パール産 クローライト入りクラスター

天に近い緑




ガネーシュ産の特徴

ヒマラヤ水晶といえばネパール産。ネパール産の中でもイチオシはガネーシュ・ヒマール産。
幸いなことにネパール産の中でもガネーシュのは一番流通量が多いらしく、探せば何とか見つかるのがうれしいです。
ガネーシュヒマールの水晶は個性的で、慣れれば簡単にインド産ヒマラヤ水晶と見分けがつけられます。

まずは形。
大まかに分けて二つのパターンがあり、ひとつはずんぐり型。
胴の部分がふくらみ加減で、いわゆる「どんぐり」な感じ。
ひとつの結晶のように見えながら、実はいくつも結晶がくっつきあってひとつの形を作り上げていることを示す接合線(縦の線)や、成長線(横の筋)などで、複雑なテクスチャをしています。

そしてもう一つは先細りスッキリ型。
結晶の断面が三角形っぽく、結晶の形も先端に向かって先細りになっています。

形のタイプで内包物も違う

次に水晶の色と内包物です
先に挙げたずんぐり型の方は、ごく淡いクリーム色やスモーキーのものもありますが、総じて透明度が高いように思います。
内包物はあまりなく、ヘマタイトやマイカが付着していることがあります。

一方、先細りスッキリ型の特徴は緑泥。
水晶の部分が多いのか、緑泥が多いのか疑いたくなるほど緑泥ぎっしりの水晶もあります。
ルチルが入っていることもあります。

不思議なことに、緑泥ぎっしりのずんぐりタイプは見たことがありません。
ルチルが入っていることも少ないようです。
同じガネーシュ・ヒマール産でも、いくつかの採掘スポットがあるのでしょう。

聞くところによると、ガネーシュ・ヒマール産といってもガネーシュ・ヒマールの頂上から掘られたものではなく、また山を崩すことは禁じられているため、山の麓、もっと正確に言えばガネーシュ・ヒマールを含む山域で掘られたものがガネーシュ・ヒマール産といわれているのだと言います。
それでも富士山より高いところで掘られているわけですから、さすがヒマラヤ。

ヒマラヤの緑

私はもちろん、どちらのタイプも好きです!
ただ、ヒマラヤ水晶はグラムあたりの単価が高いうえ、なかなかクラスターが手に入らないのがちょっと残念。単結晶も見応えありですが、クラスターはまた別の魅力があるのです。

写真の石は、手のひらサイズですが、クラスターで、緑泥入りで、母岩付きで、ワイルド! と、何拍子もそろったうれしい石。石灰分かな……と思われる白苦くて粉っぽいものがうっすら表面を覆っていて、光の具合で霜が降りているようにも見えます。
このように黒過ぎず白っぽくもない緑泥入りのものは、ヒマラヤの緑水晶と言われることがあります。
緑泥が入るだけで植物めいて見える不思議……緑泥が含まれる水晶のほとんどが先細りスッキリタイプだというのが、まるでそのためであるかのように思えてきます。

クラスターは持ち歩くことはできませんが、その分表情豊かで、じっくり向き合い鑑賞するのに適した形だと言えるでしょう。

(2005年5月26日、ブログ掲載)
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