インド産 グリーン・ムーンストーン

エンドア




ややこしくて美しい月長石

Iインド産「グリーン・ムーンストーン」です。
タイトルの「エンドア」はグリーン・ムーンストーン→緑の月長石→緑の月→スターウォーズに「緑の月エンドア」って出てきたなあ……たしか」という連想ですが。
うごくクマのぬいぐるみみたいなイウォーク族が住んでいたところです。

話は元に戻って。
地色が緑っぽいムーンストーンだから、「グリーン・ムーンストーン」。
磨いてないかけらなので、輝きははっきりしませんが、雰囲気のある半透明感は美しく、カボションに磨いたものは、美しいシラー(光としては白、地色があるのでやや緑)が出ます。
石や磨き方によってはキャッツアイ?と言いたいような光の筋が見えるものも。
写真の石も、このままではシラーは見えませんが、磨いたらきっと美しかろうと思わせる「おぼろ月夜色」。
以前、色あせたアマゾナイト?といいたいような丸玉が「グリーンムーンストーン」として売られていて、それがグリーンムーンストーンという名前との出会いだったのですが、ムーンストーンと言うからには、やはりある程度の透明度、柔らかな色合い、そしてもちろん磨いたら月の光のようなシラーが欲しいです。

なので、この半透明地色グリーンの長石のかけらを見つけて、「グリーンムーンストーンと言うからには、これくらいなくちゃねえ」と独り言。

ところで、
地色が緑っぽいから「グリーン・ムーンストーン」。
地色がオレンジならば「オレンジ・ムーンストーン」
灰色だと「グレー・ムーンストーン」
でも、ブルー・ムーンストーンは地色ではなくて石に浮かぶ光の色。
……なのですが。

「ブルームーンストーン」と間違われるペリステライト、実はラブラドライトの「レインボームーンストーン」を別にしても、ムーンストーンという石は、なかなかどうしてややこしい

たとえば「ムーンストーンという鉱物はない」
ない、存在しないと言われるとどきっとしますが、ムーンストーンは鉱物名ではなくて宝石名なので、……という「鉱物」はないと言われてもしかたがありません。

そしてこの宝石名も実はややこしい。
ブルーの光がひときわ鮮やかだから「ロイヤルブルームーン」……と呼ばれているムーンストーンもありますが、「ロイヤルブルームーンストーン」という宝石名も「ない」のだとか。
ちょこっと調べたところでは、上で挙げたグリーンもオレンジもグレーも、厳密には宝石名ではない。(ただの「ムーンストーン」になるらしい)
少なくとも宝石の辞典に載っているような、国際的に使われているような名前ではないらしいです。
(宝石はパワーストーン以上に詳しくないので心許ないですが)
鉱物名と宝石名と、正式な宝石名ではないコマーシャル・ネーム……厳密に分ければわけるほど、頭が混乱します。

厳密に分けるためには、分類の規定、その理由、分類された石の特徴や見分け方を知っておかねばならず、そういう専門知識は、未だ私には遠いところにあります。

資料をかじり読もうにも、宝飾関係の資料にすら、コマーシャルネームが入っていたり、資料によって微妙に規定が違う。
同じように石の成分や鉱物としての差異を扱っていながら、宝飾関係と鉱物では、やはりどこか違うように思われます。

ビーズの分野では全部長石の仲間なんだから、とばかりに「フェルドスパー」としてしまうところも現れましたが、それでも注意。
長石を含んでいるけれど、他の鉱物も一緒になっている「岩石」だということもあるようなので。

たとえば、「ブラック・フェルドスパー」として売られていることがある
ラルビカイトは、 月長石閃長岩という岩石だったりします。
しかもブラック・ラブラドライトという名前でも売られている割には、
成分はほとんどムーンストーンが属するアルカリ長石の仲間。
つまり、見た目ラブラドライト、中身はほとんどムーンストーン、でも違う鉱物も混じっていて、分類すると岩石……というややこしさ。

それに何より、フェルドスパーでも間違いではないけれど、ムーンストーンもアマゾナイトもラブラドライトも全部フェルドスパー。
逆にややこしくなるでしょう。
では、鉱物として厳密に、というとアマゾナイトも実は俗称で、鉱物としては「マイクロクリン」である……となると、今のままではあまりにマイナーすぎて、聞いても多分わかりません。

こういう分野の厳密性は、厳密に分ければ分けるほど矛盾や不明が出てきて、それをはっきりさせてお味気なさだけが残ってしまうようで、どうにも気乗り薄なのです。

私としては、見た目緑で磨けばムーンストーンの表情を見せる石だから「グリーン・ムーンストーン」で今のところは事足りている感じ。
まずは、目の前の石を「きれいだな」と眺めて楽しむ石好きの初心を忘れないようにしたいもの。

ところで、写真の石は、磨いてもきれいだと思うのですが、このまま端に穴をあけてアクセサリーにしてもおもしろいかも。

2007年11月4日、ブログ掲載
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