今度はカボション ネパール産のヒマラヤ水晶で「ルチル入り」と言われているものは、実は角閃石であるようす。 では、「ルチル入りヒマラヤ水晶」というのはないのか。 とりあえず、パキスタン産でルチル入りはあります。 4センチほどのこの水晶の中には、やや渋い色合いのルチルがかなりぎっしりと内包されています。 ややスモーキーに見える色合いが、実は水晶の色ではなく、内包されているルチルによって、色が付いているように見えるという、ぎっしり具合。 先端付近は、一度激しく欠けたものが再び結晶して、通常の先の尖った形になったように見える、内包物とクラックが見えています。 しかし……、この水晶の産地は、お店で聞いたところによるとワジリスタン。 一般にヒマラヤ山脈を言われる狭義のヒマラヤ山脈が通る北部ではなくて、南北に細長いパキスタン真ん中あたり(アフガニスタンより)になります。 ヒンズークシやカラコルムなどを加える、広義のヒマラヤ山脈には入るかもしれませんが、てょっと、ヒマラヤ山脈とは違うかも。 ヒマラヤ山脈にルチル入り水晶はあるか否か。 実を言うと、カイラス産水晶と言われたクラスターの中にルチルを確認しています。 インドのパルバティ産といわれた繭玉型磨き水晶の中にもルチルが入っています。 これら二つは、本当にその産地?とつっこまれたらやや不安が残りますが、ヒマラヤ山脈とほぼ同時期、同じようなメカニズムでできあがった アルプス山脈のスイス産水晶には、ルチルとともに結晶した水晶があります。 ……ということは、ヒマラヤ山脈でルチルが出てもおかしくはないはずだけど。 一大産地、ブラジルでたくさん産出するために、普通に「ルチル入り水晶〜」といっていますが、世界全体で、産地に注目してみてみると、もしかしてそんなに多くはないんじゃないの? そんな風に思うルチル入り水晶です。 2007年9月22日、ブログ掲載 |
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