フィンランド産 スペクトロライト(ラブラドライト)

分光石




犬と石?

ご存じラブラドライトは、カナダのラブラド半島で発見されたことにちなんで名付けられた石。
そして人気犬種のラブラドールレトリーバーも、その昔、イギリスや北欧の漁船でカナダ東方のラブラドル半島に渡った犬が祖先と言われています。
不思議であやしいラブラドレッセンスを浮かべる石と、しっぽをぶんぶん振り回すお茶目でハイな犬は、カナダのラブラド半島つながりですが、今日犬の方が世界各地で飼われているように、ラブラドライトもカナダ以外の場所でも発見されています。
マダガスカルなどは比較的よく見かけますね。

スペクトルという石

そして、このラブラドライトの中にもちょっとかわったのがいます。
まあ、ピンクの光が出るとか、ラブラドライトなのにラブラドレッセンスを持たないとか、そういう変わり種もありますが、ラブラドレッセンスを持つラブラドライトらしいラブラドライトでありながら((舌噛みそう……)他の名前を持つ石があります。
スペクトロライトです。
鉱物学的に見ればこれもラブラドライトであることには変わりがありませんが、その輝き故にスペクトロライト(分光石)と呼ばれているのです。
ただし、どのようなラブラドライトをスペクトロライトと呼ぶのかについては明確な規定はないようです。
ざっと検索してみると、

●輝きが強いもの
●スペクトルの光を放つもの
●フィンランドのユレマ産のラブラドライト


という説が出てきます。
一番はじめの「輝きが強い」については、インドやマダガスカルのラブラドライトも十分輝きが強いのですが、これをスペクトロライトと呼ぶのかと言われるとちょっと疑問なので個人的に却下させていただくとして、
二番目、三番目について考えてみます。

スペクトロライトのメカニズム

二番目の「スペクトルの光」というのはわかるようでいてわからない説明なのですが、これはスペクトル(分光)、つまり光の七色が現れているという意味のようです。
確かに、ラブラドライトは青や緑の光や緑がかった金色系の光がよく見られますが、ピンクや赤といった暖色系の光はなかなか見られません。
これが現れるとなれば、なるほどわざわざ別の名前がつけられるのもわかります。

では、三番目。いきなり地名で指定されたのはどういうことなのでしょう。
実は、写真の石はこのフィンランドのユレマ産です。
一般に見かけるラブラドライトとの違いは、実物を見れば一目瞭然。

普通のラブラドライトの地の色、つまりラブラドレッセンスが現れないときの色は、グレイがかった緑というか、カーキ色のような鈍い色。
中には透明感のあるものもありますが、比較的不透明なものでもガラス質な質感です。
ところが、このユレマ産のスペクトロライトは違います。
ガラス質というより金属。
まっ黒〜ダークグレイで、全くの不透明
なのです。

黒い地をバックにしているためか、その輝きは濃く、磨かれた平面全体にラブラドレッセンスが浮かぶと、石というより、どこか別の次元の色を切り取ってきた欠片のよう。
美しい……とうっとりするより先に、ちょっとびっくりしてしまうような厳しい光に感じます。

ユレマ産のスペクトロライトの輝きが鮮やかなわけは、ゆっくり結晶したことによって曹長石と灰長石の結晶とが薄層状にきれいに重なっていて、しかも層の厚さが光の可視周波数の波長とほぼ一致すること、さらに結晶にチタン鉄鉱や磁鉄鉱の針状の結晶が含まれていて黒く見えるため……と、いろいろな条件が重なっているからだと言うことです。

スペクトロライトのわがまま規定

これらの話を(KURO的に)総合すると、スペクトロライトとは
●地が黒く、ラブラドレッセンスが鮮やかに見える
●青や金色以外にも暖色系の輝きが現れる

という条件を満たすラブラドライトである、と言えるのではないでしょうか。

そしてこの条件を満たすためには
●結晶にチタン鉄鉱や磁鉄鉱の針状の結晶が含まれている
●きれいな層状に結晶している

ことが必要となり、この条件を満たすのはマダガスカルの一部とフィンランドのユレマ地方ということになります。(ラブラド半島も?)

さらに、マダガスカルではさまざまな種類のラブラドライトを産出するため、「ここの産地のラブラドライトは」……と限定する意味で狭義にユレマ産のラブラドライトを指すのではないでしょうか。

ひとつの石に七色は必要か。

あと、ひとつ疑問があるとすれば……
暖色系の光が現れるというのは、ひとつの石に青もピンクも現れる必要があるのかどうかということです。写真の石は、青がほとんどですし。
他の色というとこちらの石になります。




左は初めて見つけたピンク・ラブラドですが、かなり輝きが暗め。角度によって黄色いオレンジにも見えます。真ん中は、上の写真と同じ石で、何故か光が縞模様で現れます。角度によって青っぽかったり、緑〜黄色がかっていたり。右は、普通のラブラドライトにも見られる青い光ですが、その強さはかなりのもの。

これら三つの石を合わせれば、七色そろうと思うのですがいかがでしょう?

まあ……個人的にスペクトロライトとは、フィンランドのユレマ産のラブラドライト、
ということにしたいですね。

(2005年5月10日、ブログ掲載)
写真および文章の無断転載・転用はご遠慮下さい。推測・個人的意見が混じっています。


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