個性派 私のところの石はどれも変といえばどこかしら特徴がある個性的な石が多いですが、個性派集団の石たちの中でも埋もれることなくそのへんてこりんぶりを固持する石。 そのうち晴れてあだ名を獲得するのではないか、いや、すでに獲得しているかもしれない、こんな石。 どこがどう変わっているかも一目瞭然ですね。 写真には「Snowcapped Quartz」とありますが、これは私のネーミングです。 個人的には「綿帽子」なんて呼んでいますが、ちょっとかっこよく「雪冠水晶」としてみました。 その名前がすべてを語っているように、ベースはかなり透明感のある水晶なのに、頭に白い帽子……白濁した水晶が被さっています。 これもセプター? 強いていうならセプターの一種、ということになるのでしょう。 セプター水晶ならば、さほど珍しいものではありません。 それなのに、この石が「へんてこりん」になってしまったのは、セプターの重なり方のため。 別名を「松茸水晶」とか「キノコ水晶」というように、セプター水晶はベースとなる水晶の頭を覆い尽くし、キノコの傘のように適度な厚みがあり、やや広がっている……というのがスタンダードな形であると思われます。 しかるに、この水晶の場合は、重なった水晶の厚みが薄く、重なり方もやや少ないようです。 。 |
上の画像でおわかりいただけるように、ベースとなる水晶の錐面がやや見えております。 しかも、透明感のあるベースに対して、被さった方の水晶はほとんど不透明でしかも鱗状のテクスチャ。あまりに質感が違うので、もしかして芯が透明だった不透明白の水晶の上っ面を剥がして、一部分剥がし残っている状態なんじゃないかと思いたくなります。 (ベースの水晶の表面はきれいなので、そんなことはあり得ませんが) さらに、ベースの水晶は透明なのですが、その中に走るクラックの具合といい、土手っ腹を横切る溶けたようなひびといい、なんだかライトニング・クォーツを思わせる特徴を備えています。 (ライトニング・クォーツは、ブラジルの特殊な地層からしか見つからないそうです) さらにさらに、この石、ご覧の通りの大きさがあるため、写真が撮りにくいのです。 いろんな特徴をカメラに収めようにも、ちょうどいい角度で固定するのが至難の業。 そのせいかどうかはわかりませんが、我が家にやってきてしばらく経つのに、いまだに、「いったい君は何者だ」と問いかけたくなる石でもあります。 石の明るさはブラジル産水晶にも通じる、あっけらかんとした明るい透明感。 なのに謎の深さはヒマラヤ・ロシアより。 そんなこいつはマダガスカルの石でした。 いつかもっと納得のいく写真が撮れたとき、このよそよそしさはなくなるのでしょうか。 (2005年5月12日、ブログ掲載) |
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