あこがれのガウリ パキスタン産、インド産……とヒマラヤ水晶にもいろいろあれど、その透明度、輝き、形のワイルドさでイチオシはネパール産です。 さらにネパール産にもガネーシュ・ヒマール産やガウリシャンカール産、カンチェンジュンガ産などがあるそうです。※ヒマラヤの地図はこちら ネパール産ヒマラヤ水晶は、山が高く、深く、険しいので今でも手掘りで採掘され、人の手によって山から運び出されています。そのため、他の産地に比べて産出量は少なく、貴重です。 その少ない水晶の中でも、ガウリシャンカール産はさらに少なく、実店舗ではほとんど見かけません。 スモーキー! ネパール産の中でのイチオシはガネーシュ・ヒマール産ですが、2位はこのガウリシャンカール産を推しましょう。 ガネーシュが形と輝きの石ならば、ガウリシャンカールは色の深み。 それは写真を見れば一目瞭然! アルプス水晶もかくやという、スモーキーなのです。 しかも、ガネーシュヒマールはスモーキーといっても、「スモーキーがかっているかも」という程度の淡いものばかり。 カンチェンジュンガ産は、透明で細いポイントのクラスターが多いようなので、ガウリシャンカールでのみこんな豊かな色のスモーキーが産出するというのは、不思議で魅力的です。 写真の石は3.5センチほど。根本までむらのない濃い色ですが、表面がつやつやなので、みごとな透明感を存分に鑑賞できます。 ところが、この表面つやつやは、ガウリシャンカール産としては珍しい部類に入るようなのです。 この産地の石は小ぶりなものが多く(例外的に400gというビッグサイズもあるようですが)ファセット(錐面)がマットで、酸化鉄か土のようなものが付着している場合が多いです。 |
こんな感じです。 こちらはやや色が淡く、同じく3.5センチ。 ガネーシュ・ヒマールを思わせる複雑な柱面といい、 重なり浮き出たレコード(キーパー)、(一カ所逆三角形のくぼみも)といい、 小さくても堂々とした雰囲気。 柱面もややマットですが、内部の透明感が高いことは見て取れます。 そして、今回のヒマラヤ波の潮位の高さを表すもう一枚。 |
……3つめです。 3つあわせても、ファースト・ガウリであるペンダントヘッドより安かった……! ペンダントヘッドもガウリシャンカール産としては破格だと思っていたのですが、今回の出会いはまさにラッキー! 3つめはさらに色が淡く、今回は色の3パターンがそろいました。 色が淡いといっても、はっきりわかるスモーキーで、ガネーシュ・ヒマール産の「スモーキー風味」よりはずっと濃い色合いです。 こちらの石も3.5センチ、柱面を覆い、勢い余って錐面にまでおよんだ条線(俗にいう「バーコード」)、 マットな錐面などは、非常に私好みです。 そしてこちらも、複雑な形状をものともせずに、結晶越しに指が見える透明感。 ガウリシャンカールの特徴 ガウリシャンカール産は、結晶のエッジがこすれていて、年月を経た雰囲気があるのですが、それとは対照的に内部はみずみずしいほどに透明なようです。 今回3つ(しかも選ぶことができた)もの石を手にすることができたおかげで、ペンダントヘッドの時にはわからなかったこの産地の印象がはっきりしてきました。 この産地の特徴は色ですが、その印象の核は、内部の透明感にあります。 マットだったり、複雑な条線に覆われたり、決して「きれい」とは言えない表情の下の透明感は、石の大きさ以上の内部空間を感じさせます。 ガネーシュ・ヒマール産も透明感がある石が多いですが、こちらが表面もつやつやで、光に反射した輝きで形とその内部空間を意識させるのに対し、ガウリシャンカール産は存在感のある石の形の中に秘められた空間です。 ガネーシュ・ヒマールの清冽な厳しさに対し、自然と対峙して一人もの思う静けさ。 そんな感じでしょうか。 (2005年5月25日、ブログ掲載) |
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