歓喜のモリオン これまで私の手元にやってきた黒い水晶は、ブラジル、カザフスタン、イタリア、ロシア、ルーマニア、中国、日本。 そもそもスモーキーとモリオンの線引きというのはあいまいなので、何をもってモリオン(黒水晶)とするのかは人ぞれぞれかもしれませんが、個人的には、 ●天然の色であること ●石の大部分が不透明黒 ●表面がつや消し の3点をモリオンの条件としたいと思っています。 ところがこのたび、もう一つ条件を付け加えるべきかと悩むと同時に待ってましたぁ!と快哉を叫びたい石がやってきました。 私の産地の好みと色の好みの両方をそろえる才色兼備ならぬ「産色兼備」な石。 ガネーシュ・ヒマールの黒! ヒマラヤ山脈とアルプス山脈はともにヒマラヤ-アルプス造山期に誕生し、誕生した条件も似ているので、似通った水晶も産出します。 しかし、ヒマラヤ水晶にはアルプス水晶に見られるような濃いスモーキーはほとんどありません。 逆にこの写真のような細い水晶をてんでんばらばらな方向でかき集めたような水晶はアルプスでは見かけないように思うのです。 しかし、写真の水晶は、形はまさしくガネーシュヒマール。 なのに、色はアルプス水晶のびっくりの不透明黒。 しかも表面はつや消し……と、前述した「KURO的モリオンの条件」にぴったり合うのです。 個人的モリオン規定に一石 では、これをモリオン(黒水晶)と言ってよいのか。 ……モリオンの条件にもう一つ付け加えるべきかどうかと悩むのはここです。 写真のタイプのガネーシュヒマール産水晶には、緑泥がぎっしり詰まったものがあります。 見ておわかりのように、問題の石も緑泥がたっぷりまぶされております。 緑泥の中には、深緑がさらに黒っぽくなったようなものもあります。 果たして、この石の色は緑泥によるものなのか、それとも石にも色が付いているのか。 緑泥のようなインクルージョンによって黒くなっているものもモリオンと言ってよいのか……? 悩みます。 実はこの石はネットで見つけたのですが、ネット画面では判断が付かず、ご無理をお願いして拡大写真を送っていただいたのですが、それでもわからず、しかしその黒さに惹かれて購入したのです。 そしてついに実物が手元に! 黒い。本当に不透明つや消し黒。 カッコイイ! じっくり眺め回し、カメラのズームとルーペの合わせ技でチェックしましたが、かなり判断が難しいです。 確信は持てませんが、一部、先端が透明なポイント(ものすごく小さい)ものがあることと、かなりの量の緑泥が付着していることから、緑泥、あるいは何らかのインクルージョンによる黒ではないかと思います。(水晶そのものに色が付いている可能性もないわけではありません) でも、黒い……。 写真は黒バックなのでもう2枚写真を見ていただきましょう。 |
緑と比べてみる 上↑の写真の一番左にあるのが今回のネタ石。右側が一般的な緑色のヒマラヤ水晶です。 明らかに黒いのがおわかりいただけるでしょうか。 真ん中下は、細くて緑泥が入っているヒマラヤ水晶。 ぎっしり緑泥が入っていると言ってもこのように先端は透明なものが多いのですが、今回の石はほとんどすべてのポイントが先端までまっ黒です。 そして、右側が正体不明の黒いインクルージョンが入ったヒマラヤ水晶。 他の緑泥とは質感が違うので、緑泥かどうかはわかりません。 こういうものがある以上、インクルージョンによる黒、という線も捨てられないのです。 個人的には今回の石をヒマラヤのモリオンと言いたい気分なのですが。 (2005年5月18日、ブログ掲載) |
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