南アフリカ産 カクタス・クォーツ

仙人掌という石




トゲトゲの掌。

「仙人掌」って何?……と思われた方も多いでしょうか?
あっさり言っちゃいますと、サボテンのことです。
つまり、仙人サマの掌はトゲトゲだということで……とても仲良くなれそうにありません。
逆になかよくなってみたいのが、
カクタス・クォーツです。
ご存じのようにカクタスとは、サボテン(多肉植物)のこと。
つまり、サボテン水晶というわけです。

カクタス・クォーツは、にょきにょきというより、にょろにょろ……とでも形容したい、ユニークな水晶です。別名をスピリットクォーツといいます。この石が採れる地方では、精霊が宿る石とされていることからスピリットクォーツの名前があるのだとされていますが、本当かどうかはわかりません。
(精霊が宿ると崇めているならば、たくさん輸出されているのが不思議だと思いませんか?)

この水晶も希産とまでは言いませんが、比較的珍しい部類にはいると思われます。
なのに、妙に選り好みしてしまって、なかなか手元に迎えられずにいました。
「時に「サボテンぽくない」などと、石には関係ないようなわがままな条件をくぐり抜けて我が家にやってきたのが写真の石。

ちょうと掌サイズのほどよいボリュームと、ほどよくサボテンっぽい形、先端の錐面と柱面のドゥルージーのバランスもなかなかよろしいんじゃないかと自画自賛(笑)
もっと色が濃いものもありますが、私はほんのり先端アメシストな、こういう色合いの方が好きですし、柱面の小結晶もこれくらい小さい方が好きです。

一部黄色っぽく見えていて、この部分を「シトリン」だとする説明もみかけますが、これは褐鉄鉱かなにかの成分によって結晶の表面がコーティングされているもので、鉄イオンによるシトリンというのはちょっと正しくないと思います。
また、コーティングによって全体が黄色く発色しているものを「サンシャイン・クォーツ」と呼ぶ場合もあるようです。

カクタス・クォーツのメカニズム

水晶のことについて自分なりにいろいろ調べてきた今、このカクタス水晶については、「一種のキャンドル・クォーツ」であろうと考えています。
以前にご紹介したように、キャンドル・クォ−ツは、水晶の原料となる成分がたくさん含まれた熱水の中で成長したために、ひとつの大きな結晶が成長するのではなく、あっちこっちで結晶が成長し、ひとつになったもので、専門的には「骸晶」に分類されるようです。

では、なぜ先端が大きな錐面になるのかというと、これは結晶が成長していくにしたがって、熱水中の水晶の原料成分が少なくなり、大きな結晶を形成する程度になったためと考えられます。
下部が小さな結晶の集合体で、先端が大きな錐面という特徴は、カクタス水晶にもそのまま当てはまります。

アメシストの結晶は柱面が発達しにくい場合がありますが、(例:ブラジルのアメシストのクラスターなど)柱面の発達していない結晶が集まると、キャンドル・クォーツ状になるかわりに、カクタス・クォーツのようになるのだと思うのです。

アメシストで、柱面が発達しない傾向があるのは何故か。
ローズクォーツで結晶が少ないのは何故か。
……私は、不純物である鉄イオンやチタンなどのせいで、結晶する温度に変化が出ているのではないか……という気がしています。

不純物と結晶温度

水晶には、870℃から573℃の間で結晶したと言われる高温型水晶と、573℃よりも低温で結晶したと言われる低温型水晶があります。
高温型水晶は、いわゆる「ソロバン型水晶」、低温型水晶はよく見かける六角柱の形です。
(ただし、高温型水晶も温度が変わると低温型に変化してしまい、厳密には「形だけ高温型の低温型水晶」になるそうです)
870度よりも高温だと、また別の鉱物になってしまいますし、低い温度では大きな結晶にはならず、微少な結晶の集合体……カルセドニーになってしまいます。

しかし、水晶として結晶する温度には幅があります。
ですから、透明な水晶と、鉄イオンやアルミニウムイオンが混ざり込んだ場合、あるいはローズクォーツのように微細なチタンが混ざった場合では、結晶する温度……結晶できる温度が微妙に異なり、それが結晶の形に影響を及ぼしているのではないか……と考えるのは、おかしいでしょうか?

(2005年7月7日、ブログ掲載)
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