小さくても技あり 小さい石が多い我が家でも目立っておちびな部類に入る石です。 ただし、小さくても産地はロシア。形はちょっと技ありです。 ダルネゴルスク産のヘデンベルガイト入り水晶です。 写真では乳白色で緑水晶には見えませんが、肉眼ではわずかに緑がかって見え、ヘデンベルガイトが入っていることがわかります。 この手の水晶は、ちょうど普通の水晶の先端部分だけを二つくっつけたような形をしているので、ソロバン型水晶とも呼ばれます。 そのほか、高温型水晶とかベータ(β)水晶とも呼ばれることもありますが、この水晶は低温の条件下で成長していながら高温型の形をしている、ちょっと変な水晶です。 水晶の高温型と低温型 さて、高温だの低温だのという話が出てきましたが、ご存じ、水晶の組成はSiO2。 ところが同じSiO2でも、温度によって結晶の形が異なります。 普通見かける水晶は、「低温型水晶」「α型水晶」と呼ばれ、537度以下で結晶したものです。 一方、「高温型水晶」は、「β型水晶」とも呼ばれ、537度〜870度の間で結晶したものを指します。 (それ以上高温ではトリジマイトやクリストバライトという別の鉱物になります)。 低温型は母岩にくっついて成長することが多いので、おなじみのあの形ですが、高温型はマグマの中に浮かんだ状態で成長することが多いのでソロバン玉のような形になると考えられています。 ただし、結晶の形は温度によって高温型か低温型に決まりますが、その後温度が下がったことによって、結晶構造が変わり、高温型の水晶も低温型水晶の構造になっています。 (逆に低温型の水晶を573度以上に熱すると、形はそのままで構造が高温型になるそうです) このように「高温型水晶」として売られていても結晶の構造は低温型と同じなのですが、写真の水晶は、成長した環境も低温型と同じなのだとか。 光に星が浮かぶ では、なぜ高温型みたいな形になったのかというと、これが謎なのです。 内包されたヘデンベルガイトが関係しているのかと思ったら、同じ産地で透明なソロバン型水晶の写真を見せていただいたことがあるので、これも違うようです。 さすが、ロシア産。 こんなところまでへんてこりんを貫いていますねえ……(とお茶を濁してみたり) さて、タイトルの「星を秘めた」ですが、このソロバン型水晶(なるべく透明感のあるもの)を、とがった方向から見ると、六芒星が見えます。 とても淡い見え方なので、写しにくく、粘土(ミネラルタック)にくっつけたりするとその影で見えなくなってしまうので、なかなか写真に収められません。 半分欠けた別の石で撮ってみたのがこれ。 六芒星が半分見えますか? (ポインタをのせてみて下さい) (2005年5月13日、ブログ掲載) |
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