石ですよ、石。
石にもいろいろありまして、産出が希で、手に入れるのが難しいレアな石。
量は豊富だけれど、質にこだわるとなかなかこれというものが見つからない石。
そして、希産でもなければ質も高いわけではないけれど、これはもう、巡り会うのは運でしょう……! というしかない石。
特に最後の石は、KUROの石好き心にクリティカル・ヒットする 変な石であることが多いです。

こういうカタチに成長したのも運ならば、それが目の前にやってくるのも運でしょう。
そんな「運命の石」……はこれ。

先ほど、希産でもなければ……と書きましたが、ちょっと正しくないかもしれませんね。
水晶の中では、やや珍しい種類に分類されるであろう、ファーデン・クォーツです。

「ファーデン」とは「糸」の意味。
その名の通り水晶の中に白い筋が入っているのが特徴です。
何度目かの繰り返しになりますが、ファーデン・クォーツは、成長した水晶が地殻変動か何かの衝撃で割れ、割れ目が再結晶して修復した痕跡が、この糸状の白い筋である……というのがよく見かける説明です。

でも……やっぱり信じられない!

 
生えてます。

だって、写真をよくごらんください。
中央に横になっている細長い水晶の中心に白い筋が見えます。
これがファーデン……「糸」です。
何がどうなったら、こんな風に器用に水晶が割れますか。
絶対、こんなふうに割れるわけがない。

奇跡的にあったとして、このように細い水晶が長軸方向にまっぷたつ、というような奇跡が、たくさん起こるわけがない。
個人的パキスタン石ブームによって、ファーデン・クォーツをたくさん見る機会を得たのですが、こういう、細い水晶の長軸方向にファーデン・ラインが入っているものは、少なくありません。
そのほかにもくっつき方、ラインの入り具合、ラインと水晶の厚みの関係……どれをとっても割れた水晶修復説を裏付けるようなものはありませんでした。

さて、写真の「ファーデン」は、長さわずかに32ミリ、太さはさらに驚異のたったの4ミリ。
4ミリの水晶がまっぷたつに割れますか。
さらに、ご覧ください。このたったの4ミリの太さから小さな小さな水晶が、ちょこちょこと3つ「生えて」おります。
くっついているのではありません
「生えて」ます。

小さいために、この水晶の「根本」もよく見えるのですが、どうも「ファーデン・ライン」の部分から生えている様子

 
飛行機雲のように?

ちょっと話はずれますが、「飛行機雲」をご存じでしょうか。
上空を飛行機が飛んだ後、その後を追うように細く長くのびる雲のことです。
飛行機雲のでき方には二通りあって、一つは飛行機の排ガスとともに排出された多量の水蒸気が、急激に冷やされて微細な氷となり、雲となるもの。
もう一つは翼の大きな飛行機が、湿度百パーセント以上の空気中を通過するとき翼の先端などで気流が発生し、圧力などに変化ができて水蒸気が水滴となるため雲が発生するものです。

でも、どんなときでも飛行機雲ができるかと言うとそうではなくて、上空で、湿度が100%を越える状態になっているにもかかわらず、雲ができない、過冷却という状態になっているときに飛行機が飛んで、燃料の排ガスや水蒸気を排出したり、気流の乱れを起こすと、そのときにできた微細な氷を核にしてまわりの水蒸気が水滴に変わり雲になるのだそうです。

私が考える、ファーデンクォーツのでき方も、これに似ています。
圧力や珪酸の濃度など、今にも水晶が結晶し始めそうでできない状態になっているところへわずかな亀裂かなにかから、新たな熱水が細く鋭くぷしゅーっと流れ込み、それが刺激となって結晶下のではないかと思うわけです。
つまり、飛行機雲に当たるところがファーデン・ライン。
それに伴ってできた雲が、周りの水晶というわけ。

今回の水晶のチャーム・ポイントである、ちょこんちょこんと「生えた」水晶も、きっと新たな熱水の刺激によってできたものでは。
ファーデン・ラインの周りに水晶ができるのと同じくして成長したために、ファーデン・ラインから生えたように見えるのだと思います。


2007年6月21日、ブログ掲載
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