ブラジル産 リチウム・コーティング水晶

”リチウム・レッド”




 コーティング水晶ブーム

一時期、個人的に、天然コーティング水晶・ブームだったときにやってきたブラジルの天然コーティング水晶です。
写真では実物よりも色鮮やかに写ってしまっていますが、実物も確かに赤っぽいオレンジ色。
コーティングと言うからには、水晶そのものは透明で、別の鉱物が表面をうっすら覆っていることで色づいて見えています。
この水晶の場合は、赤っぽいオレンジ色の鉱物に覆われているということ。

ははーん、水晶で天然コーティングで、オレンジ系ということは、酸化鉄に覆われた「タンジェリン・クォーツ」だな……と思われた方。
残念ながら半分しか正解ではありません。

なぜなら、この水晶、リチウム・コーティングなのです。

 
リチウム・コーティング

でも……リチウム・クォーツといえば、このような感じの「あずきういろう」色。

 

表面を薄く覆ったとしても右のような、ちょっとあずき系……のはず。
私もそう思っていましたが、この赤オレンジ色コーティングの水晶は、「リチウム・コーティング」の水晶として売られていました。
よくよく聞いてみると、リチウムだけでなく、リチウムと酸化鉄でコーティングされているのだそうです。
ルーペでじっくり見てみると、酸化鉄、要するに鉄さびと思われる細かい粉のようなものと、もうちょっと色が濃い、赤黒い……見方によっては紫がかった赤の粒が見分けられます。
これがリチウム……なのでしょうか。
(たぶん)リチウムの赤黒い粒のためか、酸化鉄だけのコーティングによる色合いと比べると、赤みあるいは黒みが強く、その分派手な赤に見えます。
ものによっては、目の覚めるような鮮血色もあるようです。

このほかに、同じく酸化鉄とリチウムによるコーティングで、今回のような赤オレンジではなく、ライラック色に色づいて見える水晶もあります。

これらの天然コーティング水晶は、見かけないときには全く見かけなくなる水晶なので、天然コーティング・マイブームだったときに出会えたのは、ラッキーとしか言えません。
最近とんとみかけません。

 
みかんちゃん

余談ですが、タンジェリン・クォーツの「タンジェリン」は柑橘類のこと。
インド〜中国あたりを原産とする柑橘類の中で、ヨーロッパを経てアメリカに渡った、皮の色が深みのあるオレンジ色をしている種類の総称を「タンジェリン」といいます。
一方、皮が黄色みを帯びた日本の温州みかんなどの種類は「マンダリン」と言うそうです。

マンダリンに分類される日本の柑橘類には温州みかんをはじめ、いろいろ種類がありますが、おおざっぱには「みかん」といいます。
酸化鉄で覆われ、オレンジ色に見える水晶の産地は大部分がブラジル。
その水晶を「みかんのような」と呼ぼうとすると「タンジェリン」というわけです。

「タンジェリン・クォーツの」別名「ラランジャ」は、ブラジルの公用語であるポルトガル語で「みかん(柑橘類の総称)」のこと。
もうちょっと別の言い方である「ラランジーニャ(ララジンニャ)」とは、強いて言えば「みかんちゃん」とでもいうべき、親しみを込めた言い方なのだそうです。

2007年7月2日、ブログ掲載
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