インド産 アイス・クリスタル

静寂の姿




魅惑のB級品

なんじゃこりゃ、と思われた方もいらっしゃるかと思います。
実物も、なんじゃこりゃ、というものです。
色合いだけは、ややかわいらしく写っています。

インド、ヒマチャルプラデッシュ州、クル渓谷、マニカラン産の触像水晶です。
最近では「アイスクリスタル」の名前で知られています。

これは、アイスクリスタルの「B級品」

そのような表示で売られていました。
大きさは3センチほど。親指と人差し指で作った輪の中にちょうどはいるくらいです。
もちろん、同じお店にはちゃんとしたアイスクリスタルも売られていました。
トライゴーニック(▽)も出ているのがありました。ピンク色のも白い色のもありました。
テーブルの上に並べられた、それらの結晶にくらべて、「B級品」たちは、箱にがさりと入れられて、床の上に。

手に取ってみれば、なるほど、水晶らしい六角形の結晶の面影は消え失せ、ごちゃごちゃというか、ぐにゃぐにゃというか、何とも形容しようがない、「へんなもの」
「変な水晶」とさえ言えない「へんなもの」

ところが、私はむしろそこに惹きつけられました。
アイスクリスタルとしておなじみになった水晶は、私にとっては最初に手に取ったときから「触像水晶」だったのです。

「変わらぬもの」の象徴のような石が、溶ける。
溶けるときにその結晶の秘密(格子欠陥)を現す。
生まれ、成長し、そして溶け消える。
生命ではない石なのに、まるで生命の軌跡をたどるような石。

この石は、私にとってそんな石。

いろいろ超越してるかも

そういえば、アイスクリスタルで検索してみても、石の意味やパワーの記述が意外になくて、氷河の下から見つかったこと、メロディ氏が注目していること、クリスタルヒーラーに人気、なんだかすごい石らしいと言うことくらいしか見つからないのですが、みなさんは、この石にどんな魅力を感じているのでしょうか。

あ、話がそれました。
要するに私にとっては一にも二にも、溶けていることが最大の魅力。
ならば、よりいっそう溶けている方がステキ。

それに、この先ふつうの「アイスクリスタル」は見かけても、ここまで溶けて得体の知れない形になった「B級品」は見かけないかも。
……ということで、テーブルの上のはそっちのけで箱の中をあさりまくり。
なかから、溶けてなにやら生き物めいた表情を持つに至った二つのB級ちゃんを選び出しました。

上の写真は、あえて「裏側」から撮った一枚。
表から(どっちが裏か表かわかりませんが、ころりと転がしたときに上を向く面)
撮ったのがこちら。



どこから写しても、水晶に見えない!
すでに、水晶であることに捕らわれない石だと申せましょう。

TMは登録商標ではない

さて、このマニカラン産の水晶、別の所では「ニルヴァーナ・クォーツ」と呼ばれています。
名付け親は、どうやら、「アゼツライト」に関わっているロバート・シモンズ氏。
「ニルヴァーナ・クォーツ」には(TM)の表示がついています。
これは「商標登録されている」という意味ではなくて、「トレードマーク」の略です。
アメリカの特許商標庁で登録されたものには○の中にRのマークが付いています。
ボージーストーンの「Boji」にはこのマークが付いており、商標登録されていることを示しています。
一方、(TM)の方は、これが商品についてのマークだと思えば、誰でも(TM)を付けることができ、それを使用するために特に登録は必要ではなく、出願中である必要もないのだそうです。くわしくはこちら

要するに、これはうちのオリジナルネーミングだから、軽々しくまねしないでよね!
……という主張みたいなものなんでしょうか。
アメリカにおけるそのあたりの取り決めが日本でどのような意味を持つのか、ローバーとシモンズ氏のお店ではないところがニルヴァーナ・クォーツ(TM)として売るのは、トレードマークの主張として
どうなんでしょうか。イマイチよくわかりません。

ニルヴァーナ・クォーツで調べると、今度はこれこれこういう意味があって……という情報が出てきます。

これは、この水晶を「ニルヴァーナ・クォーツ」であると意識することでその説明は意味を持つのでしょう。
私は、水晶におけるネーミングとは、そういうものだと思っています。

ところが。

この「ニルヴァーナ・クォーツ」についてはちょっとツッコミを入れておきましょう。

「涅槃水晶」を欲望で買う?

ニルヴァーナとは、訳せば「涅槃」という意味。
涅槃というと、釈迦の涅槃像などの連想で「死」のイメージがありますが、本来はむしろ「悟り」とか、「煩悩が消えた静寂な状態」を意味します。

そのような意味の名前を持つ水晶を、
「なんだかすごい水晶なんだって」
「今評判の水晶で、ヒーラーも注目してるんだって」
……というノリで買うのは、大いなる矛盾になってしまいそう……。

このネーミングは、とてもブラックジョークが効いているように思うんですけど。
写真の石は、水晶としてのきらめきも、アイスクリスタルとしての評判(グレード)さえも超越した石かもしれませんが、買った方の私はと言えば、悟りからはほど遠いので、おそれおおくて「ニルヴァーナ・クォーツ」とは呼べません。

2007年8月2日、ブログ掲載
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。推測・個人的意見が混じっています。



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